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第七話 大問題
「え…!?」
猯の声がして振り返る。
熱心に料理をしていたから、気付かなかった。
「あ…料理やっちゃだめだった?」
その可能性はある。
「いや、その、そうじゃなくてですね…」
すっと視線が並べた料理に行く。
炊き立ての白米に、こんがりと焼いた塩鮭、さっぱりするたたき梅キュウリ。そして、ほのかな甘みがあるキャベツの味噌汁だ。
(梅が見つかって良かった…じゃなくて!)
どこにでもある普通の和食がいけなかったのだろうか…例えば、もう豪華さが足りないとか。
あり得る。
「いつもはご飯、わたしが作るんです。その時はその…」
もじもじと人差し指を絡ます。
「は、白米だけなんです……」
シーンと沈黙が走る。
「ふ、副菜とか…せめて、味噌汁とかは…?」
ブンブンと顔を振られる。
「白米炊くだけで時間が過ぎちゃって………」
大問題では…と心の中で頭を抱えた。




