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第五話 ようこそ
「こっちよ。付いてきて」
「はい」
神社の敷地から出て大きな木に近付く。
「ここよ」
大きな木の前でピタリと止まった。
「ここ…?」
(何もないけど…)
狐がペタリと木に触ると、ぽわぁと眩い光が漏れ出し、咄嗟に目を瞑ってしまう。
「…っ!?」
絵の具が混じるように見えていた景色が全てグニャグニャと歪んでいく。若干気持ち悪いが吐くほどではない。
「…?」
終わったか?と思い、目を開ける。
飛び込んできたのは、ログハウスと言うべきだろうか。暖かい木の部屋だった。
「ようこそ。ここは、現世と幽世の丁度半分に位置する私の住処よ」
狐の目が優しげに細められた。




