第一話 おはよう
パチリと目を開けると知らない天井だった。
「………」
ムクリと体を起こす。
物は少なく、生活に困らない程度しかない。部屋の大きさは4.5畳と一人暮らしではちょうどいい。
(そういえば昨日…)
✿
「今日からここに住み込みで働いてもらう」
と、案内されたのは大きなお屋敷。
でも、我が家と比べれば小さいが。
(住み込み…!)
そう、住み込みと言ったのだこの男は。
(やった!これで、住居を探す手間が省ける!)
内心大喜びだ。
「お前の部屋は、麗の左隣だ。
なにかあったとき、すぐに駆けつけられるようにな。
麗は7時に起きる。お前はそれより前に起きて、朝食の準備をするのだ。分かったな?」
他の人が聞いたら、横暴な物言いだとか思うかもしれないが、このての人は両親で慣れている。
「承知しました」
綺麗なお辞儀をする。
礼儀に厳しい両親お墨付きのお辞儀だ。
「あ、あぁ、よろしく頼む」
少し、上擦った声だ。何故だろうか。
✿
「で、この部屋に通されたんだっけ」
窓を開けると涼しい風が頬を撫でた。
「いま、何時だろう?」
明け方っぽいので、6時くらいだと予想する。
この部屋には時計が付いているので、窓を閉めながらそれを見る。
【5時30分】
(ちょっと早く起きすぎたかな)
実家だったら、このくらいの時間に起きて、雑巾がけをしているのだ(やれと言われていたので。アイツ等は私のことを虐めて楽しんでいたのだと思う)。
最初はなんで私がとか思ったが、やってるうちに家がドンドン綺麗になっていって楽しくなったので日課となった。
ちなみに、化狐邸でもやっていた。
(やりたいけど、雑巾がどこにあるか分からないんだよね…)
化狐邸では、雑巾がどこにあるか聞いて、やらせてもらったのだ。
「あとで聞こう」




