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第四話 真っ白な狐
遅くなりまして、大変申し訳ないです…
後ろに佇む狐は真っ白の雪みたいな毛並みに森みたいな緑色の瞳でコロコロと鈴が転がるように笑った。
「お客様は珍しいわ」
おっとりと喋る狐の声を聞くと、なんだか肩の力が抜けていくような気がする。
それよりも、この人の誤解を解かなければ。
「私は銀狐玉藻。逃げてたら、ここに流れ着いただけなの。だから、貴方の言うお客様ではないと思う」
何となくそう思ったのだ。
狐はパチリと驚いたように瞬きをすると、クスクスと笑い始めた。
「そうなのね。でも、私の姿が見えることが『お客様』の条件なのよ。
いらっしゃい。逃げていると言ってたし、追われているのでしょう?
私の住処は安全で誰にも見つからないから都合が良いと思うわ」
駄目かしら?と首を傾げる姿が愛らしい。
「分かった。邪魔になるようなら、直ぐに帰るから」
狐は私の返事を聞いた途端に喜びを全身で表していた。




