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第四十一話 痛いのは一瞬だから
「待たせちゃってごめんね」
まるで好きで好きでたまらない愛しい人に語りかける言葉の如く、優しく慈しみ深い声で謝罪の言葉を口にする。
だが、その顔に張り付けられた微笑みはそれとは真逆の感情を表していた。
「っ…!お、お前!俺の仲間になれ!」
気でも狂ったのかとため息が出てしまう。
「大丈夫だから。怖くなんてないよ。
だって…」
ゆっくりゆっくりと歩みを進めていく。
「ひっ…!」
ボスらしき人の前でピタリと歩みを止めた。
「や、やめろ…!」
細く女性らしい指がそいつの首を優しく掴んだ。
_痛いのは一瞬だから




