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第二十六話 ストレス発散方法は色々ある
「は、はぁ!?金目のものじゃねぇのかよ!!?」
財布とかだと思ったのかな?
それにしては膨らみすぎだと思うが。
(お金…)
「私、一文無しだから渡すものがない。ごめん」
軽く会釈をし、そのまま立ち去ろうとすると腕を掴まれた。
「なに?」
「このままただで逃げれると思ってんのか!?あぁ!?」
プルプルと顔を真っ赤にさせて怒鳴り散らしてきた。唾が飛んで汚い。
「離して。痛い」
異形だし男性だしで力が強い。
このまま握り続けられれば骨が折れてしまうだろう。
(これなら正当防衛かな…?)
私を掴んでいる相手の手首を両手で優しく掴む。
「?」
異形の男は何をしているのか分からないのか不思議そうな顔をしていた。
「えい」
グッと力を入れ、手首を反対方向に折る。バリキと良い音がした。
「ぎ、ギャァァァァ!!!」
大絶叫とはこのことだ。
そんな男を尻目に私はその様子を観察する。
(いつもだったら骨にヒビが入るくらいだけど…折れたのはこの姿になったからかな…?)
まぁ、何にせよ、ストレス発散に缶を片手で潰していたのが功を奏したようだ。




