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第二十五話 カツアゲ
「やっと着いた…」
旅館鬼城と書かれた木の看板が飾ってある。
お婆さんの言う通りならばここが目的地だ。
(中に入れば良いのかな…?)
その辺を何も考えず突っ込んできてしまったが、大丈夫なのだろうか?
やっぱりアポイントメントを取ってからの方が…と考えているとガラの悪い異形の集団がこちらに向かって来た。
「おいお前。そのポケットに入ってるもんよこせ」
いきなり話しかけてきたので驚いて、ポケットに入っているもの?とオウム返ししてしまう。
「そうだよ!オレらの行く道を塞いでんだから当たり前だろ!!」
他にも道はあるが…と正論が喉まで出かかったときに気付いた。
(これはもしかしなくても…カツアゲ?)
本でしか見たことがない状況だ。
少しワクワクしてくる。
「ほら、早くよこせ」
手をこちらに寄こしてくる。
(ポケット…)
スッと取り出したのはルービックキューブ。
「……は?」
思わずと言った様子で素っ頓狂な声をあげた。
「列車で猫又のお姉さんにもらつたやつ。欲しいならあげる」
できれば渡したくないのだが、カツアゲされると言う経験をさせてくれた人だ。代金代わりにあげよう。




