第二十一話 金平糖
「な、なんだったんだろう…?」
幻覚…ではなさそうだし…
(取り敢えず、鬼の宮行の電車を探さなきゃ)
一度、ホームに戻り、必ずあるであろう発車標を探す。
「何かお探しですか?」
顔がない駅員だ。でも、さっきのゴリラを見ているので驚かない。
「鬼の宮行の電車に乗りたくて…」
「あぁ、それなら、2番線の列車ですよ」
ありがとうございますと素直にお礼を言う。
「どうもご丁寧に。素直なお嬢さんには金平糖をあげましょう」
そう言われて手を取られ、その上にキラキラ光る小さなお星さまみたいな金平糖が入った瓶を渡された。
「それでは、良い旅を」
何度めか分からないが頭を下げてお礼を言う。のっぺらぼうの駅員は笑って去っていった(気がした)。
早速2番線に行ってみる。
そこには、先頭に鬼の顔が貼り付けてある蒸気機関車が止まっていた。
(今どき蒸気機関車って…それよりも、鬼の顔が気持ち悪い…)
コレに乗らなきゃいけないのか…と軽く絶望する。
中身は普通の蒸気機関車っぽいが。
それよりもこれがどこ行なのかを聞かなくては。
近くにいる駅員を捕まえる。
「すみません、この電車?ってどこ行でしょうか?」
「鬼の宮行です」
「ありがとうございます」
お礼をして再度蒸気機関車と向き合う。
「はぁ…仕方ない、か」
蒸気機関車に乗り込んだ。




