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第十四話 走り回る狐
「……結構暗い」
隠れ家はずっと明るいのでちょっと驚いた。
「今、何時なんだろう?」
まぁ、朝になってはいると思う。
理由は月が沈みかけているからだ。
「取り敢えず、駅まで行ってみよう」
切符と言うことは電車だろう。
電車が止まるのは駅。ならば、駅に行くのが妥当。
(ここから駅までどのくらいなんだろう?)
充電切れのスマホをポケットから取り出す。
因みに、今日の服装は紺色のジーンズに灰色のパーカーだ(化狐が人間に化けて買ってきてくれたやつ)。
お金がなかったので、その日は化狐の好きな物を作った。
(取り敢えず、少し走って探してみよう)
「え…!?」
ほんの少し走ってみようと思ったのに、高速道路を走る自動車くらいのスピードが出ている。
流石に驚いて、急ブレーキをかけた。
「身体能力って上がるんだな…」
人にもこの姿は見えないようだし、ちょっと本気出して走ってみようかな。
楽しくなってきて、日が昇るまで出来ることを確認していた。
第十話あたりから数字になってました。すいません…