表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/20

頂点へ

こういちが学会に向かう道すがら、冷たい風が顔に触れる。

だが、それよりも心の中の冷静さが彼を支配していた。

学会の壇上で、彼の論文がどれほどの衝撃を与えるか、その計画は完璧だ。


「これが俺のやり方だ。」

口元に小さな笑みが浮かぶ。


壇上に立つと、彼の視線は客席を一周する。

その目に宿るのは自信と確信だ。

観客たちが息を呑む中、彼はゆっくりと発表を始める。


「AIを使って何が悪いってんだ?」

彼の言葉が響くと、会場が一瞬静まり返る。周囲の学者たちは驚きと疑問を交えた視線を向ける。


しかし、こういちの論文はそれを超えていた。

従来の知見を凌駕し、未知の領域に切り込む。そのデータの正確さ、仮説の斬新さに、誰もが息を呑む。


「これは…」

どこからか、驚きの声が漏れる。


「そうだ。これはAIの力を駆使して得られた結果だ。」

彼が続けると、客席のざわめきが再び大きくなる。


批判する者はいない。ただただ、驚愕の声が広がるのみだった。

教授たちは口を開け、同僚たちは言葉を失っていた。


こういちは、その場に立ち尽くし、視線を会場に戻す。


「学会は進化するべきだ。俺のやり方がその証拠だ。」

力強い言葉が投げかけられると、沈黙。

そうして大きな拍手が巻き起こる。


彼の前に立ちはだかるものはもう何もない。彼が学会を掌握し、AIを駆使した研究が新たな地平を開拓する。それは彼の掌握する影の王座だ。


「戻ってきてくれ?」

彼は再び口にする。

「もう遅い。」


こうして、こういちは学会を蹂躙し、頂点に立った。彼の計画は完璧だった。誰もが彼を恐れ、そして尊敬する。AIという道具を使いこなすことで、彼は未来の研究者たちにその道を示していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ