人殺し
「私は忠実で愛すべき従者を殺そうとした腐れ外道のゴミ虫クソウジ湧き肉団子です。この害悪ウンコ製造無能豚には生きてる価値なんてありません。」
『忍様がいてくださるだけで千影は幸せです。意味はわかりませんがそんなに言葉巧みに責められることはありません。千影は大丈夫ですので、お気に召したのであればもっと刺していただいても大丈夫ですよ。』
「……無理。」
一度眠って起きた忍はずっとこの調子でブツブツつぶやいては泣き出すというのを繰り返していた。
千影の言葉に返答はしてくれるものの明らかに様子がおかしく、忍が暴走していることは一目瞭然だった。
『忍様、お風呂に入られてはいかがでしょうか。温まりますよ。』
「……うん。」
目隠しの向こうでお湯があふれる。
忍がいつも見られるのを嫌がっているのは知っていたので影分身はつけても必要な時以外は忍を見ないようにしている。
千影はビリジアンの従魔車の中で忍がしてくれたように、忍の話をできるだけ聞いて返答を続けていった。
風呂で温まってきた忍はそのうち昔の世界の話をはじめた。
「性善説というものがあって、人は生まれたときにはみんな善人だというんだけれど。その後の経験で、悪人になってしまうっていう話なんだ。私は悪人になりそうだったから必死で善人であろうとした。」
『善人ですか。』
「そうだ、善人であることは美徳だからな。千影は私が馬鹿にされた時相手を殺すか尋ねてくれるが、それは向こうの世界では悪人の行動だ。例え真正面から罵倒されたとしても手を出すことは許されない。罵倒を返すことも出来なかった、そこで戦った時に私はあまりに弱かった。濡れ衣だって何度着せられたかわかったもんじゃない。」
『忍様が、弱い?』
千影にとってはにわかには信じられない話だった。
召喚されて出会ってからの忍は潤沢な魔力をもち、武芸に努力し、崩れ落ちるまで自分を高めようとするような人物だったからだ。
「他にも細かなルールが山ほどあって、仕事をするためにまず必要なのは経験と資格、法律を鑑みれば物を売ることだって日々の糧を得ることだって勝手にはできない。それら全てを気にして善人っていうのはまず無理なんだ。そして次に目指すのは普通であることだ。」
『普通ですか。』
「普通であれば人という集団の中で浮かずに済むし、様々な恩恵も得られる。無意識な敵意を向けられづらくなるとかね。でも、私は普通にはなれなかった。明らかに間違っている答えに頷くことができなかった。まわりと一緒に弱いものいじめができなかった。普通であることがなんだかとても悪いことに見えてしまった。そして最後には何もやらなくなった。」
『難しいですね。』
「……ああ、そうか。私の願いは一度叶っているのか。」
不意に忍は何かに気づいたようだった。
『それはおめでとうございます、一体どんな願いですか?』
「私の願いは苦しくて辛くてどうにもならない人生を終わらせること……死ぬことだった。でも、何故か願いを叶えた先で人生が続いてしまっている。死は終わりじゃなかった、リセットスイッチだった。リセットしたにも関わらず前世に引きずられて君を刺した!私は無能どころか害悪でしかないんだよ!」
ゴツっと嫌な音がした。
影分身に視界をつなげると忍が樽の縁に頭を打ち付けている。
それ以上頭を打ち付けないように忍の顔に飛びかかるが、忍は影分身をやさしく引き剥がして風呂から上がった。
『忍様がどのようなお方であっても、千影は忍様にお仕えいたします。もし次があるのなら千影が必ずお止めいたします。』
「すまない、喋りすぎた……私は自分の身が可愛いだけの自己中ミートボールだ。ただ、スキップの仇は必ずとる。その後、私への罰を千影が決めてくれ。」
『そのようなことは』
「これだけのことをしてもらってすまないが、命令だ。寝ている私に近づくな。それに、信賞必罰は世の常、だ。」
『……承知いたしました。』
千影は忍にそれ以上言葉をかけられなかった。
それからは忍も黙ってしまって、風呂から上がると書き物や作業をしたのち毛布にくるまって寝てしまった。
休もうとしてくれていることに安堵した反面、千影はそんな忍を見ているのがなぜだかとても苦しかった。
鬼謀と山吹が調べてくれた内容に沿って忍は行動を起こすことにした。
目標はマウントバーガー商会の商会長、カウチポテトの屋敷である。
街の門は宵闇のマントで透明になることで特に何もなく突破できた、宿の部屋で山吹、鬼謀と合流する。
「主殿、一週間ぶりですね。ご無事で何よりです。」
「きゅ。」
「ああ。二人もよく調べてくれた。ありがとう。」
ここ数日カウチポテトは同じサイクルで生活している。
あと二時間もすれば従魔車で屋敷に帰り着き、愛人だか娼婦だかよくわからない綺麗な女性が数人、屋敷に入っていくのだ。
屋敷の中の様子までは探れなかったようだが、厚い雲が月明かりを隠しドカドカ雪のおかげで夜中の悲鳴もかき消される絶好の襲撃日和だ。
「街の道路は火の魔法使いが雪を溶かして回っていますが、夜中はすぐに雪が積もって歩きづらくなるゆえ、お気をつけください。」
「わかった、屋敷近くまで案内してくれれば千影が制圧する。ダメだった場合は鬼謀と私で突入、カウチポテトが依頼主だった場合は鉄槌を下す。」
『殺すのですか?』
千影の問いに忍は苦々しく眉間にシワを寄せうなづいた。
「許せない。」
忍の顔から表情が抜け落ちた。
全員が無言でうなづいて、忍たちは部屋を後にした。
無駄に広いカウチポテトの屋敷には護衛や魔法使い、使用人が詰めていたが千影に対応できた者は誰もいなかった。
最初に気付いた精霊魔術師を気絶させた後、屋敷の中の人々はほどなくして全員闇の精霊にとらわれることとなった。
ベッドの上で女性とともに間抜け面をして眠っている太った男に怒りが湧いてくる。
『屋敷にいた使用人などは暗殺とは関係ないようです。暗殺を指示したのはカウチポテト、直接クラゲへの対応や支払いを担当したのは会計係の男のようです。いくつかの商店や貴族で事務仕事の代行をしているようですね。』
「女性を他の部屋へ運んでやってくれ。」
忍が指示を出すと山吹が首を振った。
「ひどい顔ですね。処理は鬼謀がやりたがっているゆえ、主殿は無理をしないでもいいのですよ。女性は二人ゆえ我と主殿で隣の部屋に運びませんか?」
忍は首を振った、山吹は心配そうにしながらも女性二人を抱えて隣の部屋へ連れて行く。
赫狼牙をゆっくりと抜き、息を整えながら魔力を流すと剣身が真っ赤に燃える。
「できれば、見ないでほしいんだが。」
『廊下でお待ちしております。』
「きゅ。」
鬼謀も千影も部屋を出て扉の閉まる音がする。
「ぎゃああああ!!腕が、わしのう…ぎっ、が、あつ、あっ足いいいぃぃ!!」
部屋の中から汚い悲鳴が聞こえる、しっかり作られた屋敷の壁と雪の音に遮られその声は誰にも届かなかった。
そのうち部屋から煙が上がりはじめた頃、返り血を浴び憔悴しきった忍がドアを開けて廊下に出てきた。
「……帰る。私達が路地に入ったら屋敷の人を起こしてくれ。」
『承知いたしました。』
細切れ肉の焼ける不快な匂いが、いつまでも鼻腔にこびりついている気がする。
バンブーグリズリーのときは必死だったが、今回は自分の意志で無惨な死体を作り出した。
燃える赫狼牙を突き刺し、不快な声を上げる相手の命を奪う行為は控えめに言って最悪だ。
忍は途中から仕事という意識でそれをこなしていた、仕事なら嫌な残業も、溝浚いも、他人の糞尿の処理ですら拒否はできない。
淡々とした作業として人を苦しめる。
抵抗できない相手の最も嫌な場所をえぐり、意識を保たせたまま事切れるまで痛みを与え続けた。
次、足の小指、最悪だ。
次、足の甲、うるさい。
次、ふくらはぎ、臭い。
次、次、次。
次、次、次、次、次、つぎ、つぎ、つぎ、ツギ、ツギ、ツギ、ツギツギツギツギ。
カウチポテトの寝室から火の手が上がるころ、使用人の意識を奪っていた千影が忍たちに追いついた。
千影を待っている間はとても短い時間だったが、忍の頭は先程の光景を幾度となく繰り返し、正気を取り戻すことを拒否し続けた。
『使用人の逃げ出す時間は十分あるかと、お疲れさまでした。』
「……ああ、みんなよくやってくれた。次、会計係。」
声をかけられたことで、忍は反応をする。
しかし狂気のみっちり詰まった頭は何かを考えているわけではなく、その反応は反射的なものだった。
「主殿、様子がおかしくなっています。今夜は我も鬼謀もおりますゆえ寝床でゆっくりと疲れを癒やしてはいかがですか。」
「やめろ。」
山吹の忍を気遣う言葉に、殺してしまうと答えかけて、思考を少しだけ取り戻した。
千影を刺せるのに、見ず知らずの誰かを刺せないわけがない。
忍は理屈どおりに人を殺し狂気に飲まれ、仲間からの指摘に狂気から引き戻されて今度は現実が襲ってくる。
「うっ……うぇ。おぇ…。」
この世界に来てから何度吐いただろう。
前世と比べるまでもないくらい忍は幸せなはずなのに、なぜこんなにも苦しい思いをしているのだろうか。
運命は決まっていないと自分でも先はわからないと神はいう、それなら忍にはもしかしたら運命を選びとる才能がかけているのかもしれない。
宿の部屋に転がり込むと宵闇のマントを解除して二人の従者と目を合わせた。
「鬼謀、山吹、私は千影を殺そうとした。私が寝ている時に近づかないでくれ、頼む。」
一方的にそれだけを告げて部屋の隅で野営用の毛布にくるまる。
山吹が何かを口にしようとしたが忍は目をつぶって返答を拒絶した。
忍が寝静まった深夜、山吹が魔法を使った。
風の魔法中級【サイレンス】、魔法使いの指定した範囲の内側から音が漏れなくなる魔法だ。
忍に怒られて無理やり特訓することになった魔法が役に立った。
「天原忍者隊、緊急会議をはじめます。千影殿、主殿に何があったのですか?」
「旦那様の様子がおかしいのは【同化】でも感じていたけどここまでじゃなかったよ?」
鬼謀と山吹は訝しんでいた、忍は人を殺してその重責に心を痛め吐いてしまうような繊細な精神の持ち主だ。
さらに相手は特に信頼をおいている千影、本当ならば異常事態である。
質問の声は虚空に吸い込まれるが、部屋の隅から闇が湧き出し狼耳と尻尾のついたシルエットを作り出す。
そして人の形となった闇の精霊から返答が返ってくる。
『千影は忍様の力になりたいです。しかし、わからないことが多く、起こったことをできるだけ正確に伝えることしかできません。お二人の考えをお聞かせください。』
千影の話す内容はまるでおとぎ話のようだった。
三つの大魔術、ドラゴンとの邂逅、ひっくり返った鍋、フェリスとドカドカ雪、千影にナイフを突き立てたこと、その後のまるで判を押したように同じような行動を繰り返しはじめて決行日が来てしまったことなど、詳しく話が紡がれていった。
山吹と鬼謀がそれらを聞き終わったのはもう朝も近い三時過ぎのことだった。
「兵士の病、ですね。それもかなりひどいのでしょう。」
山吹はその症状を知っていた。
戦場に出た兵士が夜中に突然飛び起きて仲間を殺してしまう。
夢の中での敵襲やちょっとした音や声に反応してパニックを起こすのだ。
それをこの世界では兵士の病と呼んでいた。
『忍様は病気なのですか?』
「ええ、しかも魔術では治すことができず、どうしたら治るかもわからない奇病です。」
「そんなのあるんだ……。」
鬼謀が忍の顔色をうかがう、一度消えていたクマはより濃くなって浮き出ており、やつれているのがよくわかった。
ふくよかなはずなのに、なぜかとても小さく見える忍のことを誰もが心配していた。
「先生のところではどうやって治療していたの?色々試せばなにかは効くんじゃないの?」
「それが、男女の営みや美味しい食事、酒、とにかく寝るなど聞いたことがあるものの、何が効くかはわからず、効いたとしても一時的ゆえ。」
「さっきはああ言われたけど、旦那様襲っちゃうとか?」
『鬼謀、忍様を裏切るのですか。』
千影が鬼謀に手を伸ばそうとするが、鬼謀は両手を上げて降参のポーズをする。
「違う違う!そうじゃ、そうじゃないよ!」
「千影殿、この場合の襲うというのは危害を加えるのではなく、男女の営みを積極的に求めるということですね。しかし、無理やりでは悪化することもあるゆえ、荒療治でも左右から腕をおさえての添い寝というところまでです。」
『千影は寝ている忍様に近づくなと命じられています。山吹は大丈夫かもしれませんが、鬼謀は死ぬかもしれませんよ。』
「僕は旦那様に殺されるならいいよ。楽しくなってきちゃったからできれば死にたくないんだけどね。」
話はついた。
鬼謀と山吹は忍の両脇からそっと近づいて身を寄せる。
しばらくすると忍がうなされはじめたので、千影の話を聞いていた山吹と鬼謀は起こさずに成り行きを見守った。
そのうち忍は脂汗をかきはじめ、なにかにうなされるように息が粗くなっていく。
「……ひっ?!」
目を覚ました忍が息を呑んで暴れようとするが、山吹がきっちりと右手を抑えていたことですぐに冷静になったようだった。
「……何してる。」
「千影殿から話を聞いたゆえ、こうしてくっついております。」
「聞いたならわかるだろ、離れろ。鬼謀もだ。」
「やだ。」
「まあ、聞いて下さい。主殿は兵士の病にかかっているのでしょう?」
「兵士の、病?トラウマとかフラッシュバックのことか?」
「どちらもわかりませんが、兵士の病なら我が体をおさえるゆえ、一緒に寝ることといたしましょう。ぬくもりはいい薬になると聞きますゆえ。」
「僕はあれかもしれないけど千影さんと先生なら大丈夫だよ。」
『忍様、千影は忍様を殺しかけたことがあります。ならば忍様が千影を殺しかけたとしてもいいのではないでしょうか。』
「……よくは、ないだろ。」
ため息を付いて忍の体から力が抜ける。
人薬のおかげか眠ったからなのかトゲトゲした雰囲気が少しやわらいでいた。
「離れてくれ、血がついて吐いたあとの汚いおっさんに抱きつくなんてどうかしてる。着替えるから。」
『忍様、千影に命令の撤回をお願いします。』
「命令を撤回する。絶対死ぬなよ。私は抑えが効かないからな。全員、絶対死ぬなよ!」
忍はなんだか恥ずかしそうに笑っていた。
その日は全員で一緒に寝ようとしたのだが、シングルベッドは忍が寝るとそれだけで横幅いっぱいになってしまうので毛布を敷いて床で寝た。
「わっ、ほんとに空が真っ暗だよ。」
「どこかで雨具を着込みたいですウオ。」
「プオッ!」
ニカと白雷は無事にビリジアンでシーラを拾い上げた。
白雷はマクロムとビリジアンの間にそびえ立つ未開の山脈を超えて最短ルートで突き進んだため三日で忍ハウスビリジアン支部に到着、一日で旅支度を整えてビッグバンに帰ろうとしている。
しかし、山に差し掛かったところでドカドカ雪を降らせている分厚い雲が一行の前に立ちはだかった。
「プオォ…。プオップオッ。」
「あ、たしかに。困ったね。」
行きは雲がなかったので未界地を高く飛ぶことで魔物の襲撃を回避できた。
しかしこれだけ厚い雲がかかっているとその方法は使えない。
さらに雪の降るなか夜通し飛ぶわけにもいかないため、速度は半分ほどに落ち込むことになるだろう。
「白雷さんはなんと言っているのですウオ?」
「雲が厚くて少し遅くなりそうだって。魔物は白雷さんがなんとかするからシーラさんは安心してしがみついてて!」
魔物と言ってシーラの顔が曇るかと思っていたが、シーラにそんな様子はなく目をつぶってなにか思案しているようだった。
「武器はありますウオ?」
「あっ、大丈夫だよ、白雷さんは山吹さんのお墨付きだから。まだちょっとかかるけどごめんね。怪我は大丈夫?」
「このくらいなんとももないですウオ。」
シーラは白雷にまたがったあと、後ろからニカのツタでぐるぐる巻きに固定された。
その状態で白雷がスピードを出すとツタが擦れて、布越しでも体に擦り傷がついてしまうのだ。
休憩のたびにニカが回復をしてくれるものの、あまり快適な旅とは言えなかった。
「プオッ!」
雨具を着込んでいると白雷が声を上げた。
ニカに緊張が走る、白雷が上空に飛び上がると角が白く光り、まわりの茂みに雷が落ちた。
なにか肉の焼ける匂いがする。
「白雷さん、こっちを狙ってたのを仕留めたみたい。匂いで魔物が集まってくるから早くいこうって。」
「い、急ぎますウオ。」
白雷が戻って来ると二人は急いで背中に乗って飛び上がる、空から今までいた広場を見ると一メートルくらいの猫の群れが取り囲んでいたようだ。
「休憩は茂みより見通しのいいところのほうがいいのかな?」
「ニカさんは冷静ですウオ。私は背筋が凍りましたウオ。」
二十匹近い群れに全く臆していないニカに若干引き気味のシーラなのであった。
マクロムに入るまでは小さな事件はあったものの特段の問題はなかった。
そしてビッグバンまであと二日というところまで迫った日、それが現れた。
「プオオォォ?!」
「え、あ?!」
「えええええ?!」
白雷が急に止まり、ニカが驚きの声を上げ、痛みに顔を上げたシーラは思いっきり叫んでしまった。
正面からこっちに飛んでくるのは物語の中でしか見たことのない巨体、真っ黒な角を持ったドラゴンだった。
「ど、どうしよう。こっち来てる!」
「迂回はできないウオ?!」
「プオッ!」
シーラの案が即採用され白雷が真横に進路を取りはじめたが、白魔はこの薄暗い空ではよく目立つ、ドラゴンは首だけを動かして白雷を目で追っていた。
いきなりスピードを上げた白雷にシーラとニカは必死にしがみつき、空気抵抗のせいで顔があげられない。
「どうなってますウオー?!」
「わたしもわかんなっ、わっ白雷さん大きくならないでー!」
「ブオオオォォォ………」
白雷は従魔車くらいの大きさになりスピードをさらに上げた。
あっという間に空の彼方へ消えていく白雷を見送ったドラゴン、デッドストームはつぶやく。
「なんだ?寝てる間に妙なのが増えてるな。」
白雷はこのまま夜通し飛び続け、次の夜明け前には気絶した二人を連れてスカーレット商会の壁を突き破った。
朝一番で事務所に来たゴランが白雷たちを発見し、吹き込んだ雪でぐちゃぐちゃになった事務所に頭を抱えるのだった。
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