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外道魔術師と威圧

 闘技場は想像よりも数段広かった。

 地下にある空間のはずなのに天井は高く、白雷が普段のとおりに飛び回っても大丈夫そうだった。

 足元は石畳で出入り口が三つあり、右側に見える一つは檻の入り口と同じくらいの高さがある。

 正面に忍たちの入ってきた鉄扉と同じ大きさ、装飾の入り口があり、従魔レースの会場と同じくらいの広さがあった。

 大きな空間の中央にはダブルベッドが二つとタンスやら何やら家具がおいてある場所が見える、その二つあるベッドの上で一組の男女がいちゃついていた。


 「あれですか?」


 「た、たぶん。」


 部下やグラオザームがあれだけ騒いでいたというのに、おかしららしき人物はベッドでいちゃついている。危機感のない話だ。


 「ここから魔法でふっ飛ばして、許されるかな?」


 「主殿、めんどくさくなってませんか?それにあの女性、拒んでるみたいですが。」


 なるほど、遠すぎてなんかいちゃついてるようにしか見えなかった。

 誰かの母親かもしれない、助けよう。


 山吹とともに近づいていくと会話の内容が聞き取れるようになってきた。


 「やーだぁ。ヨーダさぁん。ぜったい、いや。ころすわよ。」


 「つれないねぇ。こんなに頼んでるじゃないかぁ。」


 「ダメよぉ。ダメダメぇ。」


 忍はやっぱり魔法を打ち込んでいいように見えたが、山吹の顔色が変わった。


 「まずい!逃げます!」


 「遅いよなぁ、あんたも俺の従魔になるんだよぉ!」


 こちらを気にしていなかっただけで、存在には気づかれていたのだろう。

 ベッドの上にいたのは細身の男だったが、毛布の中に隠れていたその手には一メートルほどの杖が握られていた。

 杖の先には紫色の水晶がはめ込まれており、男が魔力を込めると水晶から光が放たれ山吹に直撃した。


 「ああああぁぁぁ!!!」


 今、自分の姿は消えている。

 忍はまっすぐにベッドに走り、男の腕を切り飛ばそうとする。


 ギィン!


 忍の一撃を止めたのは、いちゃついていた女だった。

 鍔迫り合いをするには相手の力がつよすぎる、忍は後ろに飛び退いて宵闇のマントを解除した。


 「おやおや、あんな美女を連れてきたやつがこんな醜男なんて世の中わかんねぇなぁ。従魔を提供してくれてありがとよ、ブタ野郎!」


 男、ヨーダはそう忍に対して勝ち誇る。

 その時、山吹がピクリと動き、ゆっくりと立ち上がった。


 「山吹、大丈夫か?!」


 忍は山吹に声をかけたが反応はなく、山吹は忍の方に一足飛びで突進してきた。


 「ぐっ?!」


 山吹の腕がいつの間にか鱗に覆われていた、赫狼牙でなんとか受けたが忍の体は壁際まで吹っ飛ばされてしまう。


 「なんだぁ?美人な上に強いたぁ、大当たりだなぁ!シルエラと一緒にたっぷり可愛がってやるぜぇ!」


 山吹の表情は伺えなかったが、シルエラと呼ばれた女は笑っていた。

 貼り付けたような笑みで涙を流す、甘えるような声で否定の言葉をくりかえす、忍は理解した、拒否の効かない命令が出ているのだ。


 「いや、いやぁ。」


 シルエラは笑いながら拒否の言葉を口にしている。

 その目が忍に訴えかけてきている気がした、助けてくれ、終わらせてくれと。

 深呼吸、深呼吸だ。

 おそらくヨーダの持っている杖を奪えれば逆転できる。

 山吹は敵に操られている状態だ、シルエラも同じ。

 しかしこの二人を相手に後ろの馬鹿をやれるのか。


 「笑えない。」


 忍の顔がにやける。

 死ぬ気がないときにこんな状況なんて、やはり悪運だ。

 ほしいときに運が向いてくれない、そこじゃないんだ。

 今ここで運がほしいんだよ。

 シルエラは忍の方に向かってきている、山吹より足は遅いが十分な強さを持っているのがわかる。

 山吹が姿勢を低くする、クラウチングスタートよりも低く体をギュッと縮める。

 突進がくる、なんとかしないと。


 「っあぁ!!」


 忍は痛む体を動かし近づいてきていたシルエラに走った、肉薄して切り結ぶがシルエラもひるまない。

 両手の爪が長く伸び、ナイフのような強度になっている。

 赫狼牙に魔力を流せば斬れるだろうが、それでは殺してしまう。

 仲間に近づけば突進をやめると考えたが、山吹はお構いなしに姿勢を継続している。

 次の瞬間、地面を蹴った山吹はヨーダに突進を食らわせていた。


 ヨーダは忍と同じく闘技場の壁際まで吹っ飛ぶ、杖を手放していないが、ピクリとも動かない。


 「いや、いやぁ。」


 驚いて爪を受けそこねたが、とっさに身を捻って躱す。

 シルエラの攻撃はまだ止まっていない、忍は少しづつ後ろに下がりながら爪をさばいていく。

 山吹が走ってきてシルエラの脇腹に一発入れると、忍と交代して戦いはじめた。

 体を入れ替える時に視線が合った、山吹の目は死んでいない。


 「どうなってる?!」


 「話は後で、あの杖は魔物を無理やり従わせます。所有者の魔力も強くするゆえ、ご注意を!」


 何だっていうのか。

 いや、今はヨーダを潰すことが先決だ。

 忍はヨーダに駆け寄りながら【アイスコフィン】を使う。

 しかし、水が凍結する前にヨーダは身を起こし、飛び退いてアイスコフィンを避けてしまった。


 「あぶねぇあぶねぇ。氷系は食らう前に体が冷えるんだよぉ!」


 走っている忍の周りに岩の棘がいくつも飛び出た、忍はそのままスピードをあげて前に飛ぶ。

 今まで忍の居たところを岩の顎が噛み砕いた。


 「【ロックバイト】、土の魔法か。」


 【ロックバイト】は土の魔法中級、敵の周りに岩の棘がいくつも出現し、対象を中心に半径二メートルくらいがまるで生物の顎のようにバタンと閉じる。

 当てにくい分威力は洒落にならない、鎧を着た人間でもぺしゃんこにしてしまう強力な魔法だ。


 土の魔法は地形を変えてしまうことが出来るためトリッキーに使える魔法が多い。

 地味な印象がある属性だが、かなり厄介な相手だった。


 「お互い無詠唱も出来るらしいなぁ、魔法使い同士で仲良くやるかぁ?!」


 まわりにまた岩の棘が伸びる、忍はまっすぐ走ってかわそうとする。

 先程と同じく前に飛んだ直後だった。


 「そこだ!」


 目の前に岩の棘が伸びる。

 【ロックスタブ】、初級の土の魔法で一本の岩の棘を作り出すものだ。


 「やば。」


 忍は真下に手をかざし【ウォーターガッシュ】を打ち出した。

 体は水圧で少し浮かび、【ロックスタブ】を回避する。

 自分の体重で串刺しになるところだった

 忍は距離を詰めたかったが、なかなか近づかせてくれない。

 少し離れたところでは爪と鱗が激しくぶつかる音が聞こえていた。

 ヨーダはすばしっこい、もう少し近づけば早い魔法なら直撃させられそうなのだが。


 「おらぁ、どうしたブタ野郎!さっさと潰れてミンチになりなぁ!」


 また【ロックバイト】が来る、同じ避け方をすれば【ロックスタブ】で行き先をまた塞がれてしまう。


 「【マルチ】【ウォーターガッシュ】!」


 忍は両手を下に向けて【ウォーターガッシュ】を放つ、体は浮き上がり、閉じた【ロックバイト】の後ろに降りた。

 バラエティ番組で見たことがある、フライボードの要領だ。


 「ナメてたことは認めてやるよぉ!だがそろそろ魔力も限界なんじゃねえかぁ?!」


 ヨーダは右回りに走って忍が降り立った岩の後ろを視界に捉える。

 しかしそこに忍はいなかった。


 「チッ!シルエラぁ!」


 ヨーダがシルエラの名前を呼んだ時、杖を持った右腕が切り飛ばされた。


 「がっああぁぁああぁっぁ!!!!!」


 「残念ながら、魔力は尽きてない。」


 忍は赫狼牙に魔力を流すと、返す刀でヨーダの首を跳ねた。

 ヨーダの首と体は燃え上がり、残ったのは杖を握りしめていた右手だけだった。

 宵闇のマントは所有者の姿を消してくれる、居場所を補足するのは難しい。

 忍は閉じた【ロックバイト】の影で姿を消し、ヨーダに静かに近づいたのだ。

 ヨーダは魔力を感知できるわけではないのは勝手にこっちを限界と言ったことでわかった。

 シルエラの左肩の魔法陣が消える、なんとか勝てたな。


 「……魔物を無理やり従わせる杖、か。」


 忍は杖を回収する。

 ヨーダの手がぶら下がっていたが、杖をぶんぶん振るとどこかに飛んでいった。


 「主殿、こっちも落ち着きました。」


 山吹はシルエラと何事か話していた。

 忍は急いでベッドからシーツを取ってくると宵闇のマントを解除してシルエラに差し出した。


 「言葉、わかる?」


 「ひっ!」


 シルエラが息を呑んだ、シーツを差し出しているおっさんは血まみれで、恐るべき杖を持っている。


 「イヤッ!ダメダメッ!イヤイヤイヤ!!」


 「落ち着いたんじゃなかったの?!なにもしない、なにもしないから!」


 「主殿、嫌われましたね。顔くらい拭いては如何です?」


 山吹が再びシルエラを説得する。

 たしかに冷静に考えてみると酷い格好だ、全身血まみれで匂いも酷い、気が緩んだせいかなんだか体中が気持ち悪くなってきた、ゆっくり風呂に浸かりたい。

 忍はシーツを山吹に渡して、家具の方を調べることにした。

 

 ダブルベッドは二つ並べておいてあり、広く使えて寝心地も良さそうだった。

 机には書類が乱雑に積まれている。

 内容は魔術のようだ、左に積まれた書類は翻訳、右に積まれているものは古い言葉で書かれている。

 しかし翻訳は三分の一ほどしか進んでいないようだった。

 ヨーダはこれを研究していたらしい、ただのゴロツキではなさそうだ。

 次に開けたクローゼットにはアレな道具や派手な下着などが入っている。

 研究でちょっと評価を改めたが一瞬でだだ下がりだ、努力家のゲスというのも世の中にはいるのだ。

 あ、ちょっと自分にブーメランがささった気がする。


 「魔術師としては優秀そうだったな。」


 「主殿、ベッドの布団をめくってみてください!」


 忍が山吹に言われるままにベッドの布団をめくると、皮袋が一つと箱に入った宝飾品が隠されていた。

 袋の中身は金貨だ、おそらく百枚ほどある。

 宝飾品は首飾り、腕輪、足輪、指輪の四点、しかしよく集中してみるとどれも魔力を帯びているようだった。

 一つの箱に入っていることから一緒に身に着けて使うものなのだろう。 


 「いいのがありましたね。これは女性闘士用の魔防具です。人気のある闘士がつけるものゆえ、能力は折り紙付きです。」


 「そうか、探せば武器や防具がまだあるかもしれないのか。」


 「事務所が荒らされていなければあるかもしれません。」


 体型的に使えるかという問題があるが、防具はできればほしい。

 しかしまだ先がある以上、敵が全滅したとも限らない。

 地上では千影が陽動をしてくれているはずだ、時間は限られている。

 

 「山吹、向こうの部屋でみんなを閉じ込めてる魔術って何なのかわかるか?」


 「【封魔の円陣】です。魔石を持つ存在は解除や使用ができない特殊な魔術ゆえ、我も効果くらいしか知りません。」


 あそこは選手控室だったはずだ、最初からそんな物があったとは考えにくい。

 おそらくこの翻訳済みの資料の中に使用法があるのだろう。

 

 「解除するのに資料を読み込む、警戒を頼む。」


 「わかりました。主殿、頼みがあります。」


 「なんだ?」


 「あれ、たべてていいですか?」


 山吹が指さしたのはヨーダが使った【ロックバイト】で出現した岩だった。

 闘技場には三つほど大きな岩が出現している。


 「いいぞ。足りなければいくつか出してやる。シルエラを脅かさないように。」


 「ありがとうございます、では、あと二つほどお願いします。」


 忍は【ロックバイト】を二回使った、いともたやすく岩の小山が追加される。


 「おお、主殿に仕えてられて幸せです。ありがとうございます。」


 山吹は調子の良い返事をして、変身を解いて岩をガリガリと食べはじめた。

 シルエラは隅のほうでで震えてる。


 「大丈夫か?いや、こっちに集中しないと。【封魔の円陣】、【封魔の円陣】……。」


 翻訳済みの書類は、細かいメモがぐちゃぐちゃに書かれており、とにかく読みづらかった。

 神々の耳飾りの翻訳能力をもってしても、たまに文字が飛ぶことがある。

 三分の一ほどといっても百枚近くはありそうだ、気持ちが焦る。

 後ろから岩を食べる音が聞こえなくなった頃、忍はお目当ての記述を見つけた。


 「あった!なになに、魔物を封じるという特性上……、呪文…ちがう。」


 記述を急いで読み進める、解除の方法はシンプルだった。


 「術者が解除するか、術者が死ぬかすれば解除される。」


 あれ、解除されてる?


 「山吹!解除されてるかもしれない!急いでこっち連れてきてくれ!」


 「え、食休みは?」


 「あ゛?」


 忍は思わずドスの利いた声を出してしまった。

 山吹はこちらを見た瞬間飛び上がるように直立して敬礼し、人間の姿に変身した。

 お腹だけがぽっこり出ている。


 「気持ちはわかる、が、仕事はちゃんとしようか。」


 「もちろんです、主殿!」


 サー、イエッサーとでも言わんばかりの勢いで山吹は廊下の方へ走っていった。

 ほどなくして四体の魔物を連れてくる。


 「四体とも無事です!」


 「よし、私はこの先を見に行く。山吹はここで五人と待機、守ってやってくれ。」


 「お気をつけて!」


 元気の良い返事とは裏腹に一抹の不安が拭えないが、山吹がおそらくこの中で一番強いのも事実だ。

 忍は見つけた書類と金貨、杖と防具を指輪にしまって透明になり、単身で闘技場の先に進んだ。

 

 静かに扉を開くとその先は左側にドアが四つ並んでいた。

 右側にドアはなく廊下の先は右に曲がっている。

 まだ捕まっている魔物がいればドアの外に出てきていそうなものだが、そんなこともない。

 忍は手前から一つづつ部屋を確かめていった。


 一つ目と二つ目の扉の中は闘技場の前に魔物たちが囚われていた部屋と同じ構造になっていた。

 ここは俗にいう連れ込み宿のようなものなのだろう、魔物はいなかった。

 三つ目の扉の中は掃除用具が乱雑に積まれていて、四つ目の扉の中はリネン室になっているようだった。

 やはり良い布団だ、悔しくなってきたので接収してやろう、この布団で存分に寝てやる。


 折れ曲がった通路を進むと空間があり、右側に扉が三つ、正面には扉の絵が書いてある。

 まず、右の扉を順番に開ける。

 手前から順番に、浴場、トイレ、階段だった。

 階段の上は引き戸になっているようで、閉まっていて先が伺えない。

 忍は足跡を殺して階段を登り、引き戸をゆっくりと開けて隙間を作る。

 覗いてみると何やら豪華な装飾の部屋のようだ、人の気配はない。


 するりと中に入った忍は部屋を確認する。

 印象としては社長室だ、大きな一人がけの机に応接用のソファ、忍の出てきた扉

は調度品の棚として偽装してあった。


 『忍様、ご無事でしたか。』


 頭の中で千影の声が響く、どうやら千影の声の届く範囲に出てきたらしい。


 「地下の遺跡から出てきた。陽動はもう十分だ、よくやった。」


 『身に余る光栄です。』


 「影分身は一旦解除する。遺跡で従魔を保護したから、守ってやってほしい。」


 『承知しました、すぐに参ります。』


 部屋の窓から入る夜空の薄明かりが暗くなった、忍は透明化を解く。


 『忍様、お怪我をされたのですか?』


 「いや、大丈夫だ。説明があれだから、あとにしよう。」


 忍は千影をマントの下に受け入れると引き戸を閉めて来た道を戻るのだった。


 『忍様、この空間は魔力がところどころにありますね。』


 「かなり前の闘技場らしい、すまない、従魔が増えた。」


 『仕方ありませんね、母親のうち誰かですか?』


 「いや、全く別のドラゴンだ。ちょっと信用ならないんで、記憶を洗ってほしい。」


 『従魔にしたのにですか?かしこまりました。』


 リネン室のある廊下を通り過ぎ闘技場の中に戻ってくると、ダブルベッドの上でシルエラが山吹にマッサージをしていた。

 お腹いっぱいでマッサージを受けながら幸せそうだ、仏心がなくなった。


 『あれですか?』


 「ヤァーマァーブゥーキィー!!」


 「主殿!ご無事で何よりです!!」


 声に驚いた山吹だが、背中を揉まれているので唐突に飛び上がったりは出来ない。


 「山吹ぃ、動くな!やれ、千影!!」


 『仰せのままに。』


 山吹を黒い奔流が飲み込む、シルエラはいきなりのことに固まって逃げ遅れたが、闇は山吹だけを選んで飲み込んだ。


 「はぁ、さて、シルエラ、それからそっちの四人。人間の言葉がわかるか?」


 全員背筋を伸ばして首を縦にブンブン振っている。必死だ。


 「私は君たちの子供かもしれない奴らを知っている、君らを逃がすために来た。わかるか?」


 シルエラは首を縦に振った、他の四人はぽかんとしている。

 なんだか変な空気を感じ取ったところで、千影が忍に話しかけた。


 『このドラゴンが悪いです。素早く従わせるために殺されたくなければ言うことを聞けと脅したようです。』


 「うーわ。」


 薄々感づいてはいたが、山吹はズルいことを平気でできるタイプだ。

 楽をすることに注力し、騙すのも方便だというような思考をしているように感じる。

 忍に従ったのも殺されたくないからというところが大きいのだろう。


 「千影、山吹のほうが終わったらこの五人に状況を説明してやってくれ。」


 『仰せのままに。』


 千影はスルスルと山吹から離れる。

 山吹は愛想笑いを浮かべている、忍は当然のように怒り狂っていたが顔には笑顔が貼り付けられている。


 「意思表示するのに首を動かすことを許しましょう。檻に戻りたいですか?」


 山吹は左右に首をふる。


 「では、死にたいですか?」


 山吹はもっと激しく左右に首を振った。

 滝のように汗が流れ出す。


 「私はズルいやつが嫌いです。騙されることが嫌いです。裏切られることはもっと嫌いです。もし身内から裏切り者が出たら、ただ殺すだけでは怒りが収まらないかもしれませんね。理解できますか?」


 山吹は首を激しく縦にふる、もはや目には涙が溜まっている。


 「私や仲間の能力について他言することを禁じます。裏切るようなことがあれば、そのきれいな鱗を一枚一枚剥がして私に命乞いをしたことを後悔させますので、ご了承ください。」


 忍は山吹の顔の真横に抜き放った赫狼牙を突き刺した。

 山吹の表情は恐怖で凍りついていた、目から涙が流れた。


 「どうしました?お返事は?」


 山吹はふたたび首を激しく縦にふる、これで少しは懲りただろうか。


 「動くことを許可する。意見は聞くけど決定権は私にあるっていうのがうちのルールだから、慣れて。」


 動けるようになった山吹はその場で流れるようなスムーズな動きで土下座をした。

 なんでそんなに土下座慣れしているのか、伝説のドラゴンの現実がまたもや忍を打ちのめした瞬間でもあった。


 「千影、コイツは本当に砂岩のツィトローネなのか?」


 『間違いありません。しかし、忍様のおかげですっかり自信をなくしたようですね。闘技場でグラオザームに勝ったことがないようですから。』


 いきなり出てきたノーマルが自分の勝てなかった仇敵をいとも簡単に爆発させてしまった。

 たしかに色々とクルものがあるだろう。


 『砂漠の部族に美貌と強さで神のように崇められてわがまま放題だったようですから、性格はその経験も影響しているかと。ただ、魔術の腕は確かのようですし、将軍として部隊を率いることも出来るようです。実力的に申し分ない存在であることにちがいありません。』


 「強そうだったからな。一人で心細かったし。」


 『忍様はお優しいのです。』


 そんなことはないのだが、なにか勘違いされたようだ。

 山吹はずっと土下座の姿勢を崩さない、いつまでやってる気だろうか、ちょっと放置してみたい気もする。


 「山吹、目に余るようなら怒るが、許容できるうちはある程度自由にしていて構わない。もう姿勢を崩していいよ。」


 「はい、主殿、大変失礼いたしました。ちょっと痺れていまして、もう少々お時間をください。」


 反省しているのかいないのか、なんとなく軽く聞こえる返事に忍は眉をひそめる。

 仕方ないから今のうちに狼の影分身を出しなおした、これでいざというときでもみんなをくわえて運べるだろう。


 『忍様、千影の分かる範囲に他の生物の気配はありません。街の様子ですが、火事が燃え広がり忍様とスキップの捜索どころではなくなっています。クレアはじめ商店街の面々は門のところまで逃げられたようですが、延焼は止まったものの鎮火はしておりません。憲兵にも通報は入ったようですが、シルエラたちを奪還すれば問題は解決するかと。』

 

 「よし、どうせなら事務室も調べよう。猶予もありそうだし、防具がほしい。」


 「主殿、ご案内させていただきます。」


 影分身の狼に外に出るための準備を任せ、忍と千影、山吹の三人は事務室へと向かった。

 事務室と書いてある通路の先にあったのは扉の絵だった。


 「開け、汝は真なり。【フェイクドア】」


 山吹が魔術を使うと絵だったはずの扉が本物となり開いた。


 「この絵が扉なのか、向こう側にもあったな。」


 「あちらは魔物の檻の部屋に繋がっています。事務室の奥に金庫部屋があったはずなのでそこが開けられればというところですね。」


 扉の向こう側は机が並んでいたであろう部屋だったが、荒れ果てて色々なものがもあたりに散乱している。

 あとで教えてもらおう。


 「全部回収しておくか。遺跡は何が重要なのかわからないからな。」


 「主殿は、底なしの指輪を持っておられるのですね。羨ましいです。」


 「山吹の自由だった頃でも珍しかったのか。」


 「そうですね、王様から遠征のときに賜るようなアーティファクトです。存在はしていましたが国庫で管理されるような貴重なものですね。」


 やっぱり基本的に内緒にしないとまずそうだ、従魔車を買おう、中から何が出てきても不思議がられないやつを買おう。

 事務室の奥の扉は分厚い金属扉だった、魔力が薄くかかった頑丈そうな鍵がかかっている。


 「魔術師に壊されないよう魔術に強くなっているのです。頑丈すぎて道具でも壊すことは難しいでしょう。鍵の場所までは知りません。」


 「いや、十分だ。ありがとう。後ろに下がっていてくれるか。」


 「本当ですか?我でも難しいものですよ?」


 「脅してしまったからな。怖さを証明しなきゃならない。」


 山吹が少し後ろに下がると、忍は指輪からソウルハーヴェストを取り出した。

 スキップの屋敷でもコイツの存在を思い出していれば、もっと簡単に切り抜けられただろうに。

 真っ黒な切っ先で鍵を突くと、パキンと乾いた音がして魔力が消え、鍵は真っ二つに割れて地面に落ちた。

 流れるように右手を動かし鉄扉を袈裟斬りにする。

 音がしない、まるで撫でられでもしたかのようだったが、忍が刀を指輪に収めて扉を蹴ると、扉は真っ二つになって内側に倒れたのだった。


 「うーわ、やっぱりヤバい。」


 『お見事です、忍様。』


 山吹はあっけにとられてぼうっとしている。口が半開きだ。


 「山吹、大丈夫か?」


 手のひらを山吹の前でひらひらと振ってみるが、山吹は動かない。

 どうしたもんかと思った次の瞬間、山吹が流れるように、土下座をし、額を地面に擦り付けながら宣言した。


 「この山吹、この美しき黄宝石の角にかけて、命ある限り、忍殿に忠誠を尽くすことを誓います!不束者ですが何卒よろしくお願い致します!」


 「はいはい。あんまり私を怒らせないでくれればいいから。」


 忍はさらりと流したが、千影が感心したように声を上げる。


 『流石です。伝説の竜に生涯の忠誠を誓わせるとは。竜が角にかける誓いは祖霊と自分自身への誓い、破れば自ら命を断たねばならない最上級のものです。』


 「……ええええ?!重い、重いよ!!さっきまでの軽さはどこに?!」


 「忍殿は受け入れてくださいました、確かにお返事を聞かせていただきました。山吹を存分にお使いください。」


 流石にそんな責任をサラリと負えるほど忍の肚は座っていない。

 なんとかならないだろうか。


 『忍様は返事をしていますので、断ったら山吹はそこで死ぬことになります。竜は主人を決めたなら義理堅く忠義にも厚いものです。本来は従魔ではなく信頼関係でパートナーになるしかないものなのですよ。』


 そんな事言われてもこんなの誰でも混乱する。

 忍はとりあえず考えついたことを聞いてみることにした。


 「え、いや、山吹、なんでいきなり忠誠を尽くす気になった?」


 「主殿はお強い、そしてお優しいです。あの檻の中で朽ちていくだけだったこの身を助けてくださいました。騙して檻から出してもらい死ぬまで適当に仕えておこうかと不敬にも考えておりました。」


 はっきりとぶっちゃけたなコイツ。

 さっきまでの態度はたしかにそんな感じだった、時給の時間が終わるまで仕事をサボるバイト君のような雰囲気がにじみ出ていた。


 「しかし、主殿は竜である我の行いを遠慮なく叱りつけ、黒き魔剣によって愚かな我にも理解できるように主人としての器を見せてくださいました。あの魔剣に触れてしまえば我が身など一瞬で朽ちてしまいましょう。」


 そうね、伝説の魔王剣だからね。

 それなりに強いから裏切らないでねっていう念押しの意味で見せたんだけど効きすぎたらしい。

 自爆といえば自爆のようだ。

 あ、だめだ、めんどくさい。


 「はぁ、わかった、これからよろしく。他にも仲間がいるから仲良くね。」


 「承知しました。では、金庫部屋を調べてしまいましょう。」


 金庫部屋のなかには武器や防具以外にも、お金と魔導具らしきものが入っていたようだ。

 お金と魔法のかかったものは原型をとどめていたが、ほとんどは朽ちてぼろぼろになってしまっていた。


 「朽ちていないのは武器ばかり、しかもみんな魔力を帯びてるときた、置いといたらまずいな。」


 壊れていないものを全て指輪に回収する。

 もはや火事場泥棒だが、全部もらって行って後でより分けるのが確実な気がした。

 事務所から出ると、山吹が扉を閉める。


 「閉じよ、汝は偽りなり。【フェイクドア】」


 「呪文が違うのか。」


 「はい、ドアを絵にする呪文も別にあります。」


 細かく別れているのだな、まるでネレウスの魔術のようだ。


 「……何か、思いつきそう。」


 しかし忍の思考は捕まっていた皆が待っている従魔車の前についたことで中断されるのであった。


 「従魔車の用意はできたか?」


 『滞りなく。男たちも狼も檻の中です。』


 「よし、千影、頼む。ショーの実の充満している場所を一気に走り抜ける、痺れた者は私が治す。シルエラたちは狼がくわえていく、では、出発!」


 従魔車を引いた狼の群れが洞窟を駆け抜けていく。

 外に出るとちょうど朝日が昇りかけていた。


 忍がニカたちと合流すると、ツタで簡単なテントを作っているようだった。

 ゴラン、サラ、ファルはまだ埋まったままで、スキップはテントの中で白雷を抱いてブルブル震えていた。


 「おかえり、しのぶさん。おつかれさま。」


 「や、やっと帰ってきましたわ。この時期に外に置き去りなんて、恨みますわよご主人様……。」


 「す、すまない、そこまで気が回らなかった。ニカ、ツタを引き上げてくれ。」


 忍が指輪から薪を取り出して火をおこす、助け出した魔物を連れてくると、意識を取り戻していたゴランが目を見開いた。


 「サラとファルはまだ起きていませんわ。たまに顔を触っていますが、かろうじて生きているという状態ですの。」


 「追加で魔法をかける。ファルのほうが心配だな。」


 「我も手伝います。気休め程度にはなるでしょう。」


 山吹がファルの周りに魔法陣を書いた。

 はじめて見る形式で、円が三つあり、手前の二つに両手を置くようだ。


 「母なる大地よ、倒れしものに、生命の祝福を。【地脈の癒し】」


 魔法陣が光るとその光がファルの体に移り、光が消えるとファルは意識を取り戻した。


 「これは運がいい。近くに強力な地脈があるようです。」


 山吹は同じようにサラにも治療を施した、こちらもすぐに意識を取り戻す。


 「すごいな、これは魔術なのか?」


 「大地の力を借りるのです。地脈の力によって効きがまちまちゆえ、運任せなところがありますが、うまくいけばご覧のとおり。」


 「お礼を申し上げますわ、わたくしはスキップ・ミリオンと申します。」


 「我は山吹、主殿に忠誠を誓った従魔です。」


 山吹がそう言った途端、白雷がロケットのように忍の方に飛んできた。

 角をほっぺたにぐりぐりされて文句を言われる。


 『忍、こそこそ、ダメ!』


 「す、すまない。すまない。」


 忍は白雷を捕まえて膝の上でナデナデするが、服が酷いことになっていることを思い出して白雷を離した。

 血が真っ黒に凝固して服の色が変わってしまっている。

 宵闇のマントは魔導具なだけあり汚れがあまりつかないので大丈夫だった、恐るべし魔導具。


 『忍、血!?大丈夫?!大丈夫?!』


 気がついた白雷が慌てはじめる。


 「大丈夫、私の血じゃないんだ。それよりも千影の報告とスキップに見てもらいたい書類があるんだよ。」 


 「そ、その前にここから出してくれないか?!」


 そう声を上げたのはゴランだった。

 ファルとサラは忍の連れてきた魔物たちを見て泣きそうになっている。


 「……貴方達が何をやったかは全部知っています。逃げようとしたりこの場にいる者に危害を加えようとしたら、迷わず殺します。いいですか?」


 「ああ、なにもしない!なにもしないさ!」


 忍は千影に指示をだし、掘り起こしてそれぞれに狼をつけた。

 三人が見ているのは助け出した魔物たちだ。


 「スキップを裏切る理由、なくなりましたか?」


 忍がそう聞くと三人は力強く頷いた。

 穴から抜け出した三人は体にそれぞれ魔物らしい特徴が見えるようになっていた。

 ゴランの肌は石のように、ファルの背中にはまだら模様の翼が、サラには尻尾と丸い耳が現れた。


 「みんな、変身してたのか。」


 「はい、わたくしも先にあちらに行ってもよろしいですか?」


 「当然だ。面倒事はあとでいいだろう。」


 歩き出したスキップのスカートから吸盤の付いた触手が覗いた、爪は尖り、ヒョウのような耳が生え、肌が青みがかっていく。

金髪は真っ黒に染まり、瞳の青だけがもとのスキップの面影を残していた。

 それに反応してシルエラも元の姿を取り戻していった。

 上半身が黒豹で下半身はタコのようだ、八本の足の他に二本の尻尾が生えている。


 「あれは、ディープパンサーですね。そうそうお目にかかれないですよ。」


 「耳飾りさん、ディープパンサー。」


 『ディープパンサー、深海に住む凶暴な肉食の魔物。中型で強靭な顎と爪を持ち、力も強く動きも早い。ときには大型の魔物に吸盤で取り付き爪と牙で致命傷を追わせて仕留めてしまうこともある。地上では動きは遅くなるもののまともに戦えば熟練の戦士でも殺されてしまうだろう。個体差が大きく、毒を持つもの、怪力のもの、鼻や耳がいいものなどが確認されている。小さな個体は美女に化け船を襲うこともあり、船乗りから恐れられている。』


 「海のハンターってところなのか。」


 感動の再会の邪魔をするほど忍は無粋ではない、先に風呂に入ろうと考えてふと気づく。


 「風呂桶…。」


 ニカを助けるために犠牲になった風呂桶を想い、忍は全ての日用品を二つ買う決意をするのだった。


 感動の再会中に少し離れたところで体を拭き、着替えを済ませたが、風呂にゆっくり入りたかった。

 マッサージを受けていた山吹が羨ましい。

 次の目的地は温泉だ、温泉じゃなくても風呂が有名な街を探してやる。


 忍がそんな個人的な決意を燃やしていると感動の再会を終えたミリオン商会と魔物の面々が戻ってきた。

 スキップを筆頭に忍の前に跪く。


 「ご主人様、この度は我々を助けてくださりありがとうございます。まずはこちらの方をお返しいたします。」


 スキップは金貨袋を二つ返してきた。


 「母を助けていただいたこと、わたくしをお買い上げいただいたこと、我々一同感謝してもしきれません。」


 忍はそれを受け取らず、スキップたちに提案する。


 「大金貨十枚は人生の値段として安すぎます。私にとっては二百枚であっても安すぎるくらいです。これから何かと物入りなんですから、受け取ってください。」


 「わたくしは商人の端くれとして、終わった取引で追加のお金を受け取るなど、出来ません。」


 「では、百九十枚は私のものですね。お預けしますから増やしてください。これは投資です、どう使っても構いません。スキップ、私のために人を雇い、商売することを任せます。それでどうですか?」


 スキップはまだ納得できないといった顔をしていたが、忍は強引に話を次にすすめた。


 「千影、今回のことはこの場の全員に聞く権利がある。ミリオン商会で何が起こっていたのか話してやってくれ。」


 『承知しました。ミリオン商会の商会主、ステップ・ミリオンは十年前に死んでいます。』


 千影は今回の件に関わったものの記憶を読み、断片をつなぎ合わせた結果を語った。

 ミリオン商会の犯罪は奴隷密売からはじまっていた。

 アサリンドが共和国になり、奴隷は国内での売買が禁止されたため、当然のように裏社会ではそれに対するビジネスがはじまった。

 ミリオン商会はそこに一枚噛んでいたが、魔人奴隷の能力の高さに目をつける。

 そこで従魔との間に子を設け、魔人奴隷をとして売り出すことを考えついた。

 しかし、奴隷といっても赤ん坊では大した価値にはならない、数年は育てなければならないのだ。

 そこで場所を提供したのが地下遺跡を発見して魔術の研究をしていたヨーダだった。

 ヨーダは杖と対魔物魔術の研究、ステップは魔人奴隷と金、利害が一致したのだった。

 しかしヨーダは従魔との色事に溺れ、ステップからの金で生活し、ステップは従魔レースで金を稼げるようになり、犯罪から手を切ろうとした。

 結果的にヨーダがステップを殺して代役を立て、ステップがほとんど人前に姿を表さなかったのをいいことに成り代わったというものだった。


 『忍様の推測も入ってはいますが、概ねこれであっているかと。』


 「そんな、お父様がそんなに前に死んでしまっていたなんて……。」


 「俺が母のことで脅され始めたのも十年くらい前だ、……畜生!!」


 憤ったゴランは叫び、サラとファルは肩を寄せ合って静かに報告を聞き終えた。


 「ここまでの話で正直、私はスキップや君らが捕まるのは違う気がしています。だから、君たちに判断を任せようと考えています。」


 忍はステップ・ミリオンの偽物が居た部屋にあったタンスのようなものを取り出した。


 「この中にはミリオン商会が売りさばいた奴隷や従魔の証拠が山ほど入っています。君たちで読んで、どうするか決めてください。私の意見はありますが、当事者は君たちですから。」


 『魔物の皆さんはどうしますか。』


 千影がそう聞くとシルエラが前に出て話しだした。


 「子供、巣立つ、もの。我々、自然、帰る。」


 「……わかりました、お元気で。」


 スキップたちは思い思いに自分の親たちとの別れを惜しむ。

 囚われの魔物たちは別れてそれぞれの居場所に帰っていった。

 忍はそれを見送ると、我慢出来ないとばかりに口を開く。


 「えー、徹夜が辛かったので、寝ます。君らはゆっくり考えてください。」


 スキップたちに薪と竹茶を渡した忍は千影の狼に埋もれて目を瞑った。

 白雷が潜り込んできたので手の感覚で撫でると、何故か強張った体の力が抜けていった。

 長い夜が終わり、忍は昏々と眠るのであった。


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