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「女性に剣を向けるのは不作法じゃないか?

王子たるもの、まずは民の声に耳を傾ける

ものだと俺は思うなぁ」



にこやかにに微笑んで仲裁に入った何故の男




あの王子に物申せるとは……

王子と同じぐらい位の高い王子様?


そんなの世界中探しても数人しかいない


隣国の第二王子だ!?




「…………」




まだ納得していない様子だが

取り敢えず剣を収めてくださった

ことに心の底から安堵する



助けてくれた人は黒髪がかった紫髪で

夕日のようにきれいなオレンジの瞳の好青年

これまた見目麗しい王子様だ


頭から爪先までまじまじと見上げる



「ごめんね……お嬢さん、手荒な真似をして


僕はアラディア王国第二王子

マーク・トルティアと言う、以後お見知り置きを


で、お嬢さん………君は何者?どこから来て


ここで何をしてたのかな?」



マーク……間違いない

隣国第二王子で女をとっかえひっかえしてる

チャラチャラ系王子!!


唯一アーノルド王子に意見できる

貴重な人物だ






柔らかな物腰でなんだか心地いい気持ちになる

まるですべてを見透かされているような


オレンジの瞳……………私の頭にもやがかか


っているような



たしか、マーク王子の特殊能力って…………



「わ、私………は……

私の名前は………柏木………あん…ず」

 


「何も怖くないよ……ゆっくり

少しずつ……話してごらん」



なんて優しすぎる口調……

なぜか彼に抗うことができない……



「私は……こことは、別のせか……い……うっ」


だめだ、マーク王子から目を逸らさないと


そう思えば思うほど……キレイな瞳から

目を離すことができない



「…………どこから…来たの?」



悪戦苦闘してる私にもう一度問を投げかけた


痛い………頭が痛い……割れそう



私は頭をかかえてその場にうずくまる



なぜか異常なまでの拒否反応


第二王子の声がガンガンと頭に響く

気持ち悪い………まるで乗り物酔いでも


してしまったかのような………



「へぇ………すごいね…お嬢さん

俺の催眠魔法がかからないなんて……


それどころか拒絶反応をおこしてる」



催眠魔法………王子と目が合うと

その美しさに魅力され、抗えなくなってしまう


人が頭痛で苦しんでるのに

なんとも陽気な声を出す第二王子

さっきまでの優しさが嘘のように

悪魔に見える


王子の思い通りになってたまるもんか!


じゃがいもだ! 第二王子はじゃがいも……



「…………」


なんだか興味深いなにかを見るように

腰を下ろして私に先程と変わらぬ笑顔で

微笑んだ




「もういい…………その者を捕らえよ

身元がわかるまで地下の牢屋に入れておけ」



なにか、呆れたように衛兵に

命令を下す冷徹王子



「ちょっ待った!待ってください!!

私ほんとに怪しいものじゃっ………」




衛兵に拘束されてるのに……

否定したいのに……体が重くて抵抗できない


くっそう……第二王子……恨むからな



あぁ、駄目だ……目が霞む………


頭も痛いし




このまま……意識を手放したたら何事もなく……

ベッドで目が覚められたらいい…………な……


 

異世界転移がこんなにも不安で恐ろしい

ものだったなんて……知らなかった


こんなの……漫画や小説には書かれてなかった





何かに揺さぶられながら

深い眠りにつくように私は意識を手放した


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