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毒林檎

作者: そうま

彼女は今日死ぬらしい。とてもそんな人間には見えないが。

彼女と出会ったのは三日前だった。ビラ配りのアルバイトをしていた時に彼女に話しかけられた。

「三日後、私は死にます。あなたも一緒に死にませんか。」

と。初めは宗教の勧誘かと思ったが、どうやらそういう類のものではないと話を聞いている内に理解した。そして、ありがたかった。彼女に

「はい、お願いします。」

と告げた。彼女の顔は少し笑顔になったように見えたが、気のせいだったような気もする。

「三日後、同じ場所でお会いしましょう。」

彼女はそう告げると、どこかへ行ってしまった。


そして、私は三日前と同じ場所にきている。彼女はなかなか来なかった。やっと来た時にはすっかり辺りが暗くなっていた。彼女は三日前と同じ服装で、手には林檎を持っていた。

彼女と一緒に近くの公園に行った。ベンチに座ったところで、彼女は話し始めた。

「私は今からこの林檎を食べて死にます。後はあなたにお任せします。」

私の頭は混乱を極めた。考えているとき、彼女は林檎をかじり気を失った。私は考えることをやめた。私も後を追おうと林檎を口に入れた。しかし、私は気を失わなかった。このままでは殺人犯になってしまうと思った私は、救急車を呼んだ。彼女は救急隊員に連れられ、病院に行ってしまった。

彼女は目を覚さなかった。1日が経ち、2日が経ち、気づいたら1週間が経ってしまった。

私は彼女にキスをした。彼女は目を覚ました。私の目からは涙が溢れ続けた。彼女は何も言わずに私を抱きしめてくれた。その日の内に、病院を出て私たちは一緒に家へ帰った。

夕食のデザートにアップルパイが出てきた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] もしかしてヒロインさん、アレルギーか何かだったのでしょうか。所々におとぎ話を連想させる要素が入っていて楽しめました。
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