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キャンバスメモリアル  作者: tom
第2章 出会い
13/33

第13話 手合わせ


――シキはアカの自宅で食事をしていた。

アカが食事を持ってきた。


「お待たせ〜。2人ともご飯だよ〜」

「おお〜。アカのご飯はいつも美味しそうじゃのう〜」


シキが2人を前にして、口を開いた。


「改めまして、しばらくお世話になります。」

「ふん。気が動転して言ったとはいえ、男に二言はないからの。…とりあえず、タダではおかん。家のことも手伝うんじゃぞ。」

「もちろんです。ありがとうございます。」


その日からシキはゼンタの横の部屋で眠った。


翌日から、シキは精一杯努力をした。

朝は、隅々まで掃除をすませ、

昼は、ゼンタの仕事、生徒への指導に付き添い、

夕方は、アカの代わりに買い出しへ出かけた。

そして、日が落ちた後ゼンタに稽古をつけてもらった。


そんな日々がしばらく続いた。

ある日の夕方、ゼンタがアカを道場に呼び出した。


「アカ、お前は稽古を続けて何年になるかのぉ。」

「そうね。12.3年くらいかな〜。」

「そうか…。今日、シキと手合わせしてくれんか?」

「いいよ〜」

「じゃあ、よろしく頼んだぞ。」


日の落ちた後――


「よろしくお願いします。」

「うむ。今日はアカと手合わせしてくれ。」

「えっ、アカとですか?」

「そうじゃ。」

「……うす。」

「よろしくね〜」

「よろしく…お願いします。」


手合わせが始まって、アカは驚いた。

予想以上にシキは強かった。


「…ん。なかなかやるね〜」


シキは無言で手合わせを続けた。

何度もアカに投げられながらも、必死に取り組んだ。

アカは徐々に余裕がなくなり、2人とも声を発さなくなった――


アカの攻撃をいなしながら、シキがアカの腕を初めて掴んだ。


(いけるっ!)


シキがアカを投げようとした時、パンッと何かが弾ける音がした。気づけば、投げられたのはシキだった。


「そこまでっ!」


ゼンタが手合わせを止めた。


「ふぅ〜…やるね。シキ君!」

「……ありがとうございました。」

「…それじゃあ、シキ。今日はここまでとする。アカは少し残っとれ。」


シキは黙って道場を後にした。

ゼンタはアカに尋ねた。


「シキはどうじゃった?」

「予想以上だよ。もういいんじゃない?」

「というと?」

「体内の色(魔力)操作による、力の込め具合とか上手だったし。私、色使っちゃったもんね。」

「そうじゃな…今日は助かったわい。」

「いいってこと!」


ゼンタは道場を後にした。


「よーしよし!助かったって。おじいちゃん認められる日も近いな。」

「もうすぐ、あたしがセキ〜♪」


アカは1人になり、楽しそうに踊っていた――

――ゼンタはシキの部屋へと向かっていた。


「シキ、入るぞい。今日はどうじゃった?」

「……まだまだでした。」

「そうかのう。幼い頃から鍛錬を積んできたアカ相手によくやっておったよ。」

「でも、勝てませんでした。」

「……アカは色を使ったからのう。なぁ、シキ。お主の色は何じゃ?」

「……ありません。」

「何じゃ、色無しか?」

「……そうです。だから、技術を磨きたくてお願いしました。」

「……ふむ。そうか。――シキ。来週、試験を行う。そこでアカに勝てば、合格としよう。」

「わかりました。頑張ってみます。」

「では1週間、頑張るんじゃよ。」


ゼンタはシキの部屋を後にした――

次回は

6月23日(水)21時

投稿です。


また、お楽しみください♪

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