第10話 ブルの気持ち
――港でシキとルフラが別れの挨拶をしていた。
「では、ここでお別れですね。健闘を祈ります。」
「おう。俺が、イロの目を覚ましてやるよ。」
「……期待していますね。」
「じゃーな。ブル。お前も頑張れよ。」
シキがブルに声をかけた。
「……」
「何だよ。無愛想な奴だな。」
「――イロは俺が守る。」
「は?」
「イロは俺が守る。」
「俺が守るって、お前まだ騎士団でもないだろ。」
「イロを守るために、騎士団を希望したんだ。」
「そうか。まぁ、無理すんなよ?」
ブルは肩を震わせて言った。
「お前のそういうところが、嫌いだ…」
「何だよ急に。嫌いなことぐらい知ってるよ。」
「違うっ!色無しのくせに偉そうにしやがって…色無しのくせに努力して…」
「何だそれ、バカにしてんのか?」
「心配なんだよ!強いって言ったって、お前は色が無いんだぞ?1人でどうするつもりなんだよ。」
「……」
ブルは昔のシキを知っている。
だからこそ色無しとわかっても、変わらないシキを心配していた。
「……そうか。心配してくれてたのか。色無しだから嫌われたのかと思ってたよ。」
「……何て言えばいいのか、わからなかったんだよ。色見式の後――何を言っても嫌味になりそうで…」
「ブル…俺は、イロを目覚めさせる為に行く。お前はイロのそばにいてやってくれ。もし目を覚ました時、知らない奴ばっかじゃ寂しいだろ。」
「上から言うんじゃねえよ。お前に言われなくても、そのために来たんだ。」
「そうか…よろしく頼む。」
「任せろ。」
シキはその場から旅立っていった。
ルフラが、ブルに声をかけた。
「ブル、君は優しいのですね。」
「……いえ、あいつが1人で頑張ってる時に、俺は何もできませんでした。」
「そう思えることが優しいのです。」
「……」
「でも、優しいだけでは騎士団に入れませんよ。王都まではまだかかります。それまで、修行ですね。」
「……はい。」
ブルはスッキリとした気分だった。
シキとまた昔みたいに戻れる気がしていた――
次回は
6月16日(水) 21時
に投稿します。
すみません…
お恥ずかしいことに
キャンパスと書いてましたが、キャンバスです。
訂正しています…
次回からはまた、新しい場面に入ります。
また、お楽しみください♪




