ソーセージ猫の偽物?
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「え!?あたいが、意地汚く、煎餅かじってたですって!?」
猫は驚愕した。
彼女の名前はソーセージ猫。
朋美の姉、葉子により、命を吹き込まれた人形で、ひょろ長く出来たので、ソーセージ猫と名付けられ、朋美に大切にされている。
ガーコが詳しく教えてくれる。
「噂よ。私は、コロに聞いたんだけどね、コロはコヨに聞いたらしいの。ほら、コヨっていえば、この前ソファーに挟まれて身動き取れない事件があったでしょ?その時にね、見たらしいのよ。夜中に、あんたがボリボリと、、」
「キャーーーッ!!
誰かが、私を貶めようとしてるって訳ね!」
「でしょ?私もね、あんたがそんな意地汚く食べるなんて信じられなくって。で、どうする?」
「もちろん! 取っ捕まえてやる!」
まずは、情報収集。
2匹は他に目撃情報がないか、仲間に聞いて回る。しかし目撃者はコヨだけで、より詳しく聞くだけとなった。
「ああ、思い出すだけで恐ろしい。あれは、私がソファーから助け出される2週間前のことよ。」
おや?猫は思った。コヨは一体いつからソファーに挟まっていたのだろう。
「もうダメだと思っていて、悲しくて、泣いていたわ。そしたら、ガリガリと音が聞こえてきたの。私は震えあがったわ。ちょうどダイニングテーブルが、鏡に映っていてね、ああ、恐ろしい。夜中に鏡を覗くなんて、思い出しただけでも失神しちゃうわ。」
「ちょっと! 脱線しないでちょうだい。」
「ああ、ごめんなさい。鏡に映っていたのよ。テーブルの上でガリガリ煎餅をかじってる猫さんが!」
猫は慌てた。それは、夜中じゃない!
コヨが勘違いしているのだ。
アワアワする猫の横でガーコが憤慨する。
「酷すぎるっ! 猫は上品って有名なのよ!
ガリガリ食べるなんてありえない!」
あの時猫は、朋美にうっかり忘れられ、テーブルの上に転がっていた。
そこで、食べ残された煎餅に気がついたのだ。
吸い寄せられるように、煎餅に近付く猫。
ちょっと舐めてみたくてペロペロやっただけだ。
ガリガリなんて、、ガリガリなんて、、、
たぶん、してない。。。たぶん。
「ねぇ、あたい、なんだかその猫ちゃん、可愛そうって思えてきたわ。きっと悪気はないのよ。だから大丈夫。忘れましょう?」
「猫って、優しいのね。」
必死にガーコを説得し、ガーコからは羨望の眼差しで見られることになった。
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