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佳那お姉さん


 佳那さんの家は知らない、でも学校は知っていた。


 佳那さんは近くの女子高に通っている。前に何度かそこの制服を着た佳那さんを見かけていた。


「えっと、偶然、偶然を装って、待ち伏せしてたなんて思われない様にしなくちゃ」

 私は電柱に陰に隠れ佳那さんの学校の校門を見張っていた。なんか通りすぎる人がじろじろ見ている気がするけど、大丈夫よね?


 30分程電柱の影で佳那さんが来るのを見張り続けていると、突然後ろから何者かに話しかけられる。


「ちょっと君? 何をしているんだ?」


「え? 人を待ってるんだけど」

そう言いながら振り向くとそこにはと年位のおじさんが立っていた。一瞬ナンパ? と思ったが、そのおじさんは制服を着ている。

 

 そう、制服を着ている中年のおじさん……まあ簡潔に言うと警察の人……


「それにしては隠れていないか? 君非常に怪しいぞ、ちょっと来て」


「ええ! えっと、知り合いが、本当なんです知り合いが!」

 な、なんで? え? 怪しいのわたし? 電柱に隠れてれば誰も気付かないんじゃないの? 漫画とか皆こうやって待ち伏せしてるよね。


「知り合いならそんな怪しい所で見てないだろ!? ちょっと良いから来なさい」


「いや、ちょっと待って、私は、佳那さんを、佳那さんにいいいいい、かなさあああああああああん」



「陽ちゃん?」


「あ、あ、佳那さん! かなさあああああああああああああああん」

 ああ佳那さん、良かった……助かった……うえええええええええええん。



 佳那さんに間違いなく知り合いと説明してもらう。私は身の潔白を証明してもらい逮捕されることなく解放された。 佳那さん~~怖かったよおおお。



 めでたく解放された私は開放された場所で佳那さんに懐抱され、気分は快方に向かった。


 要は近くのファミレスに入っただけなんだけど。


「さて、何か食べる?」


「あ、いえ、飲み物だけで」


「そ、それで?」


「え?」


「ん? 私に何か話しがあって学校の前で待ち伏せしてたんでしょ?」


「ま、待ち伏せって…………まあ……はい」


「何かな? お兄ちゃんの事?」


「……はい」


「ふ~~ん、それで、私に何を聞きたいのかな?」


「ーーでは……単刀直入にお聞きします。佳那さんはお兄ちゃんの事をどう思ってるんですか?」


「ふーーん、いきなり直球で来たか……それを聞いてどうするの?」

 アイスコーヒーを一口飲むと笑顔だった佳那さんは真剣な顔に変わった。

 そしてやや目を細め少しきつい眼差しで私を見る。


「別に……ただ気になっているので」

 私は一瞬目をそらしそうになった。でも駄目……ここでそらしたら負けと思い佳那さんの目を見続けながら言った。


「ーー好きよ……前からずっと……私は海の事好きよ」


「…………それは……それは兄は知っているんですか?」


「さあ? 直接言った事は無いからね」


「どうして言わないんですか?」


「うーーん、そうね、じゃあ逆に聞くけど、貴女は、陽ちゃんはお兄さんの事好き?」


「は、はぐらかさないで!」


「好き?」


「……き、嫌いじゃ無いです……けど」


「それをお兄さんには、海には伝えた?」


「い、いえ」


「まあ、そういう事よ」


「ど、どういう事何ですか?」


「何で伝えないんですか? って言われた答え、多分貴女と一緒だから」


「…………」


「伝えて叶えられれば伝える……でも、それが叶わないなら伝える意味はない。親愛って意味なら伝えるけどね、あ、陽ちゃんはそっちなのかな?」


「も、勿論……兄妹ですから……」


「私も兄妹なら……まあ、どっちにしろ言わないか……」


「それは……叶わないって言うのは……兄は……他に好きな人がいるからって事何ですか?」


「そうね、まあとにかく私は海の中にいなかった。一緒にいて、同じ学校で同じクラスで過ごしてそれは、それだけはわかった」


「で、でも……」


「まあ、人の気持ちは変わるし、海の恋が実らない可能性だってある。だからまだ諦めて無いだけ……今はまだ……かといって別にずっとってわけじゃ無いのよ? 海よりも好きな人が出来たら、そっちに切り替えるしね」

 私を見てそう言いながら微笑む佳那さん……ああ、私は今聞いてはいけない話しを聞いてしまったのかも、人の、他人の心の中を、思いを、土足で踏み入れてしまったのかも……


「ご、ごめんな、ごめんなさい……」

 私は謝った、佳那さんに頭を下げて謝った。少し涙が出そうになった……でも……泣いたら駄目……ここで泣いても意味はないし佳那さんだって嫌だろう。

 私は涙をこらえながら、深く頭を下げた。

 

「ううん、良いのよ、話せて良かったから、一度こうやって陽ちゃんと話したかったの」


「あ、ありがとうございます……」


「じゃあ、もっと話さない、海の事色々聞きたいな」


「あ、はい、私も兄ちゃんの中学の頃の事聞きたい」


 その後は兄ちゃんの話しで盛り上がった、私は小さい頃の話、佳那さんは中学校の時の話。

 特に修学旅行で起こした兄ちゃんの事件話は大爆笑した。あの兄ちゃんが……あ、まあこれは兄ちゃんの名誉の為に黙っておこう。


 数時間佳那さんとお喋りをした後、連絡先を交換してファミレスを後にした。


 もし佳那さんが兄ちゃんと結婚したら、私のお義姉さんになったら……いや、さっきも言ったけど、まだ可能性が無い分けじゃ無い。

 

 もしそうなったら、少し嫌だけど、少し嬉しい……そんな不思議な気分になった。


 でも結局……兄ちゃんの好きな人って誰だかは分からなかった、佳那さんは知っていたのだろうか? その事は私には言わなかった。





 




久しぶりの投稿です。

ここから終わりに向かうと思います。

どのくらいで完結出来るかは不明ですが(笑)

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