兄ちゃんと学園祭
兄ちゃんの事を調べよう、そう思った。
普段の兄ちゃんは知っている、でも家の外、学校での兄ちゃんを私は知らない。
まずは去年の学園祭、うちの学校に入学したいと思ってれば、行ってみたんだけど、迷ってたからな~~
やっぱり兄妹で同じ学校ってちょっと抵抗あったし。
だから兄ちゃんに同じ学校に行くと言った時の嬉しそうな顔は、少し驚いた。
「ねえねえ、まるかりちゃん、去年うちの学祭行ったって言ってたよね?」
まずは去年学園祭に行った人に聞いてみようと、中学からの友達に話し掛けてみた。
「あのね、毎回毎回中学の頃からお約束の様に言ってるけど、まるかり、まるかりって○仮って仮名みたいじゃない、私は丸井香織よ!」
「うんうん、で、丸仮ちゃん、去年の学祭来たんだよね?」
「陽、あんたも大概ね……来たよ、て言うか自分の入りたい学校の学祭って普通行くよね?」
「ああ、私ギリギリ迄考えてたから、ここなら余裕だし」
「うちの高校そこそこレベル高いのに、まあ、あんたは昔から出来るよね」
「うん、私出来る子」
「そこは謙遜しなさいよ、で、学園祭が何?」
「あ、うん、何か面白い物あったかな~~って」
「面白い物ね~~」
「うん、ほら、もうすぐ学園祭でしょ? 何か参考になるかなって」
「もうすぐって学園祭って秋でしょ? まだ夏休みにもなってないじゃない、どんだけ気が早いのよ?」
「あ、えっと、光陰矢のごとし、1年なんてあっという間だよ、まるかりちゃん」
「おっさんか、まあ本当どんどん早くなってるのは間違いないけどね、小学校の時は長かったのに中学校は受験勉強で本当あっという」
「で、なんか! 面白い事無かった? そうね、例えば演劇系とかで!」
「本当、あんたも大概ね、えっと、うーーーん、なんか講堂で色々やってたけど、あ、そうだ、俺の妹になんちゃらって言う舞台が面白かったかな?」
「そ、それ! 詳しく、KWSK!」
「ケイ、ダブリュ?」
「いいから!」
「ああ、うんえっと、なんか兄妹の恋愛物で、ちょっとロミジュリ入ってて親の反対家族の反対を振り切ってみたいな内容だったかな?」
「ふんふん、それで?」
「えっと、なんか色々あって、最後妹は中学生だからで結局結婚できねえええええ、みたいな落ち?」
「は?」
「まあ、続く~~って言うか、俺達の未来はこれからさ的な、よくある打ち切りの終わりかた?」
「はあ……?」
「なんか色々大爆笑だったけどね、うん、あれとバニーガールの格好したボーカルのバンドは印象に残ってるな~~」
「ふーーーん、うけてたんだ、兄ちゃん……」
「兄ちゃん?」
「いやいや、何でもない、そうそう主役はどうだった?」
「え? ああ、うーーんと……妹役の子は可愛かったよ、ちっちゃくて中学生っぽくて、えっと兄役の人は、普通?」
「普通……」
「ん? 知り合い? あれ、そういえば陽って」
「ああああああ、ありがとう、ああお昼休み終わっちゃう、次の授業の宿題終わって無かった、やらないと、じゃあ、ありがとう~~~」
「宿題って……あったっけ? 次体育だけど……」
一応兄は居るって事は言ってある、でも同じ学校に居るとは言っていない、まあそのうちバレるだろうけど……
そうか、春さんの言ってた事は本当か、つまり兄ちゃん、学校の演劇で皆にうけたのを良いことに小説を書き始めたって事か……
ああ、でも、いたいた、初めて書いた小説が偶然うけてブクマ1500件とか付いちゃって、ちょうしこいてTwitterとかやり始めちゃう痛い作家、あ、そう言えばあの作家も妹物書いてたな~~、妹物ばかり書いてる作家ってやっぱり痛い人ばっかりなのかな?
去年の学祭で舞台がうけた、兄ちゃんの脚本で、そして来年続くかもって感じで終わっている。
でも春さんは今年兄ちゃんはやらないと言ってるって……何でだろう?
兄ちゃんって昔から誉められると調子に乗るタイプだったよね、なのに今回は評判が良かったのに断っている……春さんは私が入学したからだと言ってた……本当にそうなのかな? だとしたら何で小説を書き始めたのか?
兄ちゃんは私に色々隠している……他にも隠しているかも……彼女じゃないって言ってた佳那さんも、本当は……
「やっぱり佳那さんにも、ちゃんと聞かないと」
私は佳那さんに直接会って兄ちゃんとの関係を聞く決心をした。




