デビュー?
「え?」
ネットでデビュー大賞、投稿サイトで時々開催しているコンテストの一つ、大賞獲得者は無条件で書籍化、その他数名~数十名が毎回デビューしている。
大手出版社が主催投稿サイトとのコラボ企画、そのコンテストの一次通過発表に兄ちゃんのペンネームとタイトルが……
「兄ちゃん……一次通過してる、って言うか……応募してたんだ」
ちょっと嬉しい……まさか兄ちゃんに作品が一次通過するなんて……でも……兄ちゃんはやっぱり真剣に小説を書いていたって事がこれで判明した。
つまり、私の事を……で小説を書いていた分けじゃないって事。
「え、何? つまり受け狙いで、私をモデルにしたって事?」
妹物を書く題材として手頃にいたのをモデルにして書いた?
いや、でも普通異世界物を書くよね、そう言うのを目指すなら……でも某作家みたいに異世界物を書けないって事も……
つまり身近にいる題材をテーマに書いた?
そういう事が身近にあったから書いた?
なんか分かって来た…………昨年兄ちゃんは学園祭で演劇をやった、妹との恋愛物、兄ちゃんは主役、多分他の人がシナリオを書いた。
それが大ウケした、兄ちゃんはその作品が気に入らなかった、俺ならこうしたいとか?
俺ならこう書くって思って書いた作品が……これ?
やりそうだ、兄ちゃんならやりそうだ、あの負けず嫌いの兄ちゃんなら物凄くやりそうだ。
多分気になる奴がシナリオを書いた、兄ちゃんは主役だったが、シナリオを評価された。
よくあるよね、ラノベとかで売れたのは、作家のおかげなのか、挿し絵のおかげなのかって論争
兄ちゃん俺ならもっと面白い物が書けるとかなんとか言ったんじゃ?
「つまり……この作品に出てくる春って言うのは私であって私じゃない?」
「ぐわわわわわわわあああああ、ああああああ、私の一人相撲だったの? いやあああああああああああ」
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい~~~~~~~
兄が私に惚れてるなんて思ってしまった事、それでドキドキしてしまった事、一緒に泊まるって事で緊張した事、ああああああ全てが恥ずかしい~~~~~
「くっそおおお兄ちゃんのバカバカバカバカ」
この怒りをどこにも出せない、だって兄ちゃんのパソコンを勝手に見たのは私、兄ちゃんが私に何か言った訳じゃない、私が変な意識をしちゃっただけ
「なんなのなんなのなんなの~~~~」
でも突然意味ありげな誘いをしてきた、一緒のツーリング、一緒のお泊まり、仮にあの小説を読んでなくても、勘違いする妹だって世界中の何処かにいる、絶対にいる、いるに決まってる。
「兄ちゃん……私を利用した……自分の小説の為に……取材の為に……」
悔しい、兄ちゃんにやられた、ううう、兄ちゃんにしてやられた……
くっそおおお恥ずかしい、そして悔しい~~~~!
悔しい悔しい悔しい、兄妹だけあって私も兄ちゃんに負けず劣らず負けず嫌いなんだ……
「くううううううううう」
今すぐ怒鳴りこみたい、兄ちゃんの部屋に行こうと立ち上がったが、フラフラベットに倒れ込む、ううう具合が悪くて怒鳴りにもいけない……
「うううう、ううううう、ううううううううううううう」
頭に血が昇る、熱が上がる、それに比例して怒りのボルテージもマックスに!
「兄ちゃんがその気ならやってやる、やってやるうううう」
兄ちゃんを、私に惚れさせてやる、兄ちゃんを本気にさせてやる!
「兄ちゃんが私に迫って来たその時、最後の最後にバーーーカって言ってやる!!」
やるぞ、やってやるうううう、兄ちゃんにこのまま舐められてたまるか!
「見てろよ兄ちゃん、絶対に私に本気にさせてやるううう!!!」
「兄ちゃんを私に惚れさせてやるううううううううう!!!」




