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泊まり前日はお風呂で色々と準備が必要なの!


 ▽▽▽


「ねえお兄ちゃん……、今度のツーリング……私……泊まりでも……良いよ」

 可愛い顔を真っ赤にさせながら妹は俺にそう呟いた。


「え……泊まりで……」

 唐突なその提案に俺は少し焦りながら聞き返す。


「うん……、この間お兄ちゃん最も遠くに行かない? って言ってたよね。 春も、お泊まり旅行がしたいな」


 妹が俺に泊まりで旅行に連れて行ってと言っくれた。

 ……つ、遂に来た。

 俺と妹の泊まり掛けの旅行………………そう……これは! 婚前旅行だ!!


△△△



「な、ななななな、なに!? こここ、婚前旅行?」

 

 兄ちゃんの小説が更新された…………そして私が感想を書いた通り、妹との掛け合いが始まった。

 凄く重くて一方的だった兄ちゃんの小説が一転、可愛い妹、春ちゃんが全面に出てくる様な書き方になっていた。


 小説と言うより、独白と言うか、なんか自分の悩みを書き出している感じだったので、こういう展開になったのは良かったんじゃないかなと思う……思うが。


 ああ、でも、うんいや……良かったよ、やっぱりこういうのは可愛いヒロインが居てこその小説だと思うし、春ちゃんは私から見ても益々可愛いヒロインって感じがするし……。


 いや本当に良いんだよ、こんな内容でも、凄く読みやすくなったし、兄ちゃん私が言った事の数倍可愛く春ちゃんをデフォルメして凄くいい……あ、いや……前から結構デフォルメはしてたんだよね、まあ、あくまでも私がモデルで私と比べてって意味だけど。


 ただ私のセリフに一喜一憂し過ぎじゃないこの兄ちゃん、なんだよ……婚前旅行って、しないよ、て言うか出来ないよ結婚……。


 文章を読んだだけで分かる兄ちゃんの浮かれた様子に私は今更ながら後悔していた。


 「でも、そうか、そんなに嬉しかったか……」

 とりあえず緊急避難的な感じでお泊まりって言っただけなんだけど、まあ喜んでいるなら良いのか? で、……でもなあ……。


 兄ちゃんの小説の質が変わったのは良いけど、春ちゃんに対する愛情が更に増して居るような気がするんだけど?


 それが実の妹に対してなのか、それとも小説の妹に対してなのか不明なれど、モデルは間違い無く私……そしてそれは勿論今後も続いて行くと思われる訳で……。


 「兄ちゃん……泊まりがけで私と旅行に……しかも婚前旅行なんて思ってる…………え? まさか! 私兄ちゃん襲われたりとかしないよね?」

さすがに実の妹を襲うなんてしないだろうけど……。

 相変わらず小説の中の妹に対する愛が重すぎる。


「本当にどっちなんだろう?」

 今度の旅行が私の為なのか? 小説の為なのか?

 春の為なのか、私の為なのか……


 私は悩んだ……。


 凄く悩んだ……。


 来る日も来る日も悩む、学校でも家でもお風呂でも悩み抜いた。


 その間、兄ちゃんの小説は週末の旅行に対する思いがどんどんと書かれ更新されている。

 そして春ちゃんのテンションもどんどんと盛り上がっている。


 いや私のテンションはガタ落ちなんだけど。


 小説の中では、春ちゃんと兄ちゃんがどんどんラブラブになっているんだけど。


 まあ私がちょっと春ちゃんに感化されて「楽しみだね~~」なんてつい調子に乗って言っちゃったんだけど。 

 なんかこの所兄ちゃんの前だと自分が春なのか陽なのか分からなくなって来る。


 こんな思いで行けるのだろうか、いや行っていいのだろうか?

 私は土曜日が近づいて来るのに比例してどんどんと不安度が増して来ていた。


 断ろうか……何度もそう思い兄ちゃんに言おうとするけど、兄ちゃんの顔を見ると言えなくなる。


 落ち込むだろうな、ホテルのキャンセル料もかかるんだろうな。

 そう思えば思うほど言えなくなって来る。


 そしてそんなこんなで言えないまま金曜日の夜になってしまった。


 私は何がある分けではないだろうけど、お風呂に入り念入りに身体を洗う。

 一応女の子なんでお泊まり前日ともなると色々と……べ、別に兄ちゃんと何かあるかもなんて事は……これっぽっちも思ってないんですからね!


「でも……」


 明日の事を考えると…………期待と不安、楽しさと怖さ色々な事を思い、考え、悩む。

 ……そして……何も解決せずに遂に当日を迎えた。


 

「お兄ちゃん……ぐすっ……ご……ごめんね……ごめんね」


 当日その悩みは私の涙と鼻水によって……とりあえず解決と言うか先送りになった。




「兄ちゃんごめん……私……風邪引いたああああああ」

 お風呂で悩み過ぎて、すっかり冷えてしまったのだ。

 時間が無かったので、そのまま寝て起きたら完全無欠の風邪……熱は38度5分……これでバイクとか絶対に無理……。


 「兄ちゃんごめん、本当にごめんなさああい」

 


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