表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ここは不思議な道具屋

作者: 誰か

売っているのは、とても使えそうにない欠陥マジックアイテムばかり。

でも・・・。


-1-


ここは不思議な道具屋。


この店で扱う道具は、全てに強力な魔法がかかっているが、それゆえに何かしらの欠点を抱えているという。


「店主さん、この盾はどういったものですか?」


「あーはいはい、こちらはですね、どんな攻撃でも避けられる盾です。」


「どんな攻撃もですか?」


「はい、紛れもなくどんな攻撃も盾が勝手に動いて避けます。」


「勝手に動くんですか?」


「ええ、こうして盾をかざして攻撃を受け止めようとしたりすれば、盾はサッと動いて当たらないようによけるんです。」


「ちょっ、それって盾がよけちゃったら攻撃を防げませんよね、そのまま直撃ですよね。」


「それが、この盾の欠点です。」


「・・・この盾はやめておきます。」


「それがよろしいかもしれませんね。」


「それじゃあ、何か武器を見せてもらえますか?」


「はい、どういったものがよろしいですか?」


「そうだなあ、どうせならすごく強力な伝説の武器みたいなのはありませんか?」


「それでしたら、こちらの刀などぴったりかと。」


「ほう。」


「この刀をさやから引き抜くことができた者は、最強の力を得ることができると言われているんですよ。」


「見せてもらっても?」


「ええ、もちろん。」


「ほほお、これは・・・、木刀ですね。」


「ですね。」


「模造刀ですよね、抜けないですよね。」


「抜けないかもしれません、木刀ですから。」


「落語の『道具屋』か!」


「道具屋ですよ?」


今日も道具屋はこともなし。













-2-


ここは不思議な道具屋。


この店で扱う道具は、全てに強力な魔法がかかっているが、それゆえに何かしらの欠点を抱えているという。


「店主さん、こないだの盾と刀がなくなっていますね。」


「はい、あれから二つとも売れたんですよ。」


「どんな人が買っていったのですか?」


「盾を買われた方は、ドラゴンを退治しに行かれるとかで、辺り一帯を吹き飛ばすようなブレスから、あの盾につかまって逃げるのだそうです。」


「それはなんというか剛毅な人がいたものですね。」


「はい。その方は、あの刀も買っていかれたんですよ。」


「ほう、どうするつもりなんでしょうね。」


「ひとまわり大きな特別製のさやをつくらせて、そのさやに木刀をおさめておられました。」


「あーっ!」


「今頃は、ドラゴンを倒しているかもしれませんね。」


今日も道具屋はこともなし。






一見して使えないアイテムを、アイディア勝負で最強に。

なろうファンとして、一度は挑戦しなければですよね。


追伸

『みどりの竜』(連作ショートショートコメディー、各一話完結です)も見てくださいね。


あらすじ

この物語は、緑竜ドラゴンさんとの平凡な日常を淡々と描く物です。過度な期待はしないでください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 素晴らしい発想ですね。楽しかったです。
2019/10/21 01:33 退会済み
管理
[一言] なるほど! と思いました。 面白かったです。
[良い点] 発想が面白かったです! 柔軟な思考ができる者にしか使いこなせないアイテムたちですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ