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私の異世界妄想劇  作者: Trifle
序章
9/14

初代勇者のその後の物語

1人目の勇者『甲高鈴子』は偶発的に異世界へ召喚され、当時支配していた魔王を倒しました。

そんな勇者のアフターストーリー

この話は初代勇者『甲高鈴子』が魔王を倒した後、今の姿になるまでの物語。


 今から12年くらい前、私は偶然にも召喚されたこの異世界にいる魔王を倒した。そのあとすぐに、私を偶然召喚した魔法陣にある街マリーゴールドの街へ向かった。そこで幼い子供を助けたりした気もするが、それは些細なことで私はとある大事な問題に直面した。

 私の送還方法である。私は元の世界でまだやり残したことがある。私の夢は街のお花屋さんになることだった。今はさすがに違うけれども15年前、10歳で異世界召喚された私の夢はそうだった。私は今13歳、お父さんはどうでもいいけどお母さんとはまた会いたい。きっと心配してるはずだ。お父さんはどうでもいいけど、心配してると思うとちょっとだけさみしい。

 誤作動で私を召喚してしまった魔法陣、この魔法陣を解析すれば私を元の世界に戻す方法があるはずである。そう考えた私は徹底的に調べた。その過程で3人ほど召喚してしまった。彼らは嬉々として異世界を楽しんでいたので良いということにした。

 まずは召喚の原理、異世界からの召喚は別にすべてランダムに選んでるわけじゃなかった。私の住んでいた地球という星の日本の関東地方にいる人間に限定している。しかし、同じ地球ではあるが並行世界としての地球がたくさんあるらしく、私がいた元の世界というところまでの絞り込みはできなかった。

 元の世界への絞り込みに行き詰った時、私はあることに気づいた私があの時こうしていればと思ったIFの世界、そんな世界の絞り込みを行った。それはすぐに絞り込めた。しかも、色々なIFでの世界が絞り込めた。さすがに私がお姫様なんて世界はなかったけれども・・・

 IFの世界がすぐ見つかるのなら元の世界はないんじゃないか、そう思いながらも私は必死に探した。だけれど見つからなかった。

 

 そんな研究をしながら半年後、一人の異世界人が死んだ。何の変哲もない事故死だった。調子に乗って飛行魔法を使ってる時に操作をミスって壁にぶつかってぺしゃんこになったらしい。

 それからおかしな魔物が現れた。魔物はもともといたが、この異世界特有の魔物で私の全く知らない魔物ばかりだった。それがゴブリンやオーク、ゴーレムといったどこかで見たことあるような魔物が現れた。流石におかしいと思った私はほかの2人の異世界人を呼び出し、魔物の出現報告がある先に亡くなった者の場所へ出向いた。そこにはいびつな世界が広がっていた。形あるものは全てうごめく世界、全てが魔物と化した世界が広がっていた。

 そんな中魔物を倒しながら進んだ先に会ったのが魔核だった。異世界人は意思の力がこの世界の人たちに比べて1人の持つ量とは思えないほど多い、そんな異世界人が死んだときに意思の力は魔核となった。それが私が否定していた一つの仮説を裏付けてしまった。その仮説は


『異世界人は召喚されるときに、召喚元なった世界の意思の力を全て引き継ぎ元の世界は消えてなくなる。』


 この仮説は、否定する要素が無かったが肯定する要素がも同じく乏しいため、心の奥底に閉まった仮説だけどやはりこれが正しいのだと思った。それからの私はこの世界で生きる決心をして、この世界のために動いた。もしも、私が死んだとしても魔核が発生しないように意思の力をできるだけ拡散するようにした。もちろん、ほかの異世界人の人にもお願いした。しかし、意思の力を万能の力と認識して手放さなかった。さらにもう一人は世界を征服を行う魔王となろうとした。

 特に魔王となった者については既に意思の力を分け与えてしまった私には倒せるはずもなく、見かねた当時の王が勇者召喚を行った。その時に召喚されたのは学校の1クラス丸ごと、先生1人に生徒35人当然収拾もつかず、同じ世界から多数の者が来たため意思の力は分散された。偏りを持って・・・

 意思の力が強い子が魔王討伐に協力的なのは良かった。だけど、偏りは酷かった一般人と同等の子はすぐに意思の力が強い子に同調して元異世界人の魔王討伐に向かった。魔王は討伐できたが、代償も大きかった。意思の力が弱い子は死んでしまった。そのことで生徒たちの意見が割れて、意思の力を各国へと浸透させた生徒たちが戦争を起こした。

 それからはもうぐちゃぐちゃだった。戦争を止めるための勇者召喚に勇者が死んだあとの魔核の処理、戦争の終結への働きかけと各地を駆け巡った。そして、戦争は終結したが魔核が残った。私はもうそこで諦めた。頼れる仲間はいない、この世界で私ができることはこの街はできるだけ守ることである。これからは魔核が支配する時代だ。そのうち世界は魔核がすべてを支配し、新たな生態系を形作るだろうと、叶うことならこの街が生き残り魔核の世界とこの街が友好な関係が作れるようにと祈った。私は勇者召喚の陣を壊して、意思の力をマリーゴールドの街に行きわたらせ街を支配し私を探られないようにした。街の外壁には私の意思力を張り巡らせて魔物に変質しないように、瘴気が街に入り込まないようにした。住民には自給自足が出来るだけの魔法が行使できるように意思の力を分け与えた。そうして私は脳みそだけになって、この街を守る存在になったのだ。

 これが今から8年前、私が脳みそになるまでの物語。脳みそになったのはもはや外に出ることが叶わないのに私の見た目年齢が年取ってほしくなかったからである。いつか、街の外の世界と折り合いをつける際に17歳の美少女の姿でいられるように。

落ちがひどいかもしれないけど、彼女にとっては17歳の姿で止めることが重要なのです。多分。

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