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私の異世界妄想劇  作者: Trifle
序章
4/14

魔法生物

 アリスちゃんが天使になってから数日、琢磨君といろいろな魔法の構築や実験を行っていた。そんなある日、ふと治療院にいるらしい4人の勇者について聞いた。

「そういえば、重症勇者があと4人いるけどどんな感じなの?」

「えーっと。それはー・・・」

 なぜだかとっても言いにくそう。そんな見るに堪えないようなひどい重症なのか・・・

「言いにくいなら言わなくてもいいけどさ。」


「結局いつかは話さなきゃいけないことだと思うから白状するよ。まずは僕の先輩」

「あーほげ先輩ね」

「名前は本藤玄太っていうんだけれど、先輩は前の戦いで僕をかばってガーディアンの攻撃やらスライムの酸やらで大変なことになってね。右肩から先と右足のふとももから先がない状態でさらに右半身が酸によるやけどがひどくてまだ怪我でうなされてる状態だよ。ガーディアンの攻撃で右手、右足吹っ飛んでたんだけど、さらにスライムの酸まで右側からかかってね。先輩がいなかったら僕はここにいないよ。」

「なんていうか右半身吹き飛んでるのによくスライムの攻撃かばえたね・・・」

「そうだよねー。すごいよねー。」

 むむ、ものすごい勢いで琢磨君が顔をそらしてる。

「実はスライムの初撃は僕が先輩を担いだ瞬間に来たんだよ。その時に直撃だった僕の腕も酸に溶かされながら吹っ飛んだんだよ。」

「それはなんていうか直撃じゃなくてよかったとしか。命があったんだからよいではないか。ほかの3人はどうなってる?」


 琢磨君はさらにさみしそうな表情をしながら語ってくれた。

「あとの3人は僕が召喚された時には治療院にいてね。みんな眠っているよ。ほげ先輩含めて7人で魔核に挑戦したらしいよ。実際にどういう攻撃を受けたがよく知らないのだけど、ガーディアンに本藤先輩以外意思の力を吸い取られてみんな眠りについたらしい。魔法生物を使って倒れたみんなを本藤先輩が運んで逃げたけど、魔物の追撃にあって3人しか持ち帰れなかったって。悔し涙を見せながら言っていたよ。」

「それもまたなんていうか、ほげ先輩無事なのがびっくりな敵だったね。」

「うん、そのガーディアンの攻撃は盾や防具を貫通してきたらしくね。唯一、本藤先輩は魔法生物で防御して魔法生物は倒れたけど、貫通はしないで助かったんだって。」

「ほげ先輩の戦ってるイメージが魔法生物と一緒にほげぇ!って叫びながら戦うイメージになったよ。」

「よくわかったね。魔法生物もほげの単語で簡単な魔法を使うからみんなでほげほげ言いながら戦ってたよ。」


「ん、魔法生物って魔法まで使えるの?じゃあ、みんな使った方がよくない?」

「魔法生物の説明はまだしてなかったね。魔法生物っていうのはまず魔法で生物を作るのだけど、それだけじゃ生物は意思を持たないで眠りについた状態になるんだよ。そこに意思の力を分け与えることで動き出すんだ。だから、自分自身の意思の力が減ってしまうからあまりみんなやりたがらないんだ。一応、魔法生物が亡くなったら普通は自分に意思の力が戻ってくるんだけどね。逆に言うと亡くならないと取り戻せないんだ。」

「意思の力を分け与えるねー。そういわれてもぱっとしないな。」

「簡単だよ。誠はもうやってるからね。」

 琢磨君が笑顔で答えてくれた。あ、今日も遠くから見つめてる守護天使ことアリスちゃんが鼻血を出してる。そこで気づく。


「もしかして、アリスちゃんのこと?」

「うん。正解!」

「もしかして大事な意思の力を無駄遣いしちゃった?」

「それは心配しなくて大丈夫だよ。勇者の意思の力はこの世界の人に対して意思に影響を及ぼすってのも実は意思の力を分け与えて起きてることらしいんだよね。そしてこの世界の人から僕たち勇者に対してもわずかながら分け与えられている。この世界の人たちから勇者に対しての期待が大きい分、分け与えられる量は多分プラスになってると思うよ。それにそんな意識しないで分け与えた意思の力は1億分の1も使ってないよ。」

「え、そんなに少ないの?アリスちゃんって最近は空も自由自在に飛べて家事も全部魔法でこなせるようになってるんだけど・・・」

 ほんとアリスちゃんは守護天使にジョブチェンジしてからは近隣の人から拝まれたりなんてしちゃってどこの女神様だろうなんて思う。これはもう女神様にジョブチェンジした方がいいな。

バサッバサッ

遠くにいたはずのマジ女神なアリスちゃんが一瞬で降臨なさった。

「笹井さああああん!!!」

真面目な顔をしてもかわいいアリスちゃんがこっちを見てる。そして、琢磨君そんな悲しい顔しないで、大丈夫だから。それにしても後光が差してアリスちゃん眩しいな。羽も6枚に増えてるし。

「まじアリスちゃん女神だったのか。」

「んなわけないでしょうに!また笹井さんのせいですね!これは!この光どうにかしてください!」

「大丈夫、アリスちゃんは女神だから!」

「よくわからないこと言わないでください!治してくださいよー!」

「多分俺にはそれできないなー。」

 と、傍らで茫然自失といった感じになっている琢磨君を見る。どうやらここまでがテンプレのようだ。すぐに視線に気づいた琢磨君がアリスちゃんに意思の力を分け与えて後光の出し入れをできるようにしたみたいだ。


「琢磨君ありがとう!」

「俺からもありがとう!おかげでなんとなくコツを掴んだよ。今回は意識してやったからね。」

「誠は全く。アリスちゃんの意思の力がほげ先輩使ってた魔法生物並みになってるよ・・・」

 二人からのじと目による視線が痛い。まぁ、よいではないか。アリスちゃんが女神になったってことで。うんうん。それにアリスちゃんの後光消せるようにするために琢磨君が俺と同じ量の意思の力分け与えてたよね。治すためって言っても半分琢磨君のせいだからね。だがここは甘んじて受け入れよう。きっと言っても仕方がない。話題を切り替えよう。

「明日はほげ先輩のお見舞い行こうか!」

登場3話目にしてマジ女神になるアリスちゃんである。

ちなみに私におじさん言われた王様は最近くしゃみが王城中に響き渡るように大きいそうな。

みなさんも風邪には気を付けましょう。

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