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私の異世界妄想劇  作者: Trifle
序章
2/14

魔法の講義 午前の部

 異世界召喚された次の日、朝食を食べた後に私は琢磨君から魔法の指導を受けている。

「魔法とは、一般的には大気に含まれる魔素と呼ばれる物が人の想いに反応し、現象を発生させるものとされています。私は魔素と呼ばれる元の世界で言うところの電子のような物質が私たちの脳の電気信号を通してこの世界の粒子に働きかけていると思っています。例えば空中に水を出す魔法は大気の分子を分解して水を作り出しているということです。つまり、大事なのは意思の力であり・・・」

「はい、先生!本当に14歳なんですか!?」

 私は話の途中でいきなり質問した。琢磨君の言ってること14歳の知識じゃないんだよ。


「れっきとした14歳ですから!知識については私の頭がちょっとよかったから英才教育を受けていたってだけです。それで、大事なのは意思の力であり、正確な想像力です。ただ、生物を構成する一部を変えようとする魔法は相手側の意思によって阻害されてしまうため効果が薄くなってしまうのも注意してください。」

「なるほど、なるほどー。」

 私はそこで魔法を使ってみようと思い、コップを作り、さらにその中に水に砂糖、二酸化炭素等を作り出しさらにはストローなんかもつけちゃって飲み始める。

「うん、おいしい。」

 琢磨君は呆れた顔をしている。


「あー、なんかこのあたりの説明はもう大丈夫ですね。じゃあ、一般常識的な10大属性について話しましょうか。魔法の属性は大まかに10種類に分けられています。これは魔法の原理知らない人たちが勝手に作ったものなので気にしないでいいとは思いますがね。この10という数字は特別な数字としてよく使われているみたいです。それで属性は、火、水、土、風、気、雷、氷、光、闇、無の10個です。一応それぞれについて説明します。」

 そして、それぞれの属性について琢磨君が話してくれた。以下にまとめる。

火:炭素を作り、さらに着火させて発動させる。そんなことしないで熱で溶かすなり熱を持った大気をぶつける方がいい。

水:融解して透明な物質作ったら全部水属性とかいうテキトー分類。

土:固形の物質作ったら全部土属性とかいうテキトー分類。

風:空気を圧縮したり、高速で動かす。

気:自分の体の分子の結合を強めたりして身体能力を向上させる。気を纏ってるとか言われるけどただの

  魔法。

雷:電気発生させるだけ。

氷:透明な物質固形だけは土じゃなくて氷になる。意味不明。

光:可視光の電磁波を飛ばす。これがあるってことは実際どんな物質でも作れるし飛ばせるよね。

闇:状態異常系がこれになる。相手のまわりの光を大気に変えて視覚を奪ったり、振動を止めて聴覚を 

  奪ったり、力の差があれば直接相手の体に働きるなんてこともできるらしい。

無:物を移動したり、重力操ったりとよくわからないのは全部これになる。

と、いった感じである。


「それで何か質問等あるかな?」

「属性の決め方が昔の人が川付近でよくわからないことが起きると河童の仕業だって言ってるのと同じだなって思いました。」

「その通り、意味のない分類でしたね。笹井さんも私と同じようにあまり気にせず使ってください。」

 琢磨君も同じ意見だそうだ。たまには私もちゃんと質問をしてみる。

「ところで、今の話を聞くと魔法で先生や重症な勇者の怪我治せると思うんですが。なぜ治さないんでしょうか。」

「先ほどの属性の中には治癒魔法という分類はないのですが、実際は欠損した部位を蘇生したりできます。ただ、勇者はそれができません。私は魔素と瘴気は似た関係なのだと考えています。瘴気が勇者を魔物にできないように、魔素もまた勇者の体の一部を治すといったことができないようです。異世界から来たものである勇者が自分自身と認識しているものについては魔素や瘴気が物質の変換できないのだと思います。余談ですが勇者の装備している物についても魔物となることはありません。」


 そこで、一つ私はすごいことに気づいてしまった。にやけながら尋ねるとする。

「もしかして、俺の女だー!!って思って連れて行けば魔物にならない!?」

「ふっふっふ、そこに気づくとは流石笹井さんですね。その通りです。ですが、確証を得るのが難しく簡単に連れて行くことは難しいと思いますよ。それに意思の力が勇者より弱すぎて使いものになりません。」


 ずっと物質の構成を変えるやらなんやらいっていたけど、確かにあやふやなものがあったことを思い出し私は思わず聞き返す。

「意思の力?」

「意思の力の大きさはどれだけの量の魔素に対して働きかけることができるかが変わります。ちなみにさっき笹井さんが作った大きさのコップですが構造を理解したとしてもそれを一瞬で作ることができる人はこの世界では10人に1人です。では勇者の意思の力がどれくらいかというと、この世界の人たちの意思に影響を及ぼすほど違います。なので、勇者が死にたいとでも思わない限り勇者に対する悪さはできないんですよね。」

「え?」

 私はとても驚いた。だって、それってつまり・・・

「アリスちゃんと相思相愛になることもできるってこと!?」

「アリスはダメ!!」

 え、待ってあれこれホントに琢磨君なの。顔真っ赤にしてすごい剣幕でこっちみてる。

「アリスは僕が魔核を壊して帰ってきたときに焼けただれた顔を見て周りの人たちが遠巻きで見てる中、一人やさしい言葉をかけて熱にうなされる僕を一生懸命看病してくれたんだ。だから、アリスは渡さないよ!僕が絶対振り向かせて見せる!」

 なるほど。14歳だ。安心した。ちなみにアリスちゃんは17歳の召使で昨日会った中でかわいい召使ランキング1位である子である。金髪ロングで碧眼、天使の笑顔で周りを魅了する聖女とも呼べる存在である。冗談のつもりで言ったのにこんなことになるとは。初心じゃのう。ぐふふ。


「大丈夫だよ、冗談だからね。てか、振り向かせてみせるって琢磨君の意思の力でアリスちゃんの意思に干渉して勝手に振り向くんじゃ。」

「でも、アリスはいつも僕が尋ねるとすごい驚いたり、あわててどこか行ったりしちゃうんだ。」

 うん。それはねアリスちゃんも初心なんだよ。って心の中で私はつぶやいた。

「そっかぁ。今度、琢磨君からデート誘ってみたら?まずはそこからかな。」

「ほんとぉ?が、がんばってみる!」

「うむ、アタックあるのみだよ」

「それって当たって砕けろってことじゃ・・・」

「大丈夫、大丈夫~」

そんなこんなで午前の魔法講義は琢磨君の恋愛相談に代わったのであった。

私や琢磨君よりも先に容姿を説明されるアリスちゃんまじ天使の回

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