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企画参加作品(ホラー抜き)

おとうさんの目玉焼き

作者: keikato
掲載日:2016/10/08

 日曜日のお昼前。

 おなかがすいたので台所に行くと、エプロン姿のおとうさんがいた。

「ねえ、おかあさんは?」

「買い物だ」

「お昼ごはん、おとうさんが作るんだね」

「ああ。目玉焼きとサラダ、それとインスタントラーメンでいいだろ」

「うん、いいよ」

「まずは目玉焼きだ」

 おとうさんはレンジにフライパンを乗せた。

 それからタマゴをまるごとフライパンに入れて、コロコロと転がし始めた。

「おとうさん! タマゴ、わらないと」

「そうか、そうか」

 おとうさんはタマゴをわった。

 だけど中身は流しに捨てて、カラの方をフライパンにもどした。

「それって反対だよ。タマゴのカラなんて食べられないよ」

「いや、目玉焼きはカラがうまいんだ」

 おとうさんはにっこりした。


 目玉焼きができあがった。

 お皿にあるのはタマゴのカラが焼けたものだ。

 ちょこっとかじってみる。

「おいしい!」

「そうだろ、そうだろ。次はサラダだな」

 おとうさんは冷蔵庫からキャベツとトマトを取り出した。

 おとうさんはキャベツを切った。


 ヒヨコが流しから飛び出した。

 捨てられたタマゴの中身が、いつのまにかヒヨコになっていたのだ。

 きざんだはしから、ヒヨコがキャベツをどんどん食べていく。

「もっとくれ!」

「よし、よし」

 おとうさんはキャベツをのこらずきざんだ。

 ヒヨコはキャベツをみんな食べた。

 ヒヨコがちょっと大きくなっている。

「もっとくれ!」

「よし、よし」

 おとうさんはトマトも切った。

 切ったはしからヒヨコが食べる。

 ヒヨコは食べるほどに大きくなって、ついにニワトリになった。


 おかあさんが帰ってきた。

「おかあさん! ニワトリだよ」

 おかあさんの手を引いて台所にもどると、なぜかニワトリがいない。

「ねえ、おとうさん。ニワトリは?」

「あれ? さっきまでいたのになあ」

 おとうさんがラーメンを作っている間に、どこかに行ってしまったようだ。

「わあー、大きなタマゴがあるわ」

 おかあさんが冷蔵庫の前で声をあげた。

 いつのまにかニワトリがタマゴにもどっていた。それも、すごくでっかくなって。

 ボクはおナベの上でタマゴをわった。

 だけど中身はキャベツとトマトのサラダだった。

「目玉焼き、できないね」

「いいんだ、目玉焼きはカラで作るから」

 おとうさんはにっこりすると、さっそくタマゴのカラをフライパンにのせた。

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― 新着の感想 ―
これは実に不思議な世界観で面白いですね。 卵の殻を食べるシーンやみるみるうちに急成長するヒヨコなど、ビジュアル化したら凄そうなシーンばかりで驚かされます。
まるでマザーグースみたいな不思議な世界観! それが日常に繰り広げられてるのがシュールでした! これはすごい! 思わずパクりたくなるような世界でした(*´∀`*) とりあえずおとうさんは天才(*>…
ええ〜 楽しい! 絵本で読みたいお話でした! たまご祭りに参加くださりありがとうございました
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