偽不死 其の二
地下二階、動力室。
正直ここへきたところでなにをさせられるのか、 それがどんな脅威のあることなのか杏には全く分からなかった。
『おい、ここか?』
先ほど演説していたリーダー格の男は言った。
『はい、ここが動力室ですが』
『お前じゃない』
どうやら仲間内に尋ねたらしい。紛らわしいこと甚だしい。
その前にご苦労の一言でもないのか。
リーダー格に話しかけられた男はおもむろに古びた地図を広げ、あたりを調べ出した。
そして
『ここだと思う』
と一言。
リーダー格の男は含み笑いをした。
『おい女、これ、なんだと思う?』
リーダー格の男は地図をひったくり、杏に見せた。
『、、、?え、どこか、、、の、工場?』
杏は目を細めながら地図を見つめて言った。
男たちは笑った。
そしてリーダー格の男は言った。
『馬鹿、ここだよ“ここ”!!
ここは大昔、原子力発電所だったんだよ』
杏は、その言葉を咀嚼するのに時間を要した。
そして思い出した。過去、授業で習った“放射能の脅威”を。
『!!』
『ここにはまだ核燃料の残骸が眠ってる。
地上の微生物発電施設の占拠はダミーだ。さぁ、探せ!!“宝の山”を!!』
男たちは拡散していった。
杏は膝から崩れ落ちたら。