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戦国おとぎ語り  作者: 独楽
序 蒼眼の月
16/48

其の拾伍


 翌日の早朝。

 天地がひっくり返るような、けたたましい爆音に、わたしは叩き起されます。


「――なっ、なななんですか! 今の音は!」

「ああ、止水さま! 御心配には及びません! この小比奈めが命に代えても止水さまの操を御守り致します!」

「きゃー! どさくさに紛れてどこさわってるんですか! このお馬鹿っ!」


 離れなさい、と、しがみつく小比奈をひっぺがします。

 鎌之助の一件以来、私は小比奈のお部屋にお邪魔しているのでした――って、そんなこと言ってる場合ではありません。

 今の音は?

 大筒を放ったような凄まじい音、地も大きく揺れたように感じました。 

 取るものもとらず寝巻き姿のまま枕だけを抱え、わたしは外に飛び出します。

 見ると、すでに道場の巫女たちが、わらわらと群がっていました。早朝もあってか寝間着姿が目立ちます。


「いったい何事でしか!?」


 慌てふためき、盛大に噛んだわたしに見向きもせず、その場にいる巫女たちは皆揃ったように一方向を見ています。その顔はまた揃ったように、唖然と。

 つられて、わたしも視線を向けます。

 見えたのは山から濛濛と上がる黒煙。

 火の粉を散らし、怒涛のように天高く噴き上る火柱――浅間山が、噴火していました。


「不吉な……」


 そう、誰かがぽつりとこぼしました。

 不吉。怪異。

 流石のわたしも、なにか胸騒ぎを覚えずにはいられませんでした。



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