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2014年/短編まとめ

強くあれ

作者: 文崎 美生

「お前、もう要らない」


愛しい愛しい愛らしく美しい従姉妹は、目を細めてとある人物を睨んでいた。


彼女にとって勝つことが全て。


敗者に弱者に道を決める権利はなく、地の底で息絶えていくのがお似合いだと笑う。


だがそれは同時に自分自身への鎖でプレッシャーだ。


まだ学生という年の彼女と私だが色んな事をしてきた。


人には軽々しく口にできないことだって、グレーゾーンにだって手を出した。


その結果私たちが今いる場所は本当の黒。


「一度目は忠告、二度目は警告、三度目は無い」


底冷えする声音で男を脅す彼女。


それでも美しい。


何にも負けない屈さない彼女だけの美しさだ。


強くあるために守るために欲求のために、自分のために他人のために彼女はここにいる。


彼女が一番大事なのは身内、その次は彼女の周りの人間だから。


強く強く強く。


強くあろうとする彼女は恨まれようが妬まれようが、何一つ問題にせずにただひたすらに自分の道を歩もうとする。


強く強く強くもっと強く。


その為ならば切り捨てる事も厭わない。


二周りは下の彼女は回転椅子の上で足を組みながら、ジッと男の見下ろす。


早く出ていけ、お前はもう要らない、必要ない、消えろ、失せろ、二度と自分の目の前に姿を現すな。


彼女の目がそう言っている。


全身全霊でそう伝えている。


「バイバイ」


柔らかく微笑んだ彼女が男に手を振った。


無慈悲な彼女。


誰に恨まれても強さを求める。


孤高の存在。


ただひたすらに強くあれ。

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