5 白の花2
ジンの過去の話です。
――ジンさん
君は、『白の花』――?
「……さん……ジンさん!」
目の前が明るくなる。
目に映るのは色白で儚げな少女だった。
「……『白の花』……」
「はい、そうです」
君はにこりと微笑む。
どうやら俺は寝てしまっていたようだ。
俺は自分の顔に手を当ててため息をついた。
それを見て『白の花』――ブランが笑う。
「ブラン?」
「ジンさんの寝顔、とってもかわいかったですよ」
ブランはそう言ってまた笑う。
『白の花』ブランは、一週間ほど前に俺の前に現れた。
見たところ年は俺と同じくらいで、出会ったときはワンピース一枚の姿だった。
出会ったときブランは、親に捨てられたのか道端に座って震えていた。
その姿を見たとき俺はこの子を守りたいという衝動が沸きあがった。
そして俺は親に頼み込み、ブランを養子にすることが決まった。
自分のことはブランとしか名乗らず、みんなには『白の花』と呼ばれていたのだと語った。
ほかのことは一切語らない。
ブランはこの家の子供にしてくれるのだからと俺の親の手伝いをよくして、俺の親に喜ばれていた。
ブランは俺の家の中で愛されていた。
幸せだった。
あの戦争が起こるまでは……
疲れたのでここで切ります~_(:3」∠)_
次はもうすぐかきますっ!