3 戦い2
キュキュ、と剣を磨く音が響く。
ジンは、自分の部屋の椅子に腰かけて剣を磨いていた。
剣が鈍く光っているのを確認して、ジンは剣を磨く手を止めた。
すると、遠くからバタバタと足音が聞こえた。
だんだん近づいてくる。
バン、と大きな音を立てて部屋の扉が開かれ、同時にリークが飛び込んできた。
「……なんだ? 騒々しい」
「なぁ、今から訓練場に来いよ!」
リークは走ってきたのか、肩を上下させながら言った。
「……今からか? どうして」
「リリーナさんとルキさんが戦ってんだよ!」
ルキ……ああ三番隊の隊長か、とジンが思っていると、リークがジンの腕を引いた。
「いいから来いって、スゲーぞ!」
「おいちょっと待て、剣を……」
ジンが言い終わらないうちに、リークは強引にジンの腕を引いて訓練場へと向かった。
「勝負、あったかな?」
リリーナはルキを睨み、言った。
「まだ勝負はついてないわ」
「は」
リリーナはルキに足払いをかけた。
「ちょ」
不意を突かれたルキは、受け身を取るので精一杯だった。
その間にリリーナは体勢を立て直し、倒れたルキの上に馬乗りになった。
そして自身の剣を手繰り寄せ、ルキの頭の横に突き刺した。
「勝負ついた?」
リリーナはルキを見下ろし微笑んだ。
少しの間リリーナを睨みつけた後ルキはふ、と笑った。
「やはり君にはかなわないな。僕の負けだよ」
おお、といつの間にか集まっていたギャラリーが沸いた。
いつの間に、とつぶやいてリリーナはルキの上から降りた。
そしてルキに手を差し出した。
「戦ってくれてありがとう、ルキ」
ルキはリリーナの手を見つめ、そして手を取った。
「こちらこそ、リリーナ」
リリーナの手を借りて立ち上がったルキは、リリーナを見つめてほほ笑んだ。
「またいつか戦ってくれよ、リリーナ。今度こそは僕が勝つよ」
「ええ、もちろん」
二人は見つめあい、そして力強く握手した。
ジャンル恋愛なのにあんまり恋愛要素なくてごめんなさい(><)
これからもっと増える…はず!