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銀の救世主  作者: Lyuk@
出会い
2/15

銀の救世主 1


 カン、と空気を切り裂く音がして、剣が青年の手から離れ、一回転して地面に突き刺さる。

 青年は尻餅をついた。

「……負けました……」

 青年が観念したようにつぶやく。

「はい、ありがとうございました。力がついてきましたね。でも、隙が多いので狙われやすいです。そこを気を付けていればだいぶ強くなると思いますよ」

 青年と戦っていた女性は青年に手を差し出した。

「……ありがとうございます」

 青年は女性の手を借りて立ち上がった。


「では、これで今日の訓練は終わりとします!」

 女性が声を張り上げ、訓練の終わりを告げた。


「いやー、やっぱリリーナさんは強いなー」

 騎士専用の宿舎へ帰る途中、輝く金の髪と深い緑の瞳が印象的な青年が、先ほど女性に負けた青年に話しかけた。

「……そうだな……」

「いいなー、お前。リリーナさんに稽古つけてもらって! 俺もつけてもらいたいよ」

「お前もつけてもらえばいいじゃないか」

「リリーナさんは自分が強いと見込んだヤツにしか稽古をつけないんだ。俺なんかじゃ無理無理! もっと強くなってからじゃないと」

 金の髪の青年が無理無理と自分の手のひらを顔の前で振った。

「ま、お前が強いと見込まれているってことさ、ジン」

 金の髪の青年が女性に負けた青年――ジンを指さして言った。

「……そうか……ありがとう、リーク」

 金の髪の青年――リークは微笑んだ。

「……それにしても! ほんとリリーナさんは綺麗だ! あんな人を嫁にもらったら俺もう死んでもいいよ」

 リークがはは、と笑いながら言った。

「……そうだな」

「ああ、お前は『白の花』しか興味ないんだったな」

 リークがはやし立てる。

「まぁな」

 ジンは笑った。


  


お読みいただきありがとうございます!

なにかアドバイス等ありましたらコメント宜しくお願いします!

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