第陸話 妖術書『変』
その部屋は暗かった。俺は手探りでスイッチを見つけるとスイッチを押した、そうすると天井から吊るされている電球が光った。明るくなって改めて部屋を見ると、壁には色々な妖怪の絵みたいなのが貼ってあって、本棚などもあった。机がありその上を見ると本があった。その本は表紙に妖術書『変』と書いてあった。俺は鼓動が早くなる事を感じた。ただ、すぐには読み始めなかった。一度俺は本を持って居間へ戻った。何故なら、一人で読むのは少し怖かったからだ。「ただいまー」いつもの明るさを取り戻した霧島さんが帰ってきた。「九条君その本は何?」俺は「多分これは俺が探していた能力を解放するためのヒントになる本です。一緒に読んでくれませんか?」そう言うと、「そう言う時のために私がいるんじゃん、九条君には感謝してるし付き合うわ」そう笑顔で言ってくれた。
妖術書『変』を開くと最初にこの本は封印されし術の書、扱いに気おつけろと書いてあった。俺と霧島さんはごくりと唾を飲むと続きのページを読み始めた。妖術『変』は身体変化、性質改変、禁術、切り札を担う。妖術師が「人であること」を一時的に捨てる、あるいは妖怪の理に踏み込む危険な術であると記されていた。その本には具体的な型も全て載っていたが、全てから危険な匂いを感じた。そして、本には絶対にこの術を習得しない事と、書いてあった。「九条君、本当に『変』の能力を解放するの?」心配そうな目で俺を見てきた。俺は背筋が凍ったが「はい、絶対に習得します」そう答えた。「とりあえず、ご飯にしようか」そう言って台所に霧島さんは言ってしまった。ご飯を食べてる最中も居間には少し暗くて重たい空気があった。
翌日俺は例の地下の部屋にもう一度行き、色々探した。そうすると本棚の奥の方に手紙があった。その手紙にはこう書かれていた。玄真、この手紙を見つけたか、という事は、つまり、お前は『変』の能力を解放するんだな、覚悟は良いか?生半可な覚悟では無理だぞ、覚悟ができているならこの先を読め、解放する方法を教えてやる。これは祖父の字だった。そして、俺は迷わず先を読み始めた。能力を解放するためには、端的にいえば、人間である事を捨てる必要がある。まずは、体力をつけろ、次に、有効的な妖怪を仲間にして妖怪と触れ合え、そうすれば自ずと能力を解放できるはずだ。だが、気をつけろ、この能力は扱いを間違えると自分も妖怪になりかねない。仲間を頼り慎重に習得するのだ。そう書いてあった。俺はすぐに霧島さんに手紙を見せ、東京に帰ることにした。
第陸話完
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