第3話 どうすれば能力を解放出来る?
修行を始めてから四日後、俺は少しずつ体力が増えていった。
五日目の朝、天城は、
「やっぱり封印された能力の適性があると体力の伸びもいいな」
そうつぶやいた。
「じゃあここからは、本格的に能力を解放する修行を始める」
「とは言っても俺がお前に教えてやれる事はない。能力の解放の仕方は人それぞれだ、自分で色々やってみろ」
「え、どういうことですか?何をすれば良いですか?」
俺は慌てて聞いた。
「教えてやれる事はないと言っただろ。分かったら始めろ」
少し不機嫌そうな声で天城は言った。
俺はとりあえず体力を向上するために、今まで通りのトレーニングは続ける事を決めた。
ただ能力を解放する方法は思いつかないので、霧島さんに聞いてみる事にした。
昼食を食べている際中に、
「霧島さん、能力ってどうやったら解放できるんですか?」
少し軽い感じで聞いてみた。
「あれ、天城は何も教えてくれなかったの?」
首を傾げながら霧島さんは言った。
「なんか、人それぞれ違うから自分で考えろっていわれました」
そう答えると、
「あーやっぱ天城、指導へただなぁ」
「体力トレーニングもちょっとやりすぎだったし」
「でも、ごめんね。私は、能力を解放したんじゃなくて修行で習得したの」
「だから、そうだなぁ……」
霧島さんは少し考えて、
「あ、天城が能力を解放する修行をしている間につけていた日記見せてあげるよ」
「後、友達にも聞いてみる」
そう言って押し入れの中からダンボールを出してきた。
「はい、これ。天城には内緒だよ」
霧島さんは口の前に人差し指を立てて言ってきた。
「ありがとうございます、頑張ります」
俺は礼を言ってから、続けて尋ねた。
「あと、もう一個聞いても良いですか?霧島さんは何の妖術師ですか?」
そう尋ねると、
「そこ、気になっちゃうか。まぁいいよ、教えてあげる」
「私は『獣』の、妖術師なの」
「質問はこれで終わり?」
俺は『獣』の能力について詳しく知りたかったが、あまり質問できる雰囲気ではなかったので
「はい」
と、答えた。
俺はとりあえず屋敷で俺に与えられた部屋に、そのダンボールを持っていった。
その中には日記帳以外にも色々入っていたが、日記帳を取り出して読み始めた。
《能力解放日記基礎》
一日目、今日俺は師匠に見離されたらしい。体力は向上し、いよいよ能力を解放出来ると思ったら、やり方は自分で考えろと、言われた。何をすればいい?解放するってなんだ?とりあえず体力トレーニングは続ける。
二日目、屋敷の中を色々みてみる事にした。屋敷の倉庫で妖術書『影』を見つけた。その本には妖術『影』の特徴などが書いてあった。でも能力の解放方法は書いてなかった。
三日目、妖術『影』は、影、死角、不可視、奇襲を司る妖術らしい。と、なると俺がすべきなのは何だ?思いつかない。とりあえず体力トレーニングで町を走る時に影や死角に注意してみる事にした。
四日目、今日は何も思いつかなかった。とりあえず昨日までやっていた事をひたすら続ける。
五日目、今日町を走っている時、死角からの気配を感じるようになった。一応死角になっているところを確認すると、そこには人あるいは猫や犬がいた。どうやら本当に気配を感じているらしい。
六日目、師匠に呼び出され行くと、妖術『影』の、二十五の型を叩き込まれた。しかし術は出なかった。明日からは体力トレーニングに加えて、この型のトレーニングもする事にした。
七日目、今度は不可視、奇襲をする訓練をしてみる事にした。ただ何をしよう?奇襲をするという事は気配を消すという事。修行をしている仲間に許可をとり、不定期に友達に直接いたずらをさせてもらう事にした。
八日目、今日型の訓練中、一つめの型である影纏いで、うっすら影を纏えた気がする。
九日目、仲間にいたずらをする際、気配が全然ないと言われるようになった。また、影纏いの影が濃くなってきた。
十日目、また師匠に呼ばれた。どうやら俺は能力を解放し始めているらしい。今日からは型を集中的に鍛錬しろと、言われた。
十一日目、師匠が妖術『影』を扱う妖術師を連れてきた。どうやらこの人が今日から俺を指導してくれるらしい。
十二日目、実際にその妖術師の人がとりあえず基本の型を見せてくれた。あとなぜか基本の型のうち、攻撃技を全て俺に放ってきた。ただ、これで何となく分かった気がする。
十三日目、一つ目から五つ目の基礎術を全て習得することができた。
十四日目、今日は六つ目から十つ目までの戦闘術を叩き込まれた。一応あらかた習得できたらしい。妖術師によると、ほとんど俺の中に眠っていた能力は解放できているという事。
十五日目、まだ俺には味方の妖怪はいないが、仲間の妖怪と連携できる連携術を習得した。
十六日目、妨害、制圧術を習得。基本の全ての術を習得した。ここまでで、合計二十の型を習得した。ここからは上位術らしく、まだ教えられるのは先らしい。
十七日目、師匠に呼ばれ向かうと、俺は基礎能力を解放出来たらしい。これでこの日記帳を終了する。
俺は日記を読んで分かった。本当に自分で考えなきゃいけないと。
とりあえず俺も日記をつけてみる事にした。
あと、とりあえず屋敷を探して、『変』の妖術に関する本を探した。しかし、見つからなかった。
それもそうだ。だって封印されていた術だから。
俺は天城さんに許可を取って、亡くなった祖父の家に行ってみる事にした。
第3話完
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