第27話 頼るという強さ
俺は昔からなんでもできた。運動もスポーツも妖怪討伐も、感覚さえ掴めば簡単にできた。ただ、俺には一つだけできない事があった。それは、誰かに頼る事だ。
昔から昔からなんでもできた俺は、周りから少し避けられているように感じていた。だから、頼りたくても、誰にも頼らなかった。
「神無月、やっぱりここにいたか。俺とお前が最初に会った場所だ」
白峰にそう言われた。
「なんだ、白峰、落ち込んでる俺を笑いにでも来たのか?」
「違う。お前、本気出してなかったんだろ。久しぶりに俺と手合わせしないか?」
「ちょうど俺もお前と手合わせしたいと思ってたんだ」
俺は刀を抜いてそう答えた。
『妖術発動!壱の型影纏剣』
「白峰かかってこい」
「それは俺の台詞だろ。まぁいい。じゃあ行くぞ」
『妖術発動!壱の型影纏、陸の型影刃』
白峰は俺に向かって走ってくる。
『妖術発動!漆の型影刃連撃』
「神無月、お前はどうしたい?」
白峰は斬撃を避けながら俺にそう聞いてきた。
「どうしたいってどういう事だ?」
「お前の本当の気持ちを聞きたいんだよ」
『妖術発動!参の型結印』
くそ、喰らった。動けない。
だが、それでも俺ならいける。
刀に俺の影を投影する。
『妖術発動!参の型影避』
「神無月、さすがだな。ただ、俺には通用しない」
『妖術発動!壱の型結界張』
「そっちが本物か」
『妖術発動!拾の型影撃』
「神無月、もう一度聞く。お前はどうしたい?」
白峰は俺に攻撃をしながら聞いてきた。
『妖術発動!玖の型影盾剣』
俺は剣の影を壁状に形成して、攻撃を受け止めた。
「白峰、もっと本気で行こうぜ」
「俺が聴いてるのは、そういうことでは無いんだが、まぁいい。俺も本気で行きたいと思っていたし」
『妖術発動!弐拾弐の型結王域』
白峰を中心に、『結』を最優先とする結界が発動された。
さすが白峰だ。最上位術でもこれだけの力を出せる。面白い。
『妖術発動!拾壱の型影界斬』
「俺が発動した結界を破って、影で支配するなんて。流石だ」
「感心している場合か、白峰」
俺はそう言って刀を振った。
影界斬を発動している以上、この一振りは避けられない。
「甘いな, 神無月」
『妖術発動!弐拾参の型結命封書』
くそ、刀が振るえない。
「なぁ、神無月、俺がなんで『結』も習得したか、分かるか?お前をサポートするためだ。お前はそれを受け入れてくれるか?」
「あぁ、俺にもサポートは必要みたいだな。ただ、この勝負は俺に勝たせてもらう」
『妖術発動!拾伍の型影王剣』
白峰は攻撃を受け止めようとしたが、受け止め切れず、飛ばされた。
俺も能力の使いすぎで、倒れた。
俺はしばらくすると立ち上がれるようになったので、白峰の方へ向かった。
「白峰、大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だ。少し体が痛いがな」
俺は手を出して白峰を立たせた。
「とりあえず屋敷に帰って、手当してもらうぞ」
その時、
「お前が東方壱柱か?」
「誰だこの声の主は?」
「思ったより、弱そうだな。ただ、お前と戦うのを楽しみにしている」
「まさか、お前は断ち切りか?もしそうなら出てこい」
そう言っても返答は返ってこなかった。
第27話完
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