第25話 戦法の違い
山の東側に向かうと、まだ七時まで時間があった。
「神代、九条、まだ時間がある。だから、戦略を練ろう。なんか意見はあるか?」
「白峰さん、おそらく、あっちのチームは天城さんと鷹宮さんの仲があまり良くない上、神無月さんは指揮統率が出来ず、自分一人でなんでもやろうとします。となると、あちらは個個で仕掛けてくるでしょう」
「神代、そうだな。となると、こちらは連携していくのがいいな」
「私たちのチームのメンバー的に役割は私が契約妖怪を使って索敵、援護。白峰さんが結界を使ってこっちに有利な状況を作る。九条くんは『変』を使ったメインアタッカーがいいですかね」
「ちょっと待ってください。俺がメインアタッカーですか?流石に俺じゃ柱の皆さんに勝てるとは思わないんですが?」
「それは俺もそう思うな。神代、この作戦の意図を教えろ」
白峰さんは神代さんにそう言った。
「あっちはおそらく、私たち柱を先に潰し、援護がない無力になった九条くんを最後に倒すでしょう。そうなると、九条くんを私たちが支える方が合理的です」
「そう考えればそうだな。よし、この作戦でいく。あと少しで七時だ、各自戦闘の用意をしろ」
俺はいつものように変相と変走、刀体を発動し戦闘の用意をした。
白峰さんは影纏い、影盾を発動しているようだ。
神代さんはこの間手合わせをした時に召喚した、焔尾狐、風爪鷹、風走馬を召喚した。
一方その頃、山の西側、神無月さんのチーム
「神無月さん、俺らは何か作戦を立てますか?」
天城は神無月にそう聞いた。
「作戦なんて必要ない。俺が全て倒す。それだけだ」
「鷹宮、俺とお前は連携するぞ」
天城は鷹宮にそう言ったが、
「お前との連携なんて、必要ない」
そう返すだけだった。
神無月のチームも各自戦闘の用意をした。
七時になった。
「神代、鷹宮行くぞ」
白峰さんがそう言った。
「御意」
俺らはそう言って、俺を先頭に山の中へ向かって走り始めた。
神代さんは風走馬に乗っていた。
神代さんは『妖術発動!参の型獣感共有』そう言って、
「これで、風爪鷹の感覚が九条くんに共有されるよ」
そう言われた途端、俺は自分の視界とは別に、上空からの視点を得た。
風爪鷹は俺らから少し離れた所を飛んでいて、俺たちが向かっている方向の状況を把握することが出来た。
しばらく走っていると、遠くから凄まじい速さでこっちに向かってきている何かを感じた。
「白峰さん、神代さん」
「神無月が来たみたいだな。神代、正面から迎打てるか?」
「まぁ、応戦ぐらいは出来ますよ」
「よし、神代はそのまま正面から、俺は左側、九条は右側から迎え撃つ。九条は俺が指示するまで、攻撃するな」
「御意」
俺と神代さんはそう返事をし、俺たちは指示通り動き始めた。
距離が近づくと、神代さんが風爪鷹を上空から神無月さんに突進させた。
「なんだ、神代かつまらんな。九条はどこだ?」
神代さんと神無月さんが互いを視認すると神無月さんがそう言った。
「悪いが、俺は九条と戦いたい。だから、お前に構ってる暇はない」
そう言って腰に差していた刀を抜いて『妖術発動!壱の型影纏剣弐の型影突』
抜いた刀に影を纏わせ、影により剣先が伸びた。
これじゃあ、すぐ、神代さんがやられてしまうと思った。
しかし、『妖術発動!拾玖の型獣影重合』
神代さんは妖術を発動した。
発動すると、神無月さんの刀に纏わされていた影が、風爪鷹、焔尾狐、風走馬に吸収された。
神無月さんはすぐに刀に影を纏わせ直し、刀を神代さんに向かって振った。
神代さんを乗せている風走馬は攻撃を読み、交わした。
それと同時に、風爪鷹と焔尾狐が神無月さんに向かって攻撃をし始めた。
ただ、風爪鷹と焔尾狐はダメージを与えに行くというより、俺の近くに誘導しているように見えた。
「九条、今だ」
白峰さんはそう叫んだ。
俺は神無月さんの背後から迫って刀体を使って攻撃を与えに行く。
『妖術発動!参の型結印、肆の型影矢』
白峰さんは神無月さんの動きを止め、影で作られた矢を神無月さんに放ち始めた。
「お前らはやっぱり弱いから、連携してくるよな。ただ、俺を舐めすぎだ」
『妖術発動!漆の型影刃連撃』
その瞬間、俺、神代さん、白峰さんの方向へ影の刃の斬撃が来た。
俺は硬変をし、受け止めた。
白峰さんと神代さんも攻撃を受け止めたみたいだ。
その時、天城さんと鷹宮さんも来た。
ここから本格的な戦闘が始まりそうだ。
第25話完




