第2話 修行開始
「お前『変』の能力者か?」
尋ねられた時俺は単純に驚いた。『変』という名前の妖術はあることは知っていたが、俺が『変』の能力者であることは知らなかったからだ。
師匠は、
「お前、本当は妖術師か?」
と、俺の顔を見てきたので俺は首を振った。
天城は、
「妖術師なわけないでしょ。仮に妖術師なら襲われず封印できたはず」
と言って続けた。
「ただ、能力判別の札が反応したということは、能力が体に眠っているはず」
俺は、能力が眠っているとはどういうことか尋ねた。
「能力が眠っている。これはすなわち、その眠っている能力に適性があるということ。ただ、最初から能力が眠っている者は一握りしかいない」
「能力が眠っている者は、普通の者と違い、軽い修行で能力を解放できる。それに、より強い妖術を扱える」
と、師匠は話した。
「記憶が消えないのも納得です」
天城は師匠に続けて言う。
「基本的に記憶を消す術は、能力を持たない者、あるいは、能力が眠っている、解放している場合、術を使う者より、使われる者の能力が低くなくてはならない」
「しかし俺は『影』の能力者、能力『影』は事実上最強の能力と、言われている。しかし、封印された『変』の能力には劣る、よって記憶を消せなかった」
「ってなると、天城も師匠もこの子の記憶は消せないね」
霧島が言う。
天城は、
「あぁ」
と、つぶやいた。
「となるとお前に与えられる選択肢は二つ」
師匠は少し厳しい声で尋ねてきた。
「一つ、修行をし能力を解放し、妖術師となる」
「二つ、妖怪に襲われた時のこと、ここで見聞きした事は全て秘密にし、一般人として生活する」
「お前はどちらが良い?選べ」
「言っとくが妖術師はそんな甘くない。軽はずみに妖術師にならないほうが良い」
「そうね、一般人として生活する道を選んだ方が絶対に良い」
天城、霧島が言う。
俺は妖怪による被害がどんなものか尋ねた。
「妖怪はその総数は不明、おそらく数万はいると妖術師の中で言われている」
天城は少し低く暗い声で言った。
「妖怪による被害は一日に全国で五から十件ほどという認識がほとんどだ」
「妖術師の到着までの時間にもよるが、場合によっては被害者が死ぬ場合もあるし、妖術師も死ぬ可能性はある」
俺は少し悩んだが妖術師になると言った。
そうすると、
「天城、お前が修行してやれ」
と、師匠は天城を見て言った。
「御意」
天城は言って、俺に、
「厳しくいくから、死ぬ気でついてこい。良いな」
と、俺の目を見て言ってきた。
俺は、
「はい」
と、返事した。
「今日から先輩からの指示に対する返事は、御意だ。良いな」
天城は言った。
「はい、いや御意」
俺はそう言った。
「今日からよろしくね、えーと」
「俺は九条玄真です」
「九条君ね」
霧島は言って続けた。
「私は霧島澪、天城の下の名前は宵一、師匠の名前は鳳城玄武」
「おい、霧島俺の下の名前は言う必要ないだろ」
天城は霧島に言った。
「あれ、待てよ、九条、お前両親いるんだっけ?あと、今何歳?」
天城に尋ねられたので、俺は、両親がいる事と十五歳である事、一応高校進学が決まっている事を話した。
「とりま、両親に説明しないとだな、両親を連れてこい」
二日後、俺は両親を連れ屋敷を訪れた。
天城が両親に説明したが、両親は驚かなかった。
そして両親は天城さんに、
「やっぱその道に行くんですね。この子の祖父は元妖術師なんです」
「この子昔から祖父に懐いていて色々話は聞いてみたいですけど、まさか能力が眠っているとは」
「まぁ、私たちはこの子が決めた道なら応援します」
俺を見て、そう微笑んだ。
そして、両親と天城さんと俺で話し合った結果、俺は高校に通いながら妖術師をすることになった。
後、この屋敷に住み込む事になった。
どうやら天城さんも高校一年生で、高校に通いながら妖術師をしているらしい。
「よし、これから修行を始める」
天城さんは俺に言った。
「修行って何をするんですか?」
俺は、天城さんに尋ねた。
「そうだなぁ、とりあえず基礎体力を上げるためにこの町を四周だ。途中で止まるな」
天城さんは軽く俺に言った。
「え、よ、四周ですか!?無理ですよ」
俺はそう言った。
でも、天城さんは、
「厳しくいくって言ったよな。ならやれ、返事は?」
と、少し怒り口調で言ってきた。
「御意」
俺は言うしかなかった。
俺はとにかく走った。一、二周目ぐらいはまだ何とかなった。でも最後の方は本当にきつかった。
途中霧島さんがスポーツドリンクとか水を渡してくれたからまだ良かったけど、本当にきつかった。
走り始めてから十二時間後、やっと走り終わった。
そして屋敷に戻った。
戻るとすぐに天城さんは、
「腕立て、腹筋、スクワットそれぞれ百回ずつ」
と、指示してきた。
「御意」
俺はまたそう言って始めたが、もうクタクタでほとんど動けなかった。
その時霧島さんが、
「天城、初日から詰めすぎ、といくかご飯食べさせなきゃ」
と言ったら天城さんは、
「こんぐらい当たり前だろ」
と、言い返した。
が、霧島さんは、
「九条君、屋敷に入ってご飯食べな。天城の言う事は気にせずに」
と、言った。
俺はどうすれば良いかわからなくて天城さんを見た。
そしたら天城さんは屋敷の方に首を振ったので、俺は屋敷に入ってご飯を食べた。
そして、その後天城さんに言われた事をやった。
やってる間、天城さんは俺に、
「お前を高校入学までの春休みで妖術師にする。そのためにはこれくらいこなしてもらわなきゃ困る。分かったな?」
と、言った。
俺は、いつも通り、
「御意」
と、言った。
俺は毎日同じような修行をした。
第2話完
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