第18話 弐柱白峰透
「なんでお前らはあんなよく分からん手合わせをしていた。伍柱同士の手合わせは基本的に鎮妖連への申請が必要なはずだが」
俺は状況が把握できず、困惑していた。
「君が九条か?」
肩を叩かれてそう聞かれた。
「あぁ、すまない。初対面で自己紹介もせずに。俺は東方弐柱白峰透だ。よろしく」
俺は「九条玄真です。よろしくお願いします」そう言って頭を下げた。
「で、天城、鷹宮、いつまで頭下げたんだ、どっちでもいいから事情をせつめいしろ」
天城さんと鷹宮さんの方を見て怒った。
すると、
「俺が事情を説明します」
天城さんが頭を上げ、手合わせをしていた事情を話した。
白峰さんは呆れた様な顔をして、
「天城、鷹宮、お前らは俺から見れば、能力の練度的にはあまり変わらん。能力の特性的に天城が参柱になっただけだ」
「ただ、鷹宮、一応元兄弟子とはいえ今は天城の方が位が高いのも事実だろ、だったら別に敬語じゃなくても良いだろ」
「それに、天城に敬語を使えと言うなら、お前も敬語を使うのが筋だろ。違うか、鷹宮、話は以上だ」
「2人とも今後はこの様なことないように」
凄まじい威圧感があった。
「御意」
2人は深く頭を下げそう言った。
「後、天城、九条お前らは学校生活との両立についての話をしようとしていたのだろ」
「ただ、お前らの話し合いは不要だ。結論を伝える」
「九条、お前は明日からちゃんと学校に行くように」
「天城も始業式からはいつも通り毎日登校するように」
俺と天城さんは「御意」そう返した。
天城さんが、
「霧島も同じ対応でいいですか?」
そう聞くと白峰さんは軽く頷いて屋敷の中に戻って行った。
「天城さん、あの人はなんなんですか?」
天城さんに聞くと、
「あの人は自分で言っていたように東方の弐柱で『呪』と『影』の複合妖術師だ」
「複合妖術師ってなんですか?」
「複合妖術師と言うのは二つの能力を扱う妖術師、基本的には片方の妖術は元々適性があり、もう一方は修行で習得するのが一般的だが、あの人は両方の能力に適性がある珍しいタイプだ」
すると鷹宮さんが、
「それに、使える能力は羨ましいね」
「能力上俺の『結』みたいにサポート向きの物と天城の『影』のような直接戦闘向きのものがあるのにも関わらず、あの人はその両方の力を使える」
「いわば、俺と天城が連携してやることを、あの人は一人でできる。羨ましい」
そう言うと、
「仕方ない、あの人は代々妖術師の家系に生まれたんだから」
「そもそものポテンシャル的なものが俺らとは違う」
珍しく天城さんは少し元気がないように見えた。
「まぁ、それより上の壱柱、あの人は妖術師の家系じゃないのに白峰さんを超えるとか凄すぎでしょ」
「壱柱ってどんな人なんですか?」
俺は聞くと、
「会えばどんな人かすぐわかるさ」
「さてと、ずっと庭にいるとまた白峰さんに怒られそうだし屋敷に入りますか」
その日の夜、夜ご飯を食べ終えると、
「九条、話がある。俺の部屋に来てくれ」
俺は白峰さんにそう言われた。
部屋に行くと、白峰さんは座っていた。
「失礼します」
そう言って入ると、
「来たか、そこに座れ」
俺は指示通り座った。
「いくつか確認したいことがある」
「まず、お前は能力者なんだな?修行で身につけてない」
そう聞かれた、多分『変』の能力者かどうか聞いているのだと思う。
俺は頷いた。
「そうか、『変』の能力の危険性は知っているのか?」
俺は再び頷いた。
「なら、なぜ、習得しようと思った。怖くないのか?」
白峰さんは感情が高ぶっていた。
「取り乱してすまない」
白峰さんは少しすると落ち着いて言った。
俺は、
「確かに、危険な能力だと言うことは分かっています」
「ただ、それでも俺は『変』の能力を使います」
俺ははっきりそう答えた。
「そうか」
白峰さんは少し何かを考えていたのか俺が言ってから少ししてから、そう言った。
「すまないな、夜遅くに、もういいぞ、明日は学校だろ。もう寝ろ」
そう言われたので俺は、
「おやすみなさい」
俺はそう言って部屋を出た。
よくよく考えると部屋を出る時、白峰さんの表情は虚ろだった気がする。
第18話完
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