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第15話 鎮妖連

 師匠が鎮妖連に報告してから数日後、天城さんは意識を取り戻していたが、まだ怪我が完治しておらず、ベッドで安静にしていた。


 その日、俺と師匠、天城さん、霧島さんは呼び出された。



「天城は行けそう?」


 霧島さんが天城に尋ねる。


「あぁ、怪我はしてるが大丈夫だ」


「では、いくぞ」


 師匠が俺たちに言った。



「これから行くのは、鎮妖連の本部へ行く」


「本部の場所は極秘情報だから、あまり目立つな」


 屋敷を出た時に言われた。



 そして駅に着いた。


「ここからは電車に乗って行く」


「霧島、四人分の切符を買ってきてくれ」


 そう言われて、霧島さんは切符を買いに行った。



 霧島さんが切符を買ってきた後、電車に三十分ぐらい乗り、目的の駅に着き、電車を降りた。


 それから十分ぐらい歩いて、神社に着いた。



「こっちだ」


 師匠にそう言われてついていくと、そこには屋敷があった。



 師匠が屋敷に入ると、俺たちも入った。


 しかし、屋敷の中には何もなかった。



 師匠が床板を外すと、そこには階段があった。


「ここが本部だ。行くぞ」


 そう言われ、俺たちは入った。



 入ると、入り口とは裏腹に、中は凄く近代的な設備だった。


 そこには、着物を着た中年くらいの男性がいた。



「鳳条さん、お久しぶりです。お待ちしておりました」


 その男性はそう言った。


「あぁ、久しいな伏見」


「会議の場所はどこだ」


 師匠はそう言った。



「こちらです。ご案内します」


「あと、一応確認ですが」


「そちらの方々は、天城、霧島、そして例の能力者の九条で、間違いないですか?」



 師匠は、


「あぁ、間違いない」


 そう答えると、


「では、行きましょう」


 伏見さんが歩き始めた。



「こちらです。お入りください」


 しばらく歩き、扉の前に立って言った。



「失礼します」


 師匠はそう言いながら、扉を開けて中に入った。



 中には、着物を着た男性が七人いた。


 その中で、正面に座っていた人が、


「鳳条さん。お久しぶりです」


「本日はお越しいただき、ありがとうございます」


 そう言った。



「では、さっそく会議を始めますので」


「皆さん、そちらにお座りください」


 そう言って、俺たちの前にあった四つの席を指差した。



 俺たちは、左から、


 俺、霧島さん、師匠、天城さん


 の順で座った。



 俺たちが座ると、最初に出迎えた伏見さんが、


「では、鎮妖連本部東方会議を始めます」


「では、まず、妖怪断ち切りについて」


「説明をお願いします」


 そう言った。



 すると、天城さんが、


「師匠、実際に戦闘をしたのは俺です」


「俺から説明してもよろしいですか?」


 そう聞いた。



 師匠は、


「あぁ、頼む」


 そう答えた。



「では」


 天城さんは立って、話し始めた。



「おそらく皆さんは、妖怪断ち切りについて」


「基本的な情報は、妖怪図録や」


「私たちからの報告書で」


「分かっていると思いますので」


「私は、実際に戦闘した身として」


「感じたことや、遭遇した経緯について」


「話させていただきます」



「まず、遭遇した経緯に関してですが」


「初めて遭遇したのは」


「そこにいる九条を助けた時に」


「妖怪を封印しようとした時に、現れました」



「二回目は」


「昨日、九条と妖怪の討伐へ行った時」


「妖怪の封印後に、現れました」



「次に、実際戦闘した身として感じた事は」


「まず、単純な事ですが」


「妖怪断ち切りは、明確に」


「かなりの脅威である事です」



「具体的に言えば」


「妖怪断ち切りの攻撃は」


「ほとんど回避不能であるという事」



「私も九条も攻撃を喰らいましたが」


「我々は、術により助かりました」


「しかし、おそらく」


「ほとんどの妖術師は無理でしょう」



「なぜなら」


「私は『影』の最上位術」


「九条は『変』の術の一つ、変替で」


「攻撃を何とかしました」



「ただ、ご存知の通り」


「最上位術を扱えるのは一握りですし」


「『変』の能力は」


「おそらく、今、九条しか使えません」



「以上が、私からの」


「妖怪断ち切りについての報告です」



 そう言って、天城さんは座った。



 伏見さんは、


「長官及び幹部の皆様」


「質問はございますか?」


 そう聞いた。



「いや、大丈夫だ」


「具体的な対策は」


「九条の件を聞いてからで構わないか」


 正面に座っていた人が言った。


 おそらく、この人が長官だろう。



「では、次に九条について」


「説明をお願いします」


 伏見さんがそう言うと、


「九条の事は、私が話そう」


 そう言って、師匠が立ち上がった。



「まず、九条は報告にある通り」


「『変』の能力者であり」


「その能力の解放に成功しました」



 話に割り込むように、長官が、


「報告書には」


「九条の祖父は斑鳩と」


「書いてあるが」


「それは、斑鳩功であってますか?」


 そう師匠に聞いた。



「はい。そうです」


「おそらく、九条は」


「祖父の能力を引き継いでいたのでしょう」


 そう答えると、



「九条、ちょっとこっちへ来い」


 俺はそう言われたので、


「御意」


 そう答えて席を立ち、長官の前に行った。



「確かに、斑鳩さんに似ているな」


「九条、一応この札を持ってくれるか」



 それは、最初に持った札だった。


 その札は、最初に持った時と同じように、


『変』


 の文字が現れた。



「確かに、能力者のようだな」


「能力者である事は分かったし」


「九条の件は、これで終わりで良いな」



 そう言うと、左右に座っている幹部の人たちは頷いた。



「では、ここからは」


「具体的に、妖怪断ち切りの対策を」


「検討しましょう」


 そう伏見さんは言った。



「では、事前に連絡している」


「東方の伍柱いつはしらと」


「ビデオ通話を繋げ」


「とはいえ」


「伍柱の内の一人、天城は」


「ここにいるから」


「モニターは四つで良いぞ」



 そう言うと、何人か人が入って来て、準備を始めた。



 俺は小声で、


「霧島さん、伍柱ってなんですか?」


 そう聞くと、



「あ、そうか」


「九条くんには、言ってなかったね」


「伍柱っていうのは」


「東方、まぁ要するに」


「日本アルプスから東で活動している」


「妖術師の中で」


「一番目から五番目に強い」


「五人の妖術師を合わせた」


「愛称みたいなもの」



「ちなみに、西方にも伍柱がいるよ」


「一応、天城は」


「参柱『影』(みつはしら『かげ』)だよ」


「要するに」


「三番目に強い妖術師って事」



 俺は、


「何となく分かりました」


「ありがとうございます」


 そう言った。



 そうこうしている内に、モニターには四人の人が、それぞれ映っていた。



「用意できました」


 伏見さんがそう言うと、



「では、改めて」


「鎮妖連本部対断ち切り対策東方会議を始める」


 長官がそう言って、会議が始まった。



第15話完


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

本話をもって、本作の「壱の章」は完結となります。

物語はまだ続いていきますが、

ここまでが、九条にとっての“始まり”でした。

次回からは弍の章に入ります。

第拾陸話は【2月1日】に投稿予定です。

弍の章からは、無理のないペースで投稿していく予定です。

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