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第拾参話 分裂鬼

 屋敷を出ると、


「現場までは、ちょっと遠いから走って行くぞ。ついてこい」


 そう言われたので、


「御意」


 俺はそう返した。


 そして天城さんが走り始めたので、俺はついて行った。


 天城さんは、かなり走るのが速く、ついていくのもきつかった。



 現場の近くに来た時、前に鬼のようなものがいた。


 さらに近づくと、その鬼は顔が定まっておらず、姿が二重に見えた。


「あいつは分身鬼ぶんしんきだ」


「あいつは、こちらの戦力を見て分身してくる」


 そう言った瞬間、前にいた鬼が五体に分裂した。


 分裂した鬼は、色が薄くなった。



「こないだ霧島と一戦したとは聞いたが」


「能力解放後の、初めての戦闘だから」


「援護だけを頼もうと思ったが、無理だな」


「お前も戦えるな」


 そう言われたので、


「はい」


 そう答えた。


「分身体の内、一体が本体だ」


「それを倒さない限り、戦闘は終わらん」


「くるぞ」



 そう言った瞬間に、五体の全てが、俺たちに突進してきた。


『妖術発動!壱の型影纏い』


 天城さんが、俺の前に立った。


 鬼が突進してきたが、天城さんはダメージを受けていなかった。



「なにぼーっとしてんだ、バカ」


「とっとと、お前も術を使え」


「今度は、こっちからいくぞ」


「はい!」


 そう返した。



『妖術発動!陸の型影刃かげやいば

『玖の型影盾かげたて


 天城さんはそう言うと、


 手に影の刀ができて、


 影でできた盾が、天城さんの周りに現れた。



 俺も、


『妖術発動!壱の型変相へんそう

『漆の型刃体じんたい


 そうすると、


 爪が伸び、角と牙が生え、


 腕が刃のように鋭くなった。



「いくぞ」


「分裂体の内、三体は俺が相手をする」


「残りは、お前がやれ」


「分裂体は、首を斬れば本体に吸収される」


「だから、首を切って、本体を特定するぞ」


 天城さんは妖怪の方へ走りながら、俺に言ってきたので、


 俺も走り始め、


「御意」


 そう答えた。



 天城さんは、五体の分裂体の内、左の三体を、


 少し離れたところにおびき寄せて、戦闘している。


 俺の目の前には、二体の分裂体がいる。



 俺は距離を詰めて、


 刃のように鋭くなった腕で、首を斬ろうとした。


 ただ、一体に攻撃しようとすると、


 もう一体が、俺に突進してきて、


 俺は回避せざを得なくなる。



 このまま数的不利だと、まずい。


『我の契約妖怪夜猫よ、我の元へ現れよ』


 夜猫が現れた。


『妖術発動!拾捌の型変令同期へんれいどうき


 俺の頭の中に、夜猫の思考が現れた。


 変令同期を使うと、契約妖怪と思考の共有ができ、


 連携制度が上がる。



 俺は夜猫に、


 分裂体の内、一体を相手して欲しいと考えた。


 そうすると、夜猫は左にいた分裂体に攻撃を始めた。



 もう一体が夜猫を攻撃しようとしていたので、


 俺は、もう一体に攻撃を始めた。


 しかし、そうすると、


 俺が戦っていた方が、さらに分裂した。


 これじゃ、埒が開かない。


 どうすればいいんだ。



「九条!」


「この妖怪は、分裂すればするほど弱くなる」


「ただ、それを数的有利でカバーする」


「気をつけろ」


 そう俺に叫んできた。


「御意」


 どうすればいいんだ。



 待てよ。


 相手の能力を使えば、俺も分裂できるのか?


 やってみるしかない。



『妖術発動!拾玖の型変相写へんそうしゃ


 俺は二つに分裂した。


 分裂した方も、能力を解放している。



 俺は、とりあえず一対一に持っていく。


 自分で能力を模倣して分かったことは、


 本体は、分裂体の全ての思考を司っている、ということだ。



 そういえば、


 天城さんが三体の分裂体に攻撃する時、


 一体だけ後ろに下がって、


 他二体で攻撃を受け止めていた気がした。



 まさか――。



「天城さん!」


「そっちに本体がいるかもしれません!」


「攻撃を仕掛けた時に、後ろに下がる分裂体がいるはずです!」


「それが、多分本体です!」


 そう叫んだ。


「なんで、そんな事分かる」


「いや、理由なんてどうでもいい」


「分かった。後ろに下がるやつだな」



 あいつか。


 とはいえ、どうしろと。


 俺一人じゃ無理だな。



『我の契約妖怪影狼かげおおかみよ、我の元に現れよ』


 影でできた、黒い狼が現れる。


『能力発動!拾壱の型影命かげみこと


「影狼、手前の二体を頼めるか?」


 影狼は頷いた。


「いい子だ」


 影狼は、高速で二体に突進していく。



「さてと、とっとと終いにしようか」


『妖術発動!弐拾肆の型影喰らい(かげぐらい)』


 俺は戦闘中だったが、


 突然、分裂体が消えた。



「天城さん、何が起こったんですか?」


 本体の前に立っている天城さんに、そう聞いた。


「影を喰らって、力を奪った」


「お前、封印の札を持っているよな」


「すまんが、俺忘れたから、封印してくれ」


 俺は、


「御意」


 そう言って、


 分裂鬼に札を貼って、


『影は影へ、闇は闇へ。契りは成り、封は閉じた。妖怪よ、静かに眠れ』


 そう言った。


 そうすると、分裂鬼は消えた。


第拾参話完


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

今回の九条の戦い方、皆さんはどう感じましたか?

よければ感想を書いていただけると嬉しいです。

いただいた感想には、可能な限りお返事していきたいと思っています。

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