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第二話 この世界の文化は大体わかった。一つだけ変更求む。


 生涯の友が転生したら腹違いの弟だった件


 ラノベにするならこんな感じだろうか。ガチのシスコンとかで妹とかも転生しに来る系のラノベなら読んだりしてて面白さを感じたことはあるけど、まさかの友達、それも男。前世も男。俺もそう。


 なんだろう、この、なんか、なんで?ってなるモヤモヤは。



 俺たちが互いを認識してからは時の流れも早かった。今世でやりたいこと、目標、目標の先の話とか、前世で行きたかったところとか話してたら瞬く間にまた一年経った。


 俺たちは二歳になった。


 この世界に誕生日という概念はなく、誕生した月の初めに神に感謝して祝いの席を設ける文化らしい。


 残念だったな。俺とこいつは前世でも国内でカルチャーショックを受けていたからな、大概の文化の違いは順応できるぜ。


 「なあ、ヨシュア。」


 「どうしたカイ、カイン。」


 ぼちぼちこっちの言語も話せるようになった俺たちは、この世界の言葉で話す時は現地の名前で呼ぶようにしている。


 「ヨシュアって前世で誕プレといえば何貰ってた?」


 「幼少期だよな?」


 「まあそうだな。」


 「ヒーローの変身ベルトとか。」


 「わかる。俺も。ちなみに何やったん。」


 「龍○」


 「成長早すぎるだろ。俺等その放映時期リアルに今と同じ年齢だったぞ。」


 「まあ兄貴のお下がりみたいなもんだったしな。」


 「あー、そいやお兄さんいたな。見たことないけど。」


 「年に一度帰ってきたらいい方だしな。」


 「まあアメリカでジャズバンドやってた人なんだから帰ってこれる時間少ないよな。」


 「帰ってきたら家にあったPS2持っていって使い潰して実家に返してくる兄貴だったけどな。」


 「そういやそんなこともあったな。俺がジャンク品のノリで修理したな。」


 「あれ、何が悪かったんだ?」


 「色々だな。映像出力端子の奥がホコリ詰まってたし、色々おかしかったからな、一回お兄さん自力で修理しようとした形跡はあったな。悪化してたけど。」


 「んで結局は?」


 「光学ディスク読み込むドライブの周りのネジが緩んでたから程よく締めて解決。後は消えてたパーツを手持ちのジャンクから補填で完了だったな。」


 「なるほどね〜。逐一思ってたけどなんでそれで金を稼がなかったんだ?」


 「ん?趣味だからな。仕事とか金稼ぎには絶対絡ませたくない。俺が辛い。」


 「結局そこかい!お前の趣味多すぎて把握しきれてないんだよ!!」


 「まあ実際多かったしな。趣味。」


 「まあいいや、んでカイン、俺この世界で納得してないこと2つほどあるんだけど」


 「言うだけ言ってみ。」


 「1つ目は俺がお前の弟って言う事実と、2つ目はこの世界の文化には風呂が浸透していないこと!」


 「1つ目はどうしようもねえからしらんけど、2つ目は同意だな、明日庭の探索で探すか。」


 俺たちはこの世界で風呂に入るため、風呂を作ることを決心した。


 水浴びの文化はあったが、身体は温めるに限る。どの地域だろうと風呂文化は譲れない。ないならそれっぽいのを作るまで。


 「んで、カイン、何を探せば良いんだ?」


 「ん?ほとんどないと思うから代用できそうなやつで良いんだが、穴の空いてないドラム缶っぽいやつとコンクリブロックあれば4つぐらいと丸太一本ぐらいでいいんじゃね。資材管理してる人に言えばくれるだろ、俺ら一応領主様のムッスコだし。」


 「確かに! ・・・だけどどうやったら資材庫までたどり着けるんだよ、俺らにはお付きの侍女のミリーさんがいるんだぜ?」


 そうだ、俺たちはほぼ同時誕生ということでたった一人のお付きの侍女に安全のために位置を監視されている。


 「ミリーなぁ、まあ俺らの位置確認って見えるところでやる視覚での確認でしか無いしな。大丈夫だ、俺に策がある。」


 「その言葉と悪そうな口元は前世からセットなんだな。」


 「言葉と顔が連動するんだ、許してくれ。」


 「別にお前のアレで気にしてたら人生三周しても足りないだろうから大丈夫だよ。」


 「圧倒的感謝。」




 「ミリー!僕たちと遊んでー!!」


 俺は屈託のない笑みを表情筋を酷使して侍女のミリーさんに罠を張る。


 「えっ、ええっ!? ・・・はい、良いですけどカイン坊ちゃま達と何をするんですか?」


 「ミリー!かくれんぼって知ってる?」


 「いえ、私めには存ぜぬ遊びですが、坊ちゃま達から教えていただいてもよろしいでしょうか?」


 「うん!今からこの部屋の中で僕たちが目を隠して10こ数を数えてる間にミリーが隠れるの!それを僕たちが見つけるの!じゃあ隠れてね!いーち!」


 「ちょ、ちょっと坊ちゃま!?そんな突然」


 「にーーーい!!」


 「坊ちゃま!?」


 「さーーーーーーん!!!!」


 「仕方ないですね…。」




 「ミリーさんみっけ!」


 「なんと、ヨシュア坊ちゃまに見つかっちゃいましたか〜。」


 「じゃあ次は僕たちが隠れるからねー!ミリーさん、準備ができたら目隠しして数えてねー!!」


 「は〜い。 いーーち。にーーい。」


 その頃廊下にて


 「な?うまく行っただろ?」


 「おう。 ミリーさん、ごめんなさい。」


 「これで上手く行かなかったら俺はあの人を測りそこねてたことになるから最後まで部屋の中でじっとしといてくれ。」


 「てかなんで一回普通のかくれんぼやったんだよ。別に最初からこれでもよかったじゃん。」


 「色々理由はあるぞ。カモフラージュと一度まともにやった故の安心感の植え付けと事が終わった後の言い訳のスムーズ化を考えたらこうなった。」


 「・・・俺、どんなモノよりもお前を一番敵に回したくないよ。」


 「大丈夫だろ、ないと思う。」 


 「俺も想像つかないよ。」


 「さて、資材管理のおっちゃんに話しかけに行こうぜ。」


 「お、おう。」


 「遅れてミリーにバレても俺は責任とらんからな。」


 「ちょ、今行くって!!」

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