自殺
私は学校の屋上にいた。本来は閉鎖され来てはいけない場所。おまけに私はフェンスを乗り越えた外側にいる。
「何をしているの、姫川さん。」
来た来た。私のことを止めに来た教師や生徒たち。いわゆる野次馬。
「戻ってきなさい。そんなこと意味ないわよ。」
そんなありきたりな説得に苦笑して私は答える。
「やめたところで、戻ったところでいったい何になるんですか。そこの女だって私に何度も死ねと、死ねよと言ってきました。だから私は今日ここで飛び降りる。それだけです。」
言いながら私はその女を指す。いじめの主犯・福永南美を。
「あれは、冗談というか、その・・・。」
この期に及んで言い逃れかよ。なんとも醜い女である。
「先生。私は何度も言いましたよね。助けてくださいと。それでもあなたたちは無視した。私は疲れちゃったんです。」
私は目立ちたがり屋だ。私はかまちょだから、自殺をするにも事を大きくする。最後の最後くらい周りに迷惑をかける。
「そういうわけで、さようなら」
言い終えてから私は背中から地面に向かって飛び降りた。夕焼けが綺麗だ。最後の景色がこれだとは・・・。もう後悔はない。強いて言えば彼女の事。私の親友の事。あの人の事を思いながら意外と地面までの時間が長いなと考える。その瞬間、周囲からの誰かの悲鳴を耳に、私は・・・・・・・・。