はるな・その手に負いし咎の記憶

プロローグ

私（わたくし）の手は血に濡れている。

それを聞けば誰もが

『あれは仕方なかった』

『あなたの手は血に濡れていない』

けれども私（わたくし）の目には、真っ赤な鮮血に染まった手が見える。

彼女を痛みから救うことも、終わらせることが出来ず、逆に苦痛を与え傷を広げただけ……

ただ己の無力感にうちひしがれたあの時…………

私（わたくし）は、感じていけないものを感じてしまった――――――

それを感じてしまった時、私（わたくし）の手は血に濡れ、咎をその身に負ったとだと感じた。