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魔王が居座るせいで始まりの町から出られません  作者: 団 卑弥呼
【第1部】はじまりの旅が始まらない
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第九章④ 話が急転直下すぎて主人公だけどついていけない…

「魔力封じですね」ケンジャが答えた。

「自分の中の魔力を封じ込め、使えないようにする術式です。きっと幼い頃に施されたので、気づけなかったのでしょう」


「じゃあ今の俺は、本来の魔力が戻ったってこと?」

「そうです」


「俺の魔力って、どれくらい大きいんだ?」

「人間を超えるレベルですね」

「すげえ!」

「私より大きいぞ」とルル。


 あんなにスゴイと思っていたルル以上と言われ、俺はいい気になった。


「所詮お前も人間レベルということだな」

「いや、私は人間ではないのだが」ルルは真顔で答えた。


「いいって、そんな負け惜しみ」

「私は魔獣だぞ」

「は?」

「見せてあげてもよろしいんじゃなくて。もう最後なのだし」

 ケンジャが言うと、ルルは頷いた。そしてピョンと跳ね、バク宙したかと思ったら、ルルが黒ネコになっていた。


「ネコ!」思わず叫んだ俺。それにしても、センスない悲鳴である。


「そう、ネコだ」

 テーブルの上に着地したルルは、二股に分かれた尾をユラユラと動かしていた。


「ほら見ろ、尻尾が二股になっているだろ。魔獣の証だ。見たいなら本気の魔獣モードに変身してみせようか」

「ちょっと待ってくれ。お前が魔獣なのはわかった。だがなんで魔獣が俺の幼馴染なんだ? なんで街に住んでいる? ああ、ちょっと待て。混乱してきた……」


「それには私が答えましょう」

 ケンジャがルルの頭を撫でた。ルルは気持ちよさそうに喉を鳴らした。


「ちょっと思い出話をしましょう。ほんの三百年前のお話をね……」

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