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語り始め
人間は罪深い。
七つの大罪があるように、原罪があるように。人間は罪深い生き物だ。
けれど、それはあくまで日常なのだ。人間がそんな罪を持っているのは当たり前。
貴方は考えたことがあるか? 人間が犯す、七つの大罪や、原罪以上の罪。罪と称されて過言ではない、けれどあまり気づかれない罪。
それは、人の生き死にを操作することだ。
何故この世界には死神という概念が存在するのだろう、と考えたことはあるだろうか。
死神は主に人の生き死にを操作するものとして語られている。けれどそれはその行為は「神」だからという理由で許されてよいものだろうか。
甚だ疑問ではなかろうか。
思うに、死神も罪人なのだ。
私が綴るこれは、死神という罪人の辿った道筋。
きっと誰もが通るようで通らない軌跡を辿った、辿らざるを得なかった悲しい罪人たちの物語。
かつては人だった死神の、生涯の物語である。