その4 身近が非日常
たかが3話で更新期間が空いてしまいましたが…
更新を本格的にしていきますのでよろしくお願い致します。
「皆!落ち着つけ!」
担任が少し大きな声で落ち着かせようとしている。
「先生!」
俺は先生に声をかける。
「知っているなら教えてください…し、中村のその…状態は?」
「……バラバラだったそうだ…、…その場に制服と学生証があって分かったそうだ…」
クラスメイトの顔がみるみる青ざめていく
「これやべぇんじゃねぇのか…」
「イヤー」
「これ今朝ニュースの奴じゃない…!警察は!?」
あちこちから声が飛び交う中、先生が再度
「いいから落ち着け!」
先ほどよりも大きな声で落ち着かせようと説明を始める
「いいか!皆、ニュースを見た人もいるだろうが、警察そして自衛隊も既に動いている!警察官だけでもかなりこの町に入っているそうだ!安心しろ!」
何をもって安心なのかわからんが…
そんな事を思いつつ、何かが起こっているのはたしかだ
しかもクラスの人間が一人死んでいる。
「皆、日時は追って連絡するが、近々中村の通夜がある、できるかぎり参加してやってくれ…」
この話はもう終わりだとも言わんばかりに、担任はそう言って出席をとっていく。
夕方、中村の通夜の日時を伝えられクラスメイト達は暗い顔をしながらできる限りで集団下校していく中、いつもの4人、隼人、沙夜、妃奈、猛も下校していた。
「なぁ隼人」
「ん?」
「物騒な世の中だよな…でもやっぱりどっか自分には関係無いような気がしてしまってる…これが平和ボケなのかな?」
猛が隼人に問いかけながらそんなことを呟く
隼人も同じことを考えていた。事実日本人にとっての殺人や銃犯罪など海外に比べれば少ないのかもしれないし、実際に日本でニュースに流れても、どこか他人事と思ってしまうし
自分には関係ないだろうと考えても仕方のないことだと思う。
沙夜、妃奈の2人も何かを言おうとしたが、真剣な顔になった隼人に目がいく
「…お兄ちゃん…どうかしたの?」
「猛のいう通り、平和ボケだな!沙夜、妃奈、猛、お前たちも何となく気づいているんだろ?
……既に異常だってな!」
「「「…!…」」」
3人はハッとなって動きが止まる。目を見開き隼人を凝視してしまう。
「もう分かっただろ?警察に自衛隊、そして中村…とてつもなく今身近に起きている…
これを異常じゃないわけがない。いいか皆、可能性だとしても考えたくなくても、これから俺達の誰が巻き込まれるかわからねぇ。だから一人での行動は極力避けろ。幸いにも俺達の家はみんな近い、俺と沙夜、猛と妃奈、通学で皆が合流するまでは<できるだけ>この組み合わせでいこう」
この時隼人の中ではとても他人事には思えないなんともいえないモヤモヤした気持ちになっていた。
それが突然起こるなんて誰も想像しなかったし、したくなかっただろう…
そして他の3人はというと
「…こういうところは隼人らしいな」
「…お兄ちゃん…♡」
「…ふ、ふん、さすがじゃない」
チョロイン達であった。※だだし隼人に限る。キリッ
登下校するにあたり事件が解決するまで、隼人の案でいくことに異論はない。寧ろ出ない、何故かでない。
そりゃ出ない普段から下校はまだしも登校時ほぼそれじゃん!とはツッコミはしない…
クラスメイトの通夜が終わって数日が経った、だが依然として事件の真相や解決のニュースは流れない…ただまた誰かが殺された、バラバラだったとのニュースは流れていた。
学校でも休講にするなどの声も上がっているが今現在はまだ通常通りの状態であった。
流石に保護者からも休講の声が出始めていることから、近々休講になるだろうと隼人は考えていた。
そんな日の下校時、皆で帰ろうとしていた。
「皆、今日は先に帰ってて…」
そんなことを沙夜が言い出した。
「ん?どうしたんだ?」
「ちょっと用事が…そうそう忘れ物しちゃって…直ぐに追いつくから!」
「おっおい!沙夜!」
隼人は呼び止めようとしたが、沙夜は手を振りながらすぐ済むから~といいながら走って行ってしまった。
「なぁ妃奈なんか知ってるか?明らかにおかしいぞ」
「…本人がすぐ済むって言ってるんだからいいんじゃないの?…ほんと鈍感なんだから…」
妃奈の最後の方は上手く聞き取れなかったが、首をかしげる隼人に猛が
「隼人、わからないか?まぁ隼人だもんなぁ」
「???」
さらに首をかしげる隼人だが他の2人は多分すぐ済むからまぁゆっくり行こうというので心配しつつもまぁすぐ追いつくか、と思い直し歩いてく。この時少しの油断があったのだろう。少し今の異常に慣れてしまったのか麻痺してしまったのか。その時は静かに忍び寄ってきていた。
表現が下手な所があるのは承知しています。
暖かく見守ってください。