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その2 当たり前だと思った日常

短いです。

下校時の夕暮れ、朝や昼とはまた違った顔になる街並み、夕日に照らされた木々が穂のかに色づき色を落としていく。今この時間はまだまだ人々で溢れている。

家路に急ぐ人々が増え自分達の巣へと帰っていく…


『ねぇねぇお兄ちゃん。今日の晩御飯何にする?』


そう声を掛けてきた沙夜、

今は下校途中

沙夜、妃奈、猛、隼人を含めた4人といった何時ものメンバーであった。


『そうだなぁ~カレーうどんが食べたい。』


『まぁた隼人は残り物で作るような料理をチョイスする』


呆れたように妃奈がいう


『いいじゃんこいつ変わってるからなぁ』


『へいへい変わってますよどうせ俺は、でも食べたいんだからしょうがねぇじゃん』


『お兄ちゃんがそういうなら私は構わないけど』


そう言って途中にあるスーパーへ足を運ぶ、何故か夕食には妃奈と沙夜、俺の3人で夕食を食べている。

何時からそうなったのか覚えていないが、両親が忙しく殆ど家にいないため、沙夜と妃奈が夕食を作ってくれる。猛の方は夕食を一緒にすることは殆ど参加しない。

まぁ食費などは、両親が仕送りをしてくれるのと、沙夜達が料理を作ってくれているのを知っているため、毎月生活費はいつも多めに入れてくれている。

他に使うところも無いので多めと言われても俺が使わないだけなのだが…



そんな何気ないやりとりをしていると突然に【それ】はやってきた


ドクンッ


『ツッ』


ザザッ… ザーザッ…

『ッッ!』



頭が割れそうになる。

なんだ、このノイズと頭痛は…

頭の中から何かが聞こえる。呼びかけるような、一方的な何か……


ザザッ… ザザッ…

『ミ……タ』

『ナン……ツ……』


【それ】、は段々とクリアになっていく…

まるで電波がよくなるかのように…





ブゥンッ


『見つけた』

『汝、見つけた』

『別世界に存在する者』

『現れる者』

『世界に齎すものは、破滅、否希望となるか……』

『汝求める』

『我欲す、汝を欲す』




ザザッ…ザザッ…ザー


ノイズのような音?と共にそれは遠ざかっていく


『……い……お……おいっ!隼人!大丈夫か?』

『ちょっとどうしたの?』

『お兄ちゃん大丈夫!?』


ハッ



隼人は我に返り、辺りを見回すとみんなが心配そうな顔で隼人に声を掛けている。

両手で頭を押さえ蹲っていたらしく、額や全身にビッショリと汗をかいていた。


『あぁ…大丈夫』


『お兄ちゃん顔真っ青だよ!本当に大丈夫?』


『みんなわりぃ大丈夫だから問題ない』


頭痛はいつの間にか治っており、体長も大丈夫だ。

自分自身も今の声みたいなのはいったいなんだったのか訳が分からなかった。



『俺疲れてるのかな?』


なんて愛想笑いで答えてみる。


『本当に大丈夫か?』


猛が声を掛けてきたが、心配無いと判断したのかそれ以上は何も言ってこなかった。



『さぁ帰ろうぜ…』



その夜……


あの出来事で疲れたのか、夕ご飯を終え、沙夜、妃奈が帰るのを見送ると

直ぐに部屋のベットに横たわりいつの間にか眠ってしまった。





ザザッ… ザザッ…

『ミ……タ』

『ナン……ツ……』


また!?なんなんだこれは?


ブンッ

『見つけた』

『汝、見つけた』

『別世界に存在する者』

『現れる者』

『世界に齎すものは、破滅、否希望となるか……』



『我欲す、汝を欲す』


ザザッ…ザザッ…ザッ


するとどうだろう、人影のような黒い靄が見える。


『お…んな?…おいっ!いったい何なんだ?あんた誰なんだ?どういう事なんだ?』


そういうと一方的に流れてくる声のようなものから反応が返ってきた。



『……直にわかる…』



『……時は近い…』



『汝、真に目覚めるとき、異世界との境界が見えるであろう……』



ザザッ…ザザッ


『おいっそれじゃわからねぇよ!!』


ザザッ…ザザッ…ザーー


スーっとその黒い人影のような靄が消えていく。


『待てよ!おいっ!』


ガバッ!


『ゆ・め…!?』



いつの間にか眠っていたのだろうか、上半身を起こし辺りを見回すと自分の部屋だと気づく、全身汗だくになっており、窓の外を見ると既に日が昇り始めていた。



『だめだ…よく思い出せない…何かとても大事な事のように感じるんだが…何時だ?

……もう朝か…』


目覚まし時計にセットされたベルの時間より少し早目の起床になった。



キーッ、バタン、トントントン


階段を静かに上がってくる音がする。


カチャッ、スー


静かに部屋のドアを開け忍び足で中に入ってくる沙夜がいる。


『あれっ!?』


『お兄ちゃん起きてる!!!』


ワナワナと拳を握りしめ


『お前はいっつもそうやって部屋に入って来てあんな起こし方をするんだな…』


そう、あんな起こし方とは、「うるとら何とか」で隼人に飛び乗って起こすことだ


『え~とっね、いつもはこんなハイリカタデハナイノデス』


『目が泳いでるし、敬語だし、そして何故カタコトなんだお前は!!!』


『それはそうとオニイサマ』


『ハァー分かった分かった。んで、どうしたんだ?』


呆れてもういいや!と思い沙夜にその先を促す。


『どうしたの?お兄ちゃん?いつも絶対に起きていないのに』


『ん、まぁたまには…そんな事もあるだけだ』


そう隼人は既に制服に着替えており直ぐにでも登校できる準備ができていた。


『そぉ?、んじゃ今から朝ごはん作るから下でテレビでも見て待っててねお兄ちゃん…チッ』


沙夜はそう言ってと舌打ちをしながら!?スタスタと階段を下りて1階のキッチンへと向かっていく。それを追って隼人もリビングへと降りて行った。


暫くして


『はいっ!どうぞお兄ちゃん』


そう言って差し出された朝食は、サラダにスープ、そして俺の好物のラ〇ュ〇パンだった。

そう、それは知る人ぞ知る某アニメに出てくる美味そうな料理、そしてパンを食べるシーンがあるのだが、それがとても美味そうに見え実際に少しオリジナルを加えたのだが、美味かった。

まず、食パンの上にとろけるチーズをのせ、お好みでマヨネーズを掛けてからオーブンでチンする。

チンをしている間に目玉焼きを作る。目玉焼きに塩とブラックペッパーを振り掛け、出来上がった食パンにその目玉焼きを乗せて食べる(ハムを載せても良し!)。

これだけの料理なのに美味いのだ。是非ともお試しください!って誰に言ってんだ?



『…?…どうしたの?』


ハッ


『何でもない!ハグッ!』


不思議そうに首を傾げ沙夜も朝食のパンにかぶりつくのだった。




今日は早く起きて時間も余裕がある為食後にコービーを二人で飲んでいると徐に沙夜が


『なんか、新婚さんみたいだね、テヘッ』


隼人は物凄く嫌そうな顔で返す


口をプクーっと膨らませながら、なにやら沙夜はブツブツ呪文を唱えだしているのを

横目に時計をみる、


『そろそろ、学校に行くか?』


『ぶつぶつぶつ……うん……ぶつぶつぶつ…』


知らない知らない俺は知らない


…………


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