世界がお金で動いてると思ったら、それ以外のものでも動いているとおもった件3
おっと
投稿忘れです
「車玩具さん? どういうことだ?」
短髪で、白髪の混じった目つきのキツイ爺さんは、
オレが真紅さんに説明したときの真紅さんと同じ反応をする。
真紅さんの呼びかけで、改めて町内会の店長さん達が集まっていた。
そこで一言説明したのだ。
「会長……お祭りをやろうと思うんですがいいですか?」
――と。
その一言で、公民館に集まった人たちがざわめく。
「前にも話しただろ? ほとんど人が来ないお祭りの準備なんてしてどうするんだ?」
真紅さんに向かって目つきのキツイ爺さんこと会長は、ため息混じりに答える。
「そうです。人が来ないからお祭りができない。
だから、開催できないってことですよね?」
真剣な面持ちで話す真紅さんに、会長が頷いて答える。
「あぁ、そうだ。この寂れた商店街じゃ人なんてあつまらん。
そんなところで、お祭りをしても意味無いだろ?」
「ということは、人さえ集まればお祭りが出来るって事ですね?」
そう切り替えすと、その場に居た人たちが、何か手段があるのかとか、
そんな簡単に人が来るわけないだろうとか、ガヤガヤと話し声が広がる。
「レースをします。この商店街全てを使って」
「レースって? いったい何の?」
「ミニ四駆のレースです」
「は?」
その場では、アホくさいとか、ミニ四駆って何?とか人が集まるわけ無いだろとか
胡散臭そうに思う声でガヤつきはじめる。
「この資料を見てください」
ノートPCの内容をプロジェクターに映し出す。
にしても、この公民館地味に設備が整ってるなぁ。
いくつもの個人大会の動画が次々に再生される。
そこには、ミニ四駆を手に持ってうれしそうに遊んでいる沢山の人たちが映っていた。
「で、何人くらい参加しているんだ?」
「ある個人が主催する大型大会で、500人程度、
小さな大会で100人程度の人たちが参加してくれています」
実際にこの目で確かめてきたんだ。
あの場に居た人たちの熱量を!!
これだけの熱量があれば、お祭りになりうるって事を!!
「たったそれだけか?
祭りをやるって言うからには、1000人以上は来てもらわんと採算が取れんわ」
たしかに、普通にお祭りという規模を考えると、500人なんてたかだか知れている。
個人で行ったイベントってだいぶ大きなイベントではあるんだけど・・・・・・
「参加しているのがその人数というだけで、
実際には、参加してくれる親御さんや友人などが見にくるだけの人とかいろいろいるわけです」
「この商店街の規模からしたら、相当な人数じゃないですか?」
辺りは静まり返った。
それはそうだろう、昨日の今日でお祭りをやるとかやらないとか、
長年やっていたお祭りではなく、唐突に持ってきた良くわからない遊びを、
祭りの中心にしてくれと言っているわけだ。
殆どの人が、どうしていいのか分からないんだろう。
「それじゃ、お祭りなくなっても良いんですか?」
真紅さんが叫びにも似た声で言い放った。
「人がいないからお祭りがなくなって!
活気が無いから人が居なくなって……
それで、このまま人が居なくなったら、この商店街だって!」
「この商店街なんて、あっというまにシャッターだらけになちゃいますよ!」
隣町の狼模型店みたいに……。
そんな言葉が頭をよぎる。
「そんな事言ってもだな、お客がこねぇんだからしかたないだろ」
そう誰かがボヤく。
「そうです、今のご時勢、商品なら家に居たまま買えるんです!
だからこそ、ここでしか、この商店街でしか体験できないこと……
だから私は、レースをしたいんです!」
辺りに静寂が広がった。
「それなら、別にそのオモチャのレースにこだわらなくたって
良いってことだよね?」
頭に鉢巻をした男が手を上げる。
「いや、そのレースだけをやる必要はないかなって」
「ずっとレースしてるわけじゃないだろうし、シャッターの店を使って、
上手く出し物が出来たら、いいんじゃないか?」
「店ごとにどれくらい人が呼べるかわからないけどさ
それぞれの店でしか体験できない事をやれば、きっとお客は来てくれるはずだ!」
鉢巻はそういうと真紅さんを見て頷いた。
「本来のお祭りとは違うかもしれないけど、
お祭りの真似事にしかならないけど、やってもいいですか?」
真紅さんがそう締めくくると、何人かの店主達が頷いた。
それを見た会長は真紅さんから目をそらしながら
「やりたければ、勝手にしろ!」
「だけど、町内会の予算から会費は出さないからな!」
そう言った。
ステップさキット2018
セッティングをどうするのか悩ましいです!!




