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◆◆◆◆◆『女子高生』のお願いで喫茶店のバイト店員になったら『ミニ四駆』の基礎技術を覚えることになった件②◆◆◆◆◆

もう一週走ってくれ!

何かあるはずだ! って思いながら、そのミニ四駆を見ている。

最終コーナーを抜け、レーンチェンジを上がった瞬間……挙動が変わった。

一瞬だけ遅くなった気がする!

ミニ四駆って……速度変えることができるのか?

なんで遅くなってるんだ?


あと一回見たい!!

と思ったら、白髪交じりの爺さんがそのマシンを止めた。


へ? 白髪交じりのじいちゃんがミニ四駆??

大の大人というか、まじでこんな爺ちゃんが遊んでるの?

最近流行ってるとか、テレビでみたけど……

土曜の昼間にじいさんがやるなんて、なんか衝撃的だ。

この店の長老的な人だろうか?


「ん? どうかしたかい?」

爺ちゃんが、俺の視線に気がついたのか俺に目を合わせる。


「えっと、なんでその速さで走ってコースアウトしないのか気になって」

「あー、ブレーキだね」


ミニ四駆にブレーキ?? どうやって?

まっすぐにしか走らないのが、ミニ四駆だろ?


「ブレーキって? 実はリモコンでブレーキをかけられるとか?」

「いやそうじゃないんだ」


俺の質問に爺さんは首を横に振りながら答える。


「僕もはじめてみた時は、びっくりしたよ」


そういうと爺さんはミニ四駆の裏側を見せ

ミニ四駆の裏側のリヤバンパーの下の棒状の板に貼り付けられたものを指差す。


「これがブレーキさ」

「スポンジ?」

「うん。ちょっと実践してみようか」


そういうと爺さんは、ミニ四駆をレーンチェンジへと持っていく。

何台か走っているマシンが通り過ぎるのを見送ると、

レーンチェンジの上でマシンをゆっくり動かす。


フラットから坂をゆっくりと上っていこうとした瞬間、

リヤバンパーの下の棒状の板に取り付けたスポンジが地面に触れる。


「これがブレーキか!」


坂を上るときフロントバンパーが接触し、後輪を軸に前輪が上がってることで、

リヤブレーキが下がる。


なるほど、角度が変わることで、ブレーキが掛かるってことか。


「そうだよ、そしてもう少し進むと……」


ミニ四駆をもう少し移動させると、フロントバンパーとリヤバンパーが坂道と地面に触れることで

前後のタイヤが完全に空中に浮いた状態になる。


「一切加速できない状態になるわけなんだ」


「おおお! 加速しないときにリヤのブレーキが触れてるときは、

大幅に速度が下がるってわけですか!」


坂道を利用してブレーキをかけるなんて、奥深い!!


「ブレーキも色々あってね。市販されているのは、緑・黒・灰色の順でつよくなるんだ。

人によってはタイヤを切ってブレーキにするっていう猛者もいるみたいだよ。」

「タイヤを切ってって、何か凄そうですね」

「僕はやったことないからわからないけど、師匠がいうには、メンテナンスが楽みたいだよ」

「ほら見てごらん?」

そういうと、爺さんは裏側にとりつけられているスポンジを見せる。

「スポンジブレーキだとすぐに消耗しちゃうからね」

さっきは気づかなかったけど、スポンジが削れて白くなっているのが分かる。


「タイヤブレーキだと、削れることが殆どないからパーツクリーナーで拭くだけで

汚れが落ちるらしいんだ」

「ふへぇ~~~すごいな」


「詳しいですね……えーっと」


「工大 源です。ここでは、ゲンさんってよばてる。

 僕の知ってる知識は、師匠の受け売りばかりなんだけどね」


この人の師匠かぁ……

きっとスゴイ人なんだろうな。

ミニ四駆仙人って感じかな?


俺のサンダーショットも、

ブレーキをつけたら昨日みたいにコースアウトしたりしなかったのかな?

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