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◆◆◆◆◆『無職』が『女子高生』とぶつかったら『ミニ四駆』をはじめる事になった件⑦◆◆◆◆◆

さて、初めてのレース結果は!?

「それじゃ、スタートに行って」

俺と純香ちゃんはスタートと書かれたシールの横に立つ。


挿絵(By みてみん)


「レース形式は3週勝負でやります。準備はいいですか?」


その言葉に、俺と純香ちゃんはうなづき、ミニ四駆のスイッチを入れる。


俺のミニ四駆から、グォオオオオオオオン! という地面を削りそうな音が響いた。


やべぇ……めっちゃ速そう!


二人がミニ四駆がスイッチを入れたのを見ると、

おねぇさんは俺たちの前に立ちフラッグ代わりに腕を横に伸ばす。


「レディ……………………ゴー!!」


おねぇさんが腕を上げると同時に、

二台のミニ四駆は手を離れ駆け出す!


コースを削るような音を立てながらサンダーショットが、ホームストレートを駆け抜けた!


「見たかこの速度!」

「さすがマッハダッシュだね」


そんな事を言っている間にも、サンダーショットが1台分の差を開けUターンへとたどり着く。


「でもレースっていうのは、直線だけが速ければ良いわけじゃないんだよ!」


その言葉に答えるように、マンタレイがウェーブ・ヘアピン・S字と連続するカーブで

泳ぐように走り、サンダーショットを追い抜いた!


「なんだ、その速さ!?」


くそっ! ベアリングローラーとか、ワンウェイホイールで綺麗に曲ってるはずなのに

なんでカーブで勝てないんだ!?

そんな事を思っている間にも、サンダーショットはカーブセクションを抜けバックストレートに入る!

その途端、雄たけびを上げるように速度を上げ純香のミニ四駆を距離を詰める!


「いっけぇええええええ!」


俺の声に答えるかのように、サンダーショットは純香ちゃんのミニ四駆をわずかに追い抜いた!


「おし!! 加速があればいいんだよ!」


拳を握り締め力をガッツポーズを取るが、

その一瞬の勝利もむなしく、二つのS字カーブとヘアピンカーブを抜ける頃には追い抜かれてしまう。

そして差が開いたまま、マンタレイは立体交差しているレーンチェンジを登り、

一番外側にレーンへ移動し2週目へと戻る。


2週目に入った直後ホームストレートでは、加速を生かしたサンダーショットがマンタレイをギリギリ追い抜く。

しかし、ホームストレートで追い抜いた差は、Uターン・ウェーブ・ヘアピンカーブ・S字カーブ

と連続するカーブの間に追いつかれ少しの差で追い越される……

ん? なんでさっきより差がでてないんだ?

GPチップが学んだのか?

それとも俺の超能力的な何かによって?


いや! 違う!!

ミニ四駆がゴール付近にあったレーンチェンジで

純香ちゃんのミニ四駆が内側レーンから外側のレーンに変わったからだ!

1週目は、俺より内側を走って短い距離を走行して速くはしってたけど、

2週目からは、俺の方が内側に入って走行距離が短くなったってことだ!

って事はもしかすると……このバックストレートを過ぎれば!!


「おっし!」


思ったとおりだ! 1週目のバックストレートでは、少ししか差が開かなかったが

2週目では1台分も差が開いている!

そうなると、まだチャンスがあるって事だよな!?


その後の二つのS字カーブとヘアピンカーブで追いつかれるが、

フラットなレーンチェンジを終えた後のホームストレートでは、

純香ちゃんのミニ四駆をぶっちりぎったまま走り続けた!


「ラスト1週!!」


ラスト一周において、もっとも内側を走っている俺のミニ四駆は

そのアドバンテージによってホームストレートでマンタレイとの差を少しずつ広げる。


マンタレイが得意な複数のカーブですら差を縮められるだで、

バックストレートにおいては更に差を広げた。


その後のS字カーブにおいては、少し差は短くなるものの

最後のヘアピンを抜けたときには、確実に追いつけない距離を保った。


「よおしぃ! 俺の勝ちだ!!」


ゴールに向かってきたサンダーショットを受け止めようと、しゃがんだ瞬間、

レーンチェンジの立体交差を登ったサンダーショットが姿勢を崩し……


「え!?」


コースの外へと吹っ飛んだ!!


「どうして?」


呆然とする中、

マンタレイが俺の横を抜けゴールを切った。


「言ったでしょ、レースっていうのは直線だけが速ければ良いわけじゃないって!」


頭の中で、なんで?という言葉が繰り返される?


「ふふふ、それじゃアタシの勝ちだし、約束まもってもらうよ!」


「何でも言え! ただし、俺ができる範囲でだぞ!」


純香ちゃんが、俺に指を立てて、


「無職君、君はは明日から、家の従業員になりなさい!」


「へ?」


こうして、無職の俺は喫茶の店員となった。

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